豊橋市議の長坂です。
数時間、数字をいじくり倒しても汎用な結果しか出ないこともよくあります。
(数字をいじくり倒しても汎用な結果しか出なかったイメージ)
■
さて、豊橋市長選挙がいよいよ今週末です。
また、先日行われた岡崎市長選挙では、ありえない「大番狂わせ」が起きました。
どうして「ありえない」ほどだったのか併せて、
公開情報から誰でもできる「票読み(基礎票)」について、ちょっと考えてみます。
(他にも、情勢調査(世論調査)や、支援団体の構成員数を積み重ねるなどの票読みもあります)
こちらは、2000年以降の国政選挙にて、岡崎と豊橋の政党別の投票先をまとめたものです。
(衆院選:比例東海ブロック、参院選:全国比例)
「民主系」は、民主党・民進党・希望の党・立憲民主党・国民民主党、
「維新みんな」は、維新とみんなの党、
「他」は、それ以外の投票先全てを合算しています。
また、岡崎市は2006年に人口9千人ほどの額田町を編入していますが、およそこの20年間で、岡崎市と豊橋市の人口はほぼ同様です。
ざっと数字を比べてわかるのは、岡崎市は豊橋市よりも、公明・共産の票数が少なく、
逆に自民・民主系の票数が多い、ということです。
■
「基礎票」を「どんなときでも特定の政党に入れる人」と考えます。
また「基礎票」でない票を「浮動票」と呼ばせていただきます。
実際には明確に線引きはできませんが、便宜的に分けさせていただきます。
20年間、同じ政党に入れ続けた、民主党への政権交代時も自民党に入れ続け、
逆に自民党への政権交代時にも民主党へ投じ続けていたような方の票が「基礎票」と考えられます。
つまり、20年間で投票の最小数が基礎票に近いと考えられます。
そこから更に数字を丸めさせていただくと、岡崎市においては、
先の岡崎市長選挙では、現職の内田氏を自民・公明・民主系が応援していました。
また、新人の中根氏の支援には共産党がまわっていたようです。
つまり、基礎票5千をひとつを「●」とすると、こうなります。
基礎8.5万(●17)
内田(現職):●●●●●●●●●●●●●●● 自民3万・公明1.5万・民主3万
中根(新人):●● 共産1万
もう選挙する前から、現職内田氏の圧倒的優位であったことがわかります。
しかし、蓋を開けたらこうでした。
投票率57%:17.5万人(●17・○18)
内田(現職):●●●●●●●●●●●●●● 7万
中根(新人):●●●○○○○○○○○○○○○○○○○○○ 10.5万
基礎票でない18の「○」(計9万)の全てが中根氏に投じられ、更に基礎票の一部も中根氏へ。
このくらいの大変動が起こったのが、先の岡崎市長でした。
高い投票率と併せて、浮動票が基礎票を完全に引っくり返しました。
もちろん、票は色分けされておらず、実際には区別できないため、
あくまで計算上に過ぎませんが、こんな想像が成り立つのです。
■
そして、豊橋市です。
過去の投票結果から、基礎票はだいたいこんな感じでしょう。
各政党や団体の各候補者への支援状況を踏まえると、こうなります。
基礎7.5万(●15)
佐原(現職):●●●●●●●●● 自民3万・公明1.5万
浅井(新人):●●●●●● 民主2万・共産1万
鈴木(新人):
ここからは未来の話なので、より想像となり、仮定が増えます。
投票率が40%で合計約12万票とします。
更に誠に勝手な想像(仮定)で申し訳ございませんが、新人の鈴木氏を1万票と仮定させてもらいます。
その上で、佐原氏と浅井氏が同数になるように並べると、次のようになります。
投票率40%:12万人(●15・○9)
佐原(現職):●●●●●●●●●○○ 5.5万
浅井(新人):●●●●●●○○○○○ 5.5万
鈴木(新人):○○ 1万
浅井氏が佐原氏に勝つには、9つの「○」のうち、5つ以上を取らないといけません。
浮動票のうち、5/9=55.5%以上です。
候補者が3人のため、浮動票の動きが完全にランダムなら1/3=33.3%、
これを55.5%以上まで上げないと行けない、これはかなりのハードルです。
