豊橋市議の長坂です。
長くお世話になり、今年度末で議会事務局から異動となる職員が、
最後となる定例会で臨場感溢れる奇跡の1枚を撮ってくださいました(ありがとうございます)

さて、市議会(3月定例会)が終了しました。
定例会の最後には、各議員が議案に対する賛否の理由を述べる「討論」があります。
聞いていた方々から、長坂討論にご好評をいただきました。
市議会の最終日は、中継など動画がないため、僭越ながら原稿を掲載します。
■
(討論)
私、豊橋だいすき会・長坂尚登は、
議案第 6号 令和6年度豊橋市一般会計予算
議案第14号 令和6年度豊橋市下水道事業会計予算
の2つについて 反対 の立場より
6請願第1号学校給食費の無償化を求める請願
について 趣旨採択 の立場より
討論いたします。
順番が逆になりますが、請願、議案第14号の下水道事業、議案第6号の一般会計予算の順で、理由を申し述べます。
□
まず先に、
6請願第1号学校給食費の無償化を求める請願 について
請願事項である
「1 給食費無償化を子育て支援政策とし、恒久的な制度にすること」
については、給食費無償化が国の施策になることも含め、恒久的な制度となることに賛成です。
しかしながら、請願趣旨にあります
「4月からも引き続き給食費を豊橋市の予算案に入れ、給食費の完全無償化を実施」
は、困難です。
よって、趣旨採択とさせていただきます。
□
続いて、議案第14号 令和6年度豊橋市下水道事業会計予算
予算概要説明資料p88
「豊橋市は水道の民営化しないですよね?」と度々聞かれました。
その際は私は、
「佐原市長は、水道職員OBで構成されるNPO法人をつくったり、豊橋市の技術を高め、
その技術を、海外含め外に売り込んで行きたいと思っているくらいだから、
民営化はないと思うよ」
とお答えし、その度に市民の方の安堵の表情を見ておりました。
令和5年6月付けの国土交通省資料「ウォーターPPPについて」*1 に依ると、
ウォーターPPPとは、公共施設等運営事業、いわゆるコンセッションをレベル4とした際に、
レベル3.5に位置づけられる新設の「管理・更新一体マネジメント方式」、
この2つのレベルを指しています。
レベル4の実績は、工業用水道が2件で熊本県と大阪市、
下水道が3件で浜松市と須崎市と三浦市、
上・工・下一体が1件で宮城県ということです。
今回、豊橋市が導入検討を急ぐ大きな理由が国交省からの交付金ということです。
もちろんお金、財源は重要です。しかしながら、そのために、
市民の生活や健康に直結するような重要なインフラに対し、
とりわけ災害など非常時も考えると、
まだまだ実績の数も期間も小さい手法を取り入れることに、私は反対です。
□
最後に、議案第 6号 令和6年度豊橋市一般会計予算
予算概要説明資料p27
さて、本定例会の最中に、中日新聞にて
「豊橋の新アリーナ計画巡る調査報告「市主導で修正」 住民訴訟で日本総研側が主張」
と見出しの記事*2 が出ました。
私もこの裁判資料を確認しております。
この中で証拠として、今まで豊橋市が全く示してこなかった報告書を日本総研が明らかにしています。
「丙1」という証拠のため、便宜的に丙1報告書 *3 とします。
裁判資料では、この丙1報告書に対し、委託業務の完了検査がされているということです。
つまり、委託業務としての成果品は、この丙1報告書という主張です。
私この間、令和4年8月から「委託事業者から提出された成果物の全て」に対し公文書公開請求をし、更に1年以上かけて審査請求もしています。
しかしながら、丙1報告書は、その存在すら、全く示されませんでした。
豊橋市長は審査請求における弁明書の中で
「それ以外の文書は作成・取得しておらず、不存在である」*4 と言い切っています。
何のための情報公開制度、審査請求制度でしょうか。
