かたみのすずき  昔,吉田(豊橋)の里に漁師が住んでいた。男は毎日,豊川(とよがわ)に漁に出ていた。ある時,7日以上も何も釣れぬ日が続いた。そんな9日目のこと,それは大きな鱸(すずき)を釣り上げた。男は,吉田の殿様は,鱸の刺し身が大好きだと聞き,喜んで魚を殿様に ...