豊橋市議の長坂です。

私企業の経営について、批評的に触れること憚られますが、
三遠ネオフェニックスに対しては、市がこれから、
多額の税金でつくろうとしている新アリーナに与える影響が、
とても大きいため、強く触れて参りますことご理解ください。

豊橋市は、新アリーナの計画(多目的屋内施設整備基本計画)
https://www.city.toyohashi.lg.jp/57267.htm p90より
にて、新アリーナの収支予測を
  • 収入:1.67億円
  • 支出:2.26億円
  • 赤字:0.59億円
としており、収入の約半分(約8千万円)をBリーグで見積もっています。

つまり、フェニックスがB1を維持できず、もし新アリーナ利用がなくなると、
その分、赤字が積み上がる(30年なら24億円超)となります。



さて、11月22日にBリーグが昨季(2022-23シーズン)の
クラブ決算概要を発表しました。
https://www.bleague.jp/about/management/ 

三遠ネオフェニックスについては、
  • リーグ断トツの赤字7.6億円(次の茨城が赤字2.1億円)
  • 2期連続赤字のため、今季も赤字(3期連続赤字)だとB1ライセンス困難
  • 今春10億円増資も、もう純資産が1.3億円に(▲8.7億円)
  • 今季1.3億円以上の赤字だと、再び債務超過(純資産がマイナス)となりB1ライセンス困難(再びの増資等ない場合)
  • 売上高9.4億円(うちスポンサー収入5.9億円)
  • 支出のうち、トップチーム人件費が8.2億円と倍増超(前季3.7億円)
  • 入場料収入9600万円(B1で下から2番め)
  • 「チケット単価」最下位(下表より)
などが主なトピックです。

他方、昨冬、Bリーグの島田チェアマンが豊橋を訪れた際のブログで、
次のように記しています。
売上高も12億は大きく超えています

 - 三遠ネオフェニックスの変化|島田慎二
https://note.com/1105shimada/n/n69f46c7ba490
12億円というのは、2026年以降の新しいBリーグにおいて、
新B1(Bプレミア)の参入基準で、非常に重要な数字です。

まだシーズン中で売上も確定していない、且つ、クラブも公表していない重要な数字を、
チェアマンという責任ある立場の方が、公表されたので、重く受け止めておりました。

ところが、蓋を開けてみれば、昨季の売上高は9.4億円※。
12億は大きく超えています」とはいったい何だったのでしょう。

※ブログ掲載当初「9.6億円」と誤記載していました。
 訂正し、お詫び申し上げます。


考えられるのは、
チェアマンご自身が根拠ない数字を公表されたか、
あるいは、フェニックス内部者など、
チェアマン自身が然るべき情報源と判断できる方が、
誤った情報をチェアマンにお伝えしたか。

いずれにしても、結果としてでも、
チェアマンという立場の方が、
重要な数字を誤って公表されたのは、
とても残念です。



Bリーグは新B1(Bプレミア)初年度の参入基準として、
主として今季の平均入場者数4千名&売上12億円
そして「原則最大18クラブ」としています。
https://www.bleague.jp/news_detail/id=159866 
https://www.bleague.jp/new-bleague/format/

ここで三遠ネオフェニックスの現在地を見てみます。


最後に、今後のスケジュールです。
Bリーグのライセンス判定(B来季は今年を目安に)と、
豊橋の新アリーナ入札&契約を重ねるとこんな感じです。

2024年
  • 3月頃: B来季ライセンス第1回判定
  • 4月頃: B来季ライセンス第2回判定
  • 4月26日: 新アリーナ入札書・事業提案書、締切
  • 5月: B今季終了(平均入場者数確定)
  ⇒2026年からの新B1参入クラブの見通しがかなり立つ
  • 8月: 新アリーナ仮契約の締結
  • 9月: 新アリーナ契約の締結(市議会の可決が必要)
  • 10月: 新B1初回審査
民間事業者は年8千万円の収入リスクについて、
いつまで、どのように評価されていくのでしょうか。

では!