これが浅井市長が実現すると掲げた「情報公開が徹底され、透明性が高い」豊橋市政でしょうか。*5
先の中日新聞記事では、
「全国市民オンブズマン連絡会議事務局長の新海聡(しんかい・さとし)弁護士の話」として、
「都合の悪い情報を隠蔽したと疑われても仕方がない。」としています。
では、丙1報告書に記載あるのに、これまで公にされなかった主な情報は何か。
BTコンセッション方式での収支予測です。黒字です。年2900万円の黒字です。
これはこれまで豊橋市が主張されてきた、運営権対価ゼロ円と整合が見出し難い試算です。
231億円の債務負担行為設定額の前提の1つとして、
基本計画における新アリーナ単体で年5900万円の赤字があります。
しかしながら、BTコンセッション方式に関し、
専門的ノウハウや知識・技術を持つという日本総研において、
年2900万円もの黒字が試算できるなら、赤字黒字の差8800万円、
30年分では26億4千万円、債務負担行為設定額が過大に積算された、
と考えることもできます。これ、市民の税金です。
なぜ、豊橋市はこの丙1報告書や、
BTコンセッション方式での収支予測をこれまで伏せ続けてきたのか。
そういうことを緊急質問で聞きたかったですが、
私の至らなさで叶いませんでした。残念です。
私は裁判資料を把握してすぐ、新たな公文書公開請求をしました。内容は、
「・令和4年6月20日までに、委託事業者から提出された成果物(報告書)」です。
その結果を今週いただきました。
「公文書存否応答拒否」です。
これはおかしな話です。
この令和4年6月20日というのは、委託業務の契約期間の最終日で、報告書など提出の期日です。
この日付で日本総研から委託業務完了報告書も提出され、豊橋市は委託業務検査報告書を作成しています。
この件については半年前、9月の決算でも確認しています。
従って、対象となる公文書、報告書が「ない」不存在ということはありえず、
「ある」存在する、ないといけません。
にも関わらず、あるかないかも言えない、存否応答拒否です。
この異常さ、わかりますでしょうか。
裁判資料によると、6月20日付の委託業務検査の後、委託業務の期間完了後、
7月になって豊橋市は日本総研に「修正」「差し替え」を求めたということです。
更に先の中日新聞記事によると、多目的屋内施設整備推進室長の言葉として
「今回のような報告書で業務委託先に修正や削除を指示することは「一般的にある」という。」とあります。
本当にこのような修正や削除が豊橋市において「一般的にある」なら、
非常に恐ろしいことだと、私は思います。
豊橋市に対して、早急の説明を求めます。
説明ができないなら、説明ができるまで入札を止めてください。
また説明次第では、基本計画の策定、債務負担行為設定額の積算から、やり直しを求めます。
最後に、豊橋市が丙1報告書を伏せ続け、「修正」し、
委員会開催前に差し替えとなるほど杜撰な収支予測を出してきたことから、
私は誤認をし、度々、日本総研に適切な能力がないような発言をしていました。
収支予測の件については、株式会社日本総合研究所に対し、お詫び申し上げます。
□
以上が、趣旨採択、または、反対の主な理由です。
他にも、疑問点がある予算があることは、既に予算特別委員会で申した通りです。
同様に、応援・期待したい事業についても、既に予算特別委員会で申した通りです。
最後に、長く市政に尽くされ、今年度退職される皆様、
そして役職定年など節目を迎える方々も合わせ、長い間、本当にお疲れ様です。
そして、9年間大変お世話になりました、ありがとうございます。
みなさまおひとりおひとりの人生において、一区切りとなりますが、
これからも様々な形で、豊橋という地域に関わり続け、市政にもご関心賜われれば、ありがたく存じます。
以上で、私の討論を終わります。
■
では!