逆に佐原氏から見ると9つの「○」のうち2つ、2/9=22.2%で勝てることになります。
浮動票の動きが完全にランダム(33.3%)なら、佐原氏が勝ててしまう、ということになります。
■
更に、もし投票率が50%まで上がると、次のようになります。
投票率50%:15万人(●15・○15)
佐原(現職):●●●●●●●●●○○○○○ 7万
浅井(新人):●●●●●●○○○○○○○○ 7万
鈴木(新人):○○ 1万
この場合でも、浅井氏が勝つのは、15の「○」のうち8つ、53.3%以上です。
佐原氏の場合は、15の「○」のうち5つ、33.3%以上で、ちょうど完全ランダムと同じです。
■
ここまで書いて認識をより固くしましたが、一騎打ちであった岡崎市長選挙と異なり、
三つ巴の構図では、第3の候補の存在が、相当効くということです。
みなさんもご経験がおありと存じますが、投票先を選ぶのは必ずしも積極的な理由と限りません。
「あの公約に反対だからあの人には入れない」「○○党だからあの人以外の人で」
このような、いわゆる消去法で候補者を絞り込むのは、よくあることです。
ある人に積極的な理由がなくても、他の2人にネガティブな理由があれば、
その人が他の候補への反対や批判の「受け皿」になりえます。
逆にいかに一騎打ちに持ち込むか、の大切さも痛感します。
豊橋でも岡崎のような大番狂わせが起きるのか、
あるいは基礎票に応じた結果となるのか、
それを決めるのは、このブログをご覧くださっているあなたです。
では!
(参考)岡崎市と豊橋市の選挙の記録
https://www.city.okazaki.lg.jp/class/p015602.html
https://www.city.toyohashi.lg.jp/6601.htm
数時間、数字をいじくり倒しても汎用な結果しか出ないこともよくあります。
(数字をいじくり倒しても汎用な結果しか出なかったイメージ)
■
さて、豊橋市長選挙がいよいよ今週末です。
また、先日行われた岡崎市長選挙では、ありえない「大番狂わせ」が起きました。
どうして「ありえない」ほどだったのか併せて、
公開情報から誰でもできる「票読み(基礎票)」について、ちょっと考えてみます。
(他にも、情勢調査(世論調査)や、支援団体の構成員数を積み重ねるなどの票読みもあります)
こちらは、2000年以降の国政選挙にて、岡崎と豊橋の政党別の投票先をまとめたものです。
(衆院選:比例東海ブロック、参院選:全国比例)
「民主系」は、民主党・民進党・希望の党・立憲民主党・国民民主党、
「維新みんな」は、維新とみんなの党、
「他」は、それ以外の投票先全てを合算しています。
また、岡崎市は2006年に人口9千人ほどの額田町を編入していますが、およそこの20年間で、岡崎市と豊橋市の人口はほぼ同様です。
ざっと数字を比べてわかるのは、岡崎市は豊橋市よりも、公明・共産の票数が少なく、
逆に自民・民主系の票数が多い、ということです。
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「基礎票」を「どんなときでも特定の政党に入れる人」と考えます。
また「基礎票」でない票を「浮動票」と呼ばせていただきます。
実際には明確に線引きはできませんが、便宜的に分けさせていただきます。
20年間、同じ政党に入れ続けた、民主党への政権交代時も自民党に入れ続け、
逆に自民党への政権交代時にも民主党へ投じ続けていたような方の票が「基礎票」と考えられます。
つまり、20年間で投票の最小数が基礎票に近いと考えられます。
そこから更に数字を丸めさせていただくと、岡崎市においては、
- 自民:3万
- 公明:1.5万
- 民主系:3万
- 共産:1万
先の岡崎市長選挙では、現職の内田氏を自民・公明・民主系が応援していました。
また、新人の中根氏の支援には共産党がまわっていたようです。
つまり、基礎票5千をひとつを「●」とすると、こうなります。
基礎8.5万(●17)
内田(現職):●●●●●●●●●●●●●●● 自民3万・公明1.5万・民主3万
中根(新人):●● 共産1万
