豊橋市議の長坂です。
叶わぬ夢を見させ続けた結果が、現代の政治不信でないでしょうか。
さて、豊橋市長選挙で当選され新市長となる浅井氏は、出馬発表のときから、
豊橋市を「県内第二の都市へ」旨を、訴え続けていました。
僕は「できない」ことを公約にするのは、よくないと思っています。
現在、新・岡崎市長の公約「一人5万円」が全国的なニュースになりつつあります。
しかしこの豊橋を「再び県内第二の都市に」というのは、それ以上に困難に思われます(合併を除く)。
2015年国勢調査による、現在愛知県2位~5位の人口(1位は断トツで名古屋市)と、社人研(国立社会保障・人口問題研究所)による2045年までの推計は下記の通りです。
豊橋市が2位になるためには、豊田市を越える必要があります。
この社人研の数字は、同一の推計方法に依るものです。
これとは別に、豊橋市では出生率が向上したときの推計(人口ビジョン)を出しています。
https://www.city.toyohashi.lg.jp/25390.htm
まず、水色の「低位推移」が、社人研の推計とほぼ同じ数字です。
豊橋市の合計特殊出生率は、この人口ビジョンを出したときが1.53(2014年)、最新では1.47(2019)です。
この出生率が、2030年に1.80、2040年に2.07、になると仮定(あくまで仮定)した超希望観測的な推計がオレンジ色の高位推移です。
これを先のグラフに重ねると次のようになります。
この「超希望観測的」な高位推移ですら、豊田市の人口には全然届きません。
浅井氏は2位になるのが「いつまでに」と期限を区切っていないため、仮に「25年後の2045年まで」とすると、こうならないといけません。
社人研推計では、豊田市と豊橋市の人口は2045年に約75,000人の差があります。
これを2020年~2045年の25年間で越えるには、豊橋の人口が年平均3,000人増えなくてはなりません。
■
「1年間に3,000人の人口が増える」というのは、どういうことでしょうか。
以下、少し数字の扱いが雑になりますが、ご了承ください。
まずは自然増という側面から。
近年、豊橋市では1年間で3,000名ほどの赤ちゃんが生まれています。
これが来年(2021年)から、いきなり2倍の6,000名の赤ちゃんになるということです。
出生率で言えば、1.5程度で推移してきたのが、いきなり2倍の3.0に。
全国で最も出生率の高い自治体でも、2.5ありません(沖縄県金武町 2.47)。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/other/hoken19/index.html
日本の歴史で言えば、3.0を超えていたのは戦後の第一次ベビーブーム、1950年頃までです。
どれほどありえないことかわかると思います。
■
続いて、社会増として。
従来的な手法である、企業誘致(工場誘致)で雇用を増やし、人口増を目指すとします。
おそらく日本で一番大きな工場と思われる、豊橋おとなり田原市のトヨタ工場(田原工場)。
7.5万人が増えるには、トヨタ田原工場規模が、豊橋に3つ必要になります。
日本一の工場が3つです!
■
岡崎市の「一人5万円」が、全部で約195億円かかるそうです。
トヨタ田原工場規模が、豊橋に3つできるなら、全然賛成できる案件です。
例えば、7.5万人増やすために、豊橋に住む必要がないのに豊橋に引っ越してきてくださる方に、
195億円を分けてお渡しするとしたら、一人あたり26万円になります。
1回の26万円で、豊橋に住み続けてくださるなら「全然あり」な政策(金額)です。
ちなみに区域限定であるものの、豊橋市では既に中学生以下に一人10万円や、固定資産税等の3年分相当額を補助しています。
https://www.city.toyohashi.lg.jp/37006.htm
しかしこれが社会増にものすごく効果を得ているかというと、そうではありません。
どこに住むか、ってそれだけ重要なことですから。
浅井新市長は、どのような秘策で豊橋の人口を「再び県内第二」とされるのでしょう。
では!
