豊橋市議の長坂です。
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さて、2022年1月16日の0時過ぎ、気象庁が津波警報・注意報を発表。
その後、記者会見がありました。
わかったのは、気象庁にとっても「未知の現象」であったということです。
わからないことは「わかりません」と、とても真摯誠実な会見でした。

そして、歴史的な会見(現象)であったとも思われます。



浅学ながら、会見の内容をまとめてみました。
ご参考になれば幸いです。

【わかったこと(観測されたこと)】
・トンガで海底火山の大規模な噴火があった
・日本で全国的に気圧の変化(2ヘクトパスカルほどの上昇)があった
・日本で全国的に潮位の変化があった
・日本の潮位変化の発生時刻が、通常の津波(地震由来の津波)での予想到達時刻より2時間ほど早かった
・火山~日本の間の海外の観測地点での潮位変化は、日本よりも小さかった(およそ0.5m未満)


【わかっていないこと】
・今回の潮位変化のメカニズム(火山と潮位変化との関係)
・火山と気圧変化との関係
・気圧変化と潮位変化との関係
(気圧低下による「吸い上げ効果」により海水面が上昇する現象は把握できているが、今回のようなスケールでの気圧上昇による潮位変化はわかっていない)
・今回の潮位変化が「津波」的なものか、「波浪」的なものか
 ※川のように水全体が動くのが「津波」、水の表層部分のみの変化が「波浪」


【気象庁が判断したこと・津波警報等について】
「津波」かどうかわからないが、全国的に大きな潮位変化が観測されたため、「津波警報」の仕組みを使って防災対応を呼びかけた
・今後、注意報から警報に変わること(地域)もありえる(実際に、会見終盤に岩手が警報に)
・警報等の解除の見込みはわからない(潮位変化の仕組みがわからないため)
・今後の潮位変化を見ながら警報の切り替えや解除を判断していく


【気象庁による観測結果の見方】
・次の2つの観測結果から、通常の津波(地震による津波)とは異なる
 1.日本の潮位変化の発生時刻が、通常の津波(地震由来の津波)での予想到達時刻より2時間ほど早かった。
 (津波速度は(地震などの大きさでなく)海底の深さにより決まる、とのこと)
 2.火山~日本の間の海外の観測地点での潮位変化は、日本よりも小さかった(およそ0.5m未満)
 (通常の津波であれば、震源に近いほど潮位変化が大きい)

・そのため、会見では今回の現象を「津波」と言わず「潮位変化」と。


【どのくらい稀な現象か】
海外の火山による潮位変化は記録にない
・国内の火山による潮位変化は過去2例(明神礁と福徳岡ノ場)
・津波警報は2016年11月の福島県沖地震以来
・海外の地震による津波警報は、2010年2月のチリ地震以来

以上です。

気象庁の会見資料は、下記からご覧いただけます。
https://www.jma.go.jp/jma/press/2201/16a/202201160200.html
資料(PDF)最後のページで、トンガ(ヌクアロファ)のデータが、通信不通か、14:30前にゼロ(?)となっています。
220116_kaisetsu202201160200_23


不用意に海岸に近づくことはお控えお願いいたします。
よろしければ、こちら過去ブログもご覧くださいませ。
もし豊橋で津波・大地震が起きたら、どこがあぶない? - 愛知豊橋市長坂なおと のblog
http://nagasakanaoto.blog.jp/161122.html 
161122_tsunami-riron  
では。