(ご参考)
*1 下水道における新たなPPP/PFI事業の促進に向けた検討会
> 第33回検討会(令和5年6月29日)> ウォーターPPPについて
https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sewerage/mizukokudo_sewerage_tk_000382.html
(PDF) https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sewerage/content/001617674.pdf
*2 中日新聞記事
https://www.chunichi.co.jp/article/867373
*3 丙1報告書(拙ブログ及びグーグルドライブ)
http://nagasakanaoto.blog.jp/240324.html
https://drive.google.com/drive/folders/
*4 浅井市長による弁明書(抜粋)

*5 豊橋市長選挙前の浅井氏政治団体チラシ(抜粋)

長くお世話になり、今年度末で議会事務局から異動となる職員が、
最後となる定例会で臨場感溢れる奇跡の1枚を撮ってくださいました(ありがとうございます)

さて、市議会(3月定例会)が終了しました。
定例会の最後には、各議員が議案に対する賛否の理由を述べる「討論」があります。
聞いていた方々から、長坂討論にご好評をいただきました。
市議会の最終日は、中継など動画がないため、僭越ながら原稿を掲載します。
■
(討論)
私、豊橋だいすき会・長坂尚登は、
議案第 6号 令和6年度豊橋市一般会計予算
議案第14号 令和6年度豊橋市下水道事業会計予算
の2つについて 反対 の立場より
6請願第1号学校給食費の無償化を求める請願
について 趣旨採択 の立場より
討論いたします。
順番が逆になりますが、請願、議案第14号の下水道事業、議案第6号の一般会計予算の順で、理由を申し述べます。
□
まず先に、
6請願第1号学校給食費の無償化を求める請願 について
請願事項である
「1 給食費無償化を子育て支援政策とし、恒久的な制度にすること」
については、給食費無償化が国の施策になることも含め、恒久的な制度となることに賛成です。
しかしながら、請願趣旨にあります
「4月からも引き続き給食費を豊橋市の予算案に入れ、給食費の完全無償化を実施」
は、困難です。
よって、趣旨採択とさせていただきます。
□
続いて、議案第14号 令和6年度豊橋市下水道事業会計予算
予算概要説明資料p88
◎官民連携の推進(公) 30,000 千円少し前、浜松市での導入が話題となっているころ、市民の方から
下水道事業の持続可能な運営を行うため、新たな官民連携方式(ウォーターPPP)の導入を検討
「豊橋市は水道の民営化しないですよね?」と度々聞かれました。
その際は私は、
「佐原市長は、水道職員OBで構成されるNPO法人をつくったり、豊橋市の技術を高め、
その技術を、海外含め外に売り込んで行きたいと思っているくらいだから、
民営化はないと思うよ」
とお答えし、その度に市民の方の安堵の表情を見ておりました。
令和5年6月付けの国土交通省資料「ウォーターPPPについて」*1 に依ると、
ウォーターPPPとは、公共施設等運営事業、いわゆるコンセッションをレベル4とした際に、
レベル3.5に位置づけられる新設の「管理・更新一体マネジメント方式」、
この2つのレベルを指しています。
レベル4の実績は、工業用水道が2件で熊本県と大阪市、
下水道が3件で浜松市と須崎市と三浦市、
上・工・下一体が1件で宮城県ということです。
今回、豊橋市が導入検討を急ぐ大きな理由が国交省からの交付金ということです。
もちろんお金、財源は重要です。しかしながら、そのために、
市民の生活や健康に直結するような重要なインフラに対し、
とりわけ災害など非常時も考えると、
まだまだ実績の数も期間も小さい手法を取り入れることに、私は反対です。
□
最後に、議案第 6号 令和6年度豊橋市一般会計予算
予算概要説明資料p27
◯多目的屋内施設等整備事業 57,771千円予算概要説明資料p65
令和5年度に引き続き、PFIアドバイザリー業務を活用し、多目的屋内施設を核とした豊橋公園東側エリア整備・運営事業を推進
◎整備・運営事業の契約締結
・契約期間:令和6~39 年度
・債務負担行為設定額:23,070,000 千円
◎総合スポーツ公園整備事業 596,703 千円先ず、浅井市長においては、市長選挙前に豊橋公園ではない「ほかの場所」とされた公約を守ってください。
B地区の整備に向け、用地取得や基本設計等を実施
・面積7.2ha
さて、本定例会の最中に、中日新聞にて
「豊橋の新アリーナ計画巡る調査報告「市主導で修正」 住民訴訟で日本総研側が主張」
と見出しの記事*2 が出ました。
私もこの裁判資料を確認しております。
この中で証拠として、今まで豊橋市が全く示してこなかった報告書を日本総研が明らかにしています。
「丙1」という証拠のため、便宜的に丙1報告書 *3 とします。
裁判資料では、この丙1報告書に対し、委託業務の完了検査がされているということです。
つまり、委託業務としての成果品は、この丙1報告書という主張です。
