豊橋市議の長坂です。
反面教師も含めて「地方自治は民主主義の学校」なのでしょうか。

さて、15,991署名とともに市民の直接請求権で出された新アリーナの住民投票条例案、公表翌日の記事は、共通して、浅井市長が条例案に付した意見のある一言でした。
新アリーナ住民投票条例案提出へ 浅井市長「制定意義は見いだしがたい」意見付ける/豊橋|東日新聞
https://www.tonichi.net/news/index.php?id=100124
つまり、浅井市長は住民投票をやる意義を見出すのが難しい(≒反対)ということです。



問題の一言につながる全文はこちらです。
今日の地方自治制度は、選挙により選ばれた市民の代表である議員の皆様や長による活動を通じ、市民の意思を行政に反映させる間接民主制を原則とするものである。これに対し、条例制定請求等の直接請求制度は、市民の意思が行政に反映されない場合などに間接民主制を補完するためのものである。直接請求権は、地方自治法に基づき付与された大変重要な市民の権利である

ものの、本市における多目的屋内施設の整備については、市民の意思が議員の皆様の御賛同による議会での議決という形で十分反映されていることから、本条例を制定する意義は見出し難いと考える。
http://nagasakanaoto.blog.jp/230224.html 
敢えて、2段に分けました。
前段はあくまで(都合のよい)一般論を書いているに過ぎません。

後段が豊橋市の話です。では、新アリーナの住民投票条例案を
制定する「意義は見いだし難い(と考える)」理由は何かと言えば、

「本市における多目的屋内施設の整備については、市民の意思が議員の皆様の御賛同による議会での議決という形で十分反映されていることから」です。

「議員の皆様の御賛同」としていますが、皆様=全議員、というわけではありません。
少なくとも、長坂は反対しました。

同じ箇所を何回も何回も何回も読みましたが、結局
「議会の過半数で賛成を得ているからOK、それで市民の意思は「十分反映」されている。
 住民投票で市民の意思を聞く必要ない!」
としか読み取れませんでした。

この場合の「聞く」は、耳に入れる・ヒアリングする、という意味でなく、
聞いた内容を市政に反映させる、ということまでもちろん含んでいます、念のため。

ちなみにその「議会での議決」は、具体的には直近で、2022年6月定例会での補正予算、
新アリーナの基本計画策定等の予算です。

しかしながら、この段階では、その前段の調査結果が一部(中間報告まで)しか、
市議に示さないまま、浅井市長は補正予算を提出し、市議会に判断を迫りました。

その調査は後になって、年間の赤字幅が3000万円も違う、
豊橋公園北側の危険箇所(家屋倒壊等氾濫想定区域(河岸侵食))を調べてない、
などが判明した非常に杜撰な調査です。

これらの不都合な情報が出てから、市議会が新アリーナに対して判断(採決)したことは何もありません。
これで「市民の意思が十分反映されている」と言い切るのは、恐ろしいことです。



このフレーズ、何を参考にしたのかわかるかなと、
「住民投票 意義見いだしがたい」で検索すると、豊橋以外に、もう1例が検索上位に出てきました。
IR住民投票条例案に「意義見いだしがたい」 横浜市長:朝日新聞デジタル https://www.asahi.com/articles/ASNDX6VPTNDXULOB00R.html 
直近だと、大阪もIRに関し、住民投票条例案を否決しましたが、それは検索上位で出てこなかったの不思議です。

この横浜市長も、浅井市長と同様にIRを「白紙」と言って当選したにも関わらず、その後IRを推進された経緯があります。

そして横浜は次の選挙で市長が変わり、この方は落選されました。

では。