(参考)社人研データ
http://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson18/t-page.asp
叶わぬ夢を見させ続けた結果が、現代の政治不信でないでしょうか。
さて、豊橋市長選挙で当選され新市長となる浅井氏は、出馬発表のときから、
豊橋市を「県内第二の都市へ」旨を、訴え続けていました。
もう一度豊橋に元気を取り戻し、愛知県2位の存在感のある地域にしたい。
- 豊橋市長選 浅井氏が出馬会見|東愛知新聞
http://www.higashiaichi.co.jp/news/detail/6097
県内の自治体で2番目だった人口が5番目に転落したことを問題視。「もう一度豊橋に元気を取り戻し、愛知県第2の存在感のある地域にしないといけない」とした。
- 東日新聞(2020/03/27)
豊橋を元気にし、再び県内第二の都市へする■
- 中日新聞(2020/11/07)
僕は「できない」ことを公約にするのは、よくないと思っています。
現在、新・岡崎市長の公約「一人5万円」が全国的なニュースになりつつあります。
しかしこの豊橋を「再び県内第二の都市に」というのは、それ以上に困難に思われます(合併を除く)。
2015年国勢調査による、現在愛知県2位~5位の人口(1位は断トツで名古屋市)と、社人研(国立社会保障・人口問題研究所)による2045年までの推計は下記の通りです。
- 豊田市:422,542人
- 岡崎市:381,051人
- 一宮市:380,868人
- 豊橋市:374,765人
豊橋市が2位になるためには、豊田市を越える必要があります。
この社人研の数字は、同一の推計方法に依るものです。
これとは別に、豊橋市では出生率が向上したときの推計(人口ビジョン)を出しています。
https://www.city.toyohashi.lg.jp/25390.htm
まず、水色の「低位推移」が、社人研の推計とほぼ同じ数字です。
豊橋市の合計特殊出生率は、この人口ビジョンを出したときが1.53(2014年)、最新では1.47(2019)です。
この出生率が、2030年に1.80、2040年に2.07、になると仮定(あくまで仮定)した超希望観測的な推計がオレンジ色の高位推移です。
これを先のグラフに重ねると次のようになります。
この「超希望観測的」な高位推移ですら、豊田市の人口には全然届きません。
浅井氏は2位になるのが「いつまでに」と期限を区切っていないため、仮に「25年後の2045年まで」とすると、こうならないといけません。
社人研推計では、豊田市と豊橋市の人口は2045年に約75,000人の差があります。
これを2020年~2045年の25年間で越えるには、豊橋の人口が年平均3,000人増えなくてはなりません。
■
「1年間に3,000人の人口が増える」というのは、どういうことでしょうか。
以下、少し数字の扱いが雑になりますが、ご了承ください。
まずは自然増という側面から。
近年、豊橋市では1年間で3,000名ほどの赤ちゃんが生まれています。
これが来年(2021年)から、いきなり2倍の6,000名の赤ちゃんになるということです。
出生率で言えば、1.5程度で推移してきたのが、いきなり2倍の3.0に。
全国で最も出生率の高い自治体でも、2.5ありません(沖縄県金武町 2.47)。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/other/hoken19/index.html
日本の歴史で言えば、3.0を超えていたのは戦後の第一次ベビーブーム、1950年頃までです。
どれほどありえないことかわかると思います。
■
続いて、社会増として。
従来的な手法である、企業誘致(工場誘致)で雇用を増やし、人口増を目指すとします。
おそらく日本で一番大きな工場と思われる、豊橋おとなり田原市のトヨタ工場(田原工場)。
田原工場は高級車ブランドのLEXUSや大型SUVのランドクルーザーなどの車両に加え、基幹部品であるエンジンを生産している。2018年の車両生産台数は約30万台。稼働開始は1979年とちょうど40年前。敷地面積は403万平方メートル、東京ドーム80個分の広さがある。(略)仮に従業員1人あたり家族などで平均3名の人口増効果があるとすると、1工場で2.4万人。
我々は現在の従業員8000人体制を守っていかないといけない。
https://toyotatimes.jp/insidetoyota/042.html
7.5万人が増えるには、トヨタ田原工場規模が、豊橋に3つ必要になります。
日本一の工場が3つです!
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岡崎市の「一人5万円」が、全部で約195億円かかるそうです。
「5万円給付」195億円の補正予算案提出へ 岡崎市長:中日新聞Webもし195億円で、豊橋で毎年生まれる赤ちゃんがいきなり倍になったり、
https://www.chunichi.co.jp/article/147874
トヨタ田原工場規模が、豊橋に3つできるなら、全然賛成できる案件です。
例えば、7.5万人増やすために、豊橋に住む必要がないのに豊橋に引っ越してきてくださる方に、
195億円を分けてお渡しするとしたら、一人あたり26万円になります。
1回の26万円で、豊橋に住み続けてくださるなら「全然あり」な政策(金額)です。
ちなみに区域限定であるものの、豊橋市では既に中学生以下に一人10万円や、固定資産税等の3年分相当額を補助しています。
https://www.city.toyohashi.lg.jp/37006.htm
しかしこれが社会増にものすごく効果を得ているかというと、そうではありません。
どこに住むか、ってそれだけ重要なことですから。
浅井新市長は、どのような秘策で豊橋の人口を「再び県内第二」とされるのでしょう。
では!
(参考)社人研データ
http://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson18/t-page.asp