豊橋市議の長坂です。
同じ表で「千円」と「万円」単位を並列するの、本当にプロの仕事でしょうか。

さて、浅井市長が豊橋公園での新アリーナ整備を決める元となった、豊橋市が日本総研に委託した調査、この中で年間の収入を1・58億円(ネーミングライツ1000万円含む)としています。
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この試算の元となった173万円/日の「単価」は、「近隣類似施設(浜松アリーナ)より設定」となっています(設営・撤去の86万円は、173万円の半額として試算)。

しかし浜松アリーナは、最大8000人収容の施設です。
5000席を目指す豊橋市の新アリーナの単価として大いに疑問があります。

更に浜松アリーナは、音楽興行需要(実績)がほとんどない施設です。
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(静岡市アリーナ誘致関連調査業務報告書より)
https://www.city.shizuoka.lg.jp/153_000100.html#h2_11 

他方、名古屋~横浜間の5千人超規模コンサートでほぼひとり勝ちと思われるのが、 上の表で、右から2番め「エコパアリーナ」です。
https://www.ecopa.jp/event_list/concert 

最大10,000人、JR愛野駅から徒歩15分(1.1km)と公共交通機関での便がそれほど良いわけでありません(それでも豊橋駅~豊橋公園よりは近い)が、公園内に4,000台以上の無料駐車場があります。

そんなエコパアリーナでも、最大で1日164万円(1,638,400 円)。
https://www.ecopa.jp/charge/

他に周辺施設等を調べると、こんな感じです。
  • 浜松アリーナ(最大8,000人):173万円
  • エコパアリーナ(最大10,000人):164万円
1500人超規模の音楽興行が多い県内施設
  • Zepp Nagoya(スタンディング1,864人):110万円※
  • フォレストホール(2,296席):73万円
  • 名古屋センチュリーホール(3,012席):120万円
  • 愛知県体育館第1競技場(7,407人):119万円
周辺で検討中の新アリーナ調査
  • 静岡新アリーナ(7,000席想定):179万円
  • 静岡新アリーナ(5,000席想定):125万円
  • 安城新アリーナ(5,000席想定):120万円


このように173万円というのは、7,000~10,000人規模の単価であり、
最大5,000席では、静岡や安城の新アリーナ調査のように、120万円ほどが妥当でしょう。

そのため、先ほどの173万円を120万円に(86万円も半額の60万円に)して計算すると、下記のようになります。
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豊橋市・日本総研より、4500万円近く減りました。
逆に言えば、収入を4500万円ほど高く見積もっていた、とも言えます。

市の調査結果は年5400万円の赤字(運営費のみ建設費は含まない)のため、
そこから収入が4500万円ほど減ると、年間の赤字は1億円近くなります。

いくらなんでも甘く見積もり過ぎでないでしょうか?

では。

(参考・出典など)