もう選挙する前から、現職内田氏の圧倒的優位であったことがわかります。
しかし、蓋を開けたらこうでした。
投票率57%:17.5万人(●17・○18)
内田(現職):●●●●●●●●●●●●●● 7万
中根(新人):●●●○○○○○○○○○○○○○○○○○○ 10.5万
基礎票でない18の「○」(計9万)の全てが中根氏に投じられ、更に基礎票の一部も中根氏へ。
このくらいの大変動が起こったのが、先の岡崎市長でした。
高い投票率と併せて、浮動票が基礎票を完全に引っくり返しました。
もちろん、票は色分けされておらず、実際には区別できないため、
あくまで計算上に過ぎませんが、こんな想像が成り立つのです。
■
そして、豊橋市です。
過去の投票結果から、基礎票はだいたいこんな感じでしょう。
- 自民:3万
- 公明:1.5万
- 民主系:2万
- 共産:1万
各政党や団体の各候補者への支援状況を踏まえると、こうなります。
基礎7.5万(●15)
佐原(現職):●●●●●●●●● 自民3万・公明1.5万
浅井(新人):●●●●●● 民主2万・共産1万
鈴木(新人):
ここからは未来の話なので、より想像となり、仮定が増えます。
投票率が40%で合計約12万票とします。
更に誠に勝手な想像(仮定)で申し訳ございませんが、新人の鈴木氏を1万票と仮定させてもらいます。
その上で、佐原氏と浅井氏が同数になるように並べると、次のようになります。
投票率40%:12万人(●15・○9)
佐原(現職):●●●●●●●●●○○ 5.5万
浅井(新人):●●●●●●○○○○○ 5.5万
鈴木(新人):○○ 1万
浅井氏が佐原氏に勝つには、9つの「○」のうち、5つ以上を取らないといけません。
浮動票のうち、5/9=55.5%以上です。
候補者が3人のため、浮動票の動きが完全にランダムなら1/3=33.3%、
これを55.5%以上まで上げないと行けない、これはかなりのハードルです。
逆に佐原氏から見ると9つの「○」のうち2つ、2/9=22.2%で勝てることになります。
浮動票の動きが完全にランダム(33.3%)なら、佐原氏が勝ててしまう、ということになります。
■
更に、もし投票率が50%まで上がると、次のようになります。
投票率50%:15万人(●15・○15)
佐原(現職):●●●●●●●●●○○○○○ 7万
浅井(新人):●●●●●●○○○○○○○○ 7万
鈴木(新人):○○ 1万
この場合でも、浅井氏が勝つのは、15の「○」のうち8つ、53.3%以上です。
佐原氏の場合は、15の「○」のうち5つ、33.3%以上で、ちょうど完全ランダムと同じです。
■
ここまで書いて認識をより固くしましたが、一騎打ちであった岡崎市長選挙と異なり、
三つ巴の構図では、第3の候補の存在が、相当効くということです。
みなさんもご経験がおありと存じますが、投票先を選ぶのは必ずしも積極的な理由と限りません。
「あの公約に反対だからあの人には入れない」「○○党だからあの人以外の人で」
このような、いわゆる消去法で候補者を絞り込むのは、よくあることです。
ある人に積極的な理由がなくても、他の2人にネガティブな理由があれば、
その人が他の候補への反対や批判の「受け皿」になりえます。
逆にいかに一騎打ちに持ち込むか、の大切さも痛感します。
加藤:市長選に勝つうえで一番、重要だったポイントはなんだったんでしょうか?■
東市長:これを言うと、いやらしく聞こえてしまうかもしれませんが、『現職と一騎打ちにもっていくこと』です。
【四條畷市長 東修平氏の市長選挙】
https://www.holg.jp/interview/azumashuhei7/
豊橋でも岡崎のような大番狂わせが起きるのか、
あるいは基礎票に応じた結果となるのか、
それを決めるのは、このブログをご覧くださっているあなたです。
では!
(参考)岡崎市と豊橋市の選挙の記録
https://www.city.okazaki.lg.jp/class/p015602.html
https://www.city.toyohashi.lg.jp/6601.htm