かわらまちのろくじぞう 瓦町の神明社(豊橋市瓦町)の北西の角に六地蔵が祀ってある。鎌倉時代の中ごろ,鎌倉街道の嶺野(みねの)が原の一角,今の瓦町神明社より100mの所に道祖神(別名辻地蔵)として建立されたものである。上り下りの旅人たちの道中を見守り,病気・怪我 ...
カテゴリ:14-民話
賀茂の鐘ヶ淵(民話) とは(豊橋百科事典より)
かものかねがふち 昔,賀茂の庄(豊橋市賀茂町)に長者がいた。その家には村で評判の美しい娘がいた。川を隔てた向かい側の麻生田(あそうだ)(豊川市麻生田町)に,京の都から高貴な身分の若者があらわれた。娘は,若者に想いを募らせた。ある日のこと,石巻神社に参詣した ...
鐘ヶ淵(民話) とは(豊橋百科事典より)
かねがふち 昔,石巻山のある寺に,大変美男の青年僧がいた。豊川(とよがわ)の近くのさる大家の姫君が,この僧に恋をし,会ってほしいといい寄った。困り果てた僧は一計をめぐらし,「大雨の降る日に三明寺(豊川市馬場町)の釣り鐘を外し,引っ張って来たら会う」といった ...
片身の鱸(民話) とは(豊橋百科事典より)
かたみのすずき 昔,吉田(豊橋)の里に漁師が住んでいた。男は毎日,豊川(とよがわ)に漁に出ていた。ある時,7日以上も何も釣れぬ日が続いた。そんな9日目のこと,それは大きな鱸(すずき)を釣り上げた。男は,吉田の殿様は,鱸の刺し身が大好きだと聞き,喜んで魚を殿様に ...
肩斬り地蔵(民話) とは(豊橋百科事典より)
かたきりじぞう 悟本寺(ごほんじ)(豊橋市石巻平野(ひらの)町)に,肩斬り地蔵と呼ばれているお地蔵様がある。昔この辺りには悪い狐が人を騙(だま)したり悪戯(いたずら)をしたりしていた。ある時,旅の侍がそれを聞いて退治することになった。その晩,松の陰に隠れて,狐の ...
お弓橋(民話) とは(豊橋百科事典より)
おゆみばし お弓は牛川(豊橋市牛川町)の庄屋の娘であった。年ごろになったお弓は,朝倉川の向こう岸に住む師匠のところに三味線の稽古(けいこ)に通うようになり,いつしか二人は恋仲となった。大雨が降ると歩いて川を越せないので,お弓は下男に命じて小さな橋をかけさせ ...
小山塚(民話) とは(豊橋百科事典より)
おやまづか 源義朝(1123~60)が平治の乱(1159年)に破れ,知多半島の野間(知多郡美浜町野間)まで逃れてきた。多くの家来たちは,途中散りぢりになり,関東へ行くことになった。その中に古渡(ふるわたり)の伊勢という武将がいた。彼には妻と14人の家来がいた。彼らは傷 ...
強飯鉢(民話) とは(豊橋百科事典より)
おしいばち 神代のこと,天照大神の命を受け,武甕槌命(たけみかづちのみこと)らは,東国の悪賊を討伐(とうばつ)に,船で東へ東へと海路を進撃していた。ある日,激しい暴風雨に見舞われ,船は大破し海中に放り出され海上を漂い,命からがら植田(豊橋市植田町)の浜に流れ ...
大西の馬頭観音(民話) とは(豊橋百科事典より)
おおにしのばとうかんのん 牟呂の大西(豊橋市牟呂大西町)の里に,働き者の馬方がいた。山の村まで荷物を届けた帰り道,日暮れの山道で,異様な獣の眼に気づいた。狼に囲まれた馬方は,「わしの家までついて来い,お前たちの大好きな塩をやるぞー」と大声で叫んで,一目散 ...
老津の雨乞い(民話) とは(豊橋百科事典より)
おいつのあまごい 大津(豊橋市老津町)の海ぎわに若宮という字があった。若宮の海中には,神々が履いていた履物が石化したという木履石(ぼくりいし)が沈んでいるといわれている。木履石の東方の島地に,神々が入って来たので名づけられた「御入江(おいりえ)」という場所が ...
葦毛と手洗(民話) とは(豊橋百科事典より)
いもうとてあらい 葦毛(豊橋市岩崎町)は,源頼朝(1147~99)が鎌倉街道を通って京都にのぼった時,険しい山越えであったためか,乗っていた葦毛(あしげ)の愛馬が急に苦しみ,死んでしまったのを悼み,この地に葬った。亡骸を葬った所を「葦毛(いもう)」と呼ぶようになっ ...
いぼとり地蔵(民話) とは(豊橋百科事典より)
いぼとりじぞう 春興院(しゅんこういん)(豊橋市石巻本町和田)の境内は広く,村の子どもたちの格好の遊び場になっていた。おもちゃなどない時代,年上の子どもは小さい弟や妹の子守をしながら鬼ごっこやままごと遊びに興じていた。ある日,小さい子どもの身体に米粒のよう ...
石巻さまご来山(民話) とは(豊橋百科事典より)
いしまきさまごらいさん 石巻さまは,長彦,伊豆彦の両神を連れ,大和の三輪山から紀伊の国に出て,そこから舟で三河湾に入り,大津(豊橋市老津町)に上陸,牛の背に乗り,三輪山と地形の似た石巻山に入山し,居を構えたといわれている。それ以後,牛は石巻さまのお使いで ...
石船と腰掛け岩(民話) とは(豊橋百科事典より)
いしぶねとこしかけいわ 大昔のこと,国造りの神々が船に乗って大津(豊橋市老津町)にやってきた。その時,乗り捨てられた木製の船が石船と化して海中に沈んでいるという。神々は伊勢の国からやってきたとも竜宮から来たとも伝えられ,船は嵐にあって沈んだとも伝えられて ...
池田綱政と観音霊験(民話) とは(豊橋百科事典より)
いけだつなまさとかんのんれいげん 宝永4(1707)年,岡山藩主池田綱政は参勤交代の帰途,白須賀(しらすか)宿に泊った。その夜,岩屋観音(豊橋市大岩町)が池田綱政の夢枕に現われ,今夜大津波が押し寄せてくるので早く立ち去るがよい,とのお告げがあった。池田綱政は, ...