私この間、令和4年8月から「委託事業者から提出された成果物の全て」に対し公文書公開請求をし、更に1年以上かけて審査請求もしています。
しかしながら、丙1報告書は、その存在すら、全く示されませんでした。
豊橋市長は審査請求における弁明書の中で
「それ以外の文書は作成・取得しておらず、不存在である」*4 と言い切っています。
何のための情報公開制度、審査請求制度でしょうか。
これが浅井市長が実現すると掲げた「情報公開が徹底され、透明性が高い」豊橋市政でしょうか。*5
先の中日新聞記事では、
「全国市民オンブズマン連絡会議事務局長の新海聡(しんかい・さとし)弁護士の話」として、
「都合の悪い情報を隠蔽したと疑われても仕方がない。」としています。
では、丙1報告書に記載あるのに、これまで公にされなかった主な情報は何か。
BTコンセッション方式での収支予測です。黒字です。年2900万円の黒字です。
これはこれまで豊橋市が主張されてきた、運営権対価ゼロ円と整合が見出し難い試算です。
231億円の債務負担行為設定額の前提の1つとして、
基本計画における新アリーナ単体で年5900万円の赤字があります。
しかしながら、BTコンセッション方式に関し、
専門的ノウハウや知識・技術を持つという日本総研において、
年2900万円もの黒字が試算できるなら、赤字黒字の差8800万円、
30年分では26億4千万円、債務負担行為設定額が過大に積算された、
と考えることもできます。これ、市民の税金です。
なぜ、豊橋市はこの丙1報告書や、
BTコンセッション方式での収支予測をこれまで伏せ続けてきたのか。
そういうことを緊急質問で聞きたかったですが、
私の至らなさで叶いませんでした。残念です。
私は裁判資料を把握してすぐ、新たな公文書公開請求をしました。内容は、
「・令和4年6月20日までに、委託事業者から提出された成果物(報告書)」です。
その結果を今週いただきました。
「公文書存否応答拒否」です。
これはおかしな話です。
この令和4年6月20日というのは、委託業務の契約期間の最終日で、報告書など提出の期日です。
この日付で日本総研から委託業務完了報告書も提出され、豊橋市は委託業務検査報告書を作成しています。
この件については半年前、9月の決算でも確認しています。
従って、対象となる公文書、報告書が「ない」不存在ということはありえず、
「ある」存在する、ないといけません。
にも関わらず、あるかないかも言えない、存否応答拒否です。
この異常さ、わかりますでしょうか。
裁判資料によると、6月20日付の委託業務検査の後、委託業務の期間完了後、
7月になって豊橋市は日本総研に「修正」「差し替え」を求めたということです。
更に先の中日新聞記事によると、多目的屋内施設整備推進室長の言葉として
「今回のような報告書で業務委託先に修正や削除を指示することは「一般的にある」という。」とあります。
本当にこのような修正や削除が豊橋市において「一般的にある」なら、
非常に恐ろしいことだと、私は思います。
豊橋市に対して、早急の説明を求めます。
説明ができないなら、説明ができるまで入札を止めてください。
また説明次第では、基本計画の策定、債務負担行為設定額の積算から、やり直しを求めます。
最後に、豊橋市が丙1報告書を伏せ続け、「修正」し、
委員会開催前に差し替えとなるほど杜撰な収支予測を出してきたことから、
私は誤認をし、度々、日本総研に適切な能力がないような発言をしていました。
収支予測の件については、株式会社日本総合研究所に対し、お詫び申し上げます。
□
以上が、趣旨採択、または、反対の主な理由です。
他にも、疑問点がある予算があることは、既に予算特別委員会で申した通りです。
同様に、応援・期待したい事業についても、既に予算特別委員会で申した通りです。
最後に、長く市政に尽くされ、今年度退職される皆様、
そして役職定年など節目を迎える方々も合わせ、長い間、本当にお疲れ様です。
そして、9年間大変お世話になりました、ありがとうございます。
みなさまおひとりおひとりの人生において、一区切りとなりますが、
これからも様々な形で、豊橋という地域に関わり続け、市政にもご関心賜われれば、ありがたく存じます。
以上で、私の討論を終わります。
■
では!
(ご参考)
*1 下水道における新たなPPP/PFI事業の促進に向けた検討会
> 第33回検討会(令和5年6月29日)> ウォーターPPPについて
https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sewerage/mizukokudo_sewerage_tk_000382.html
(PDF) https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sewerage/content/001617674.pdf
*2 中日新聞記事
https://www.chunichi.co.jp/article/867373
*3 丙1報告書(拙ブログ及びグーグルドライブ)
http://nagasakanaoto.blog.jp/240324.html
https://drive.google.com/drive/folders/
*4 浅井市長による弁明書(抜粋)

*5 豊橋市長選挙前の浅井氏政治団体チラシ(抜粋)
