豊橋市議の長坂です。
けんちん汁、好きでした。

さて、浅井市長の目玉公約であった「小学校給食費無償化」が、豊橋市議会にて否定※されました。
(※例年通り給食費とする修正案が提出され、修正可決)

これについて、私の立場上「中立的」にお伝えすることはできないため、
割り引いて読んでいただくため、先ず長坂の考え方として、市議会での「討論」原稿の該当箇所はこちらです。
私は浅井市長が掲げた、小学校給食費の無償化に前向きな気持ちでいました。

他方、これは私の考えですが、地方自治というのは、限りある予算の中で、何を優先するか、と思っています。

そのため、今回、小学校給食費を無償化を優先するため、浅井市長が他の予算をどう削減するか、を注目していました。

しかし、結果として出てきたもの、また予算特別委員会での質疑を通じてわかったことは、負担だけが増し、給食費を捻出するための、事業の見直しは何ひとつなかった、ということです。

私は正直がっかりしました。

説明資料では、
「小学校給食費無償化の財源は、事業の見直しにより節減した経常経費のうち5億円と、財政調整基金3億円を活用」と記載あります。

しかしながら、この「事業の見直し」は、「市税収入の大幅な減少を見込み」「社会保障経費の増加」や「公共施設の老朽化」に備えるため「歳出削減が必要」と、実施されたものであったことが、質疑を通じてわかりました。

また、これに限らず「一般財源の全体の不足のために」財政調整基金を活用する、という趣旨のご答弁が度々ありました。

これらを勘案すると、給食費を捻出するための、事業の見直しは何ひとつなかったわけですから、実質的に、約8億円の全額を財政調整基金から出した、とも解釈できると私は考えます。

浅井市長は豊橋市に「埋蔵金」があるとでも思っていたのか、あるいは財政調整基金を「埋蔵金」と思っていらっしゃるのでしょうか。
こんな対応は、浅井市長がおっしゃっていた市長の役割である、自治体の経営でも何でもありません。

改めて、浅井市長から「給食費無償化」のために、相当分、何を削減されるのか、示していただけることを期待いたします。
そのため、今回は反対とし、その裏返しである修正案の修正部分について、賛成いたします。
以前、私がツイッターにて、
【小学校の給食費無償化ため、廃止や縮小となる事業一覧】

浅井市長公約「小学校の給食費無償化」のため、新年度に廃止や縮小となる事業一覧が、市役所より示されました。

これだけ削ってもまだ5億円、3億円は財政調整基金(いわゆる市の貯金)を切り崩す、ということです
https://twitter.com/naotoyo84/status/1367370635756806144
と投稿しました。
しかし、これは私の認識違いでした。

「小学校の給食費無償化ため、廃止や縮小となる事業」
は、1つもないことが、市議会(予算特別委員会)での議論を通じてわかりました。

にも関わらず「学校給食費無償化に関する財源措置」として、
これらの事業一覧を提示されたのは、甚だ疑問です。



市議会全体を通じて、小学校給食費の無償化への意見をまとめると、およそ次のような感じでした。
1が賛成で、2,3,4,5は反対の理由です。
  1. 他に何も削減しなくても、無償化に賛成(むしろ、給食費のために何も削減していないから良い)
  2. 無償化するのであれば、他に相応分の削減をすべき(長坂はこの意見)
  3. 無償化より、他にもっと優先すべきことがある(校舎の改築、こども食堂など)
  4. 無償化の制度設計が不十分、公平性に欠ける(質の低下への懸念、不登校児への対応等)
  5. 負担軽減策としての効果に疑問(一定の所得以下の家庭は既に無償)
それぞれの会派(議員グループ)においては、反対理由がひとつ、というわけではありません。

逆に長坂の場合は、反対理由のほとんどが2です。
(例えば、給食費捻出のため削減するものの中に、子どもの貧困対策的なものが入っていれば、本末転倒なので、それが新たな反対理由にはなると思われます。)



今回、無償化が実現しなかったことについて、
未だに11月の市長選挙を引きずっているかのような、言説も目にします。

しかしながら手前味噌ですが、市議会のひとり会派4名※全員も、
今回、無償化を覆す修正案に賛成しました。
※4名のうち、少なくとも長坂含む2名は佐原市政に批判的でした。

浅井市長には、少なくとも給食費無償化を含む「目玉公約」については、
想いを載せた自身の言葉で、お話いただきたかったです。

浅井市長が話さず、代わりに市職員が歯切れない答弁を重ねるのは、心が痛みます。

では。