豊橋市議の長坂です。
不要不急とは何か考えさせられる日々です。
さて、豊橋市が、地域新電力会社を早期に設立する方針を示しました。
私はこの会社を行政が設立することに懐疑的であり、不要だと思っています。
理由は主に、以下3点によります。
■
まず1つめの、
「地域新電力会社を設立しても、地球温暖化対策(温暖化ガスの排出削減)に直接的に貢献しない」
地域新電力会社の仕事は、平たく言えば、電気の売買であり、発電はしません。
当たり前ですが、太陽光などの再生可能エネルギーによる発電(以下、再エネ電力/電気、と表記)が増えなければ、温暖化対策にはなりません。
豊橋市の公共施設で使用する再エネ電気を増やしても、それは別のところで使用する再エネ電気が減るので、全体で考えれば、地球温暖化対策とはなりません(市役所に確認済)。
同様に「電気の地産地消」も、再エネ電気をどこで使うか、というだけの話であるため、同様に直接的には、地球温暖化対策とはなりません(同じく市役所に確認済)。
また、豊橋市は既に太陽光やバイオマスによる発電施設を整備していますが、地域新電力会社を設立しなくとも、今後も発電施設の整備は可能です(市議会質疑で確認済)。
■
続いて、2つめ
「民業圧迫であり、地域経済への好影響についても疑問」
まだしもこの地域に、新電力会社がなければ、地域でお金を循環させる、ことにつながったかもしれません。
しかし、豊橋市には、市内に本社を構える「サーラ e エナジー株式会社」が2015年に設立されています。
https://www.salaeenergy.sala.jp/about/
他方、豊橋市が地域新電力会社を共同出資するというJFEエンジニアリング(株)グループ(JFEEGr)は、市外(東京)に本社があります。
https://www.jfe-eng.co.jp/information/company/
もちろん、利益(お金だけでなくヒトやノウハウ、ネットワークなど)は、市外流出や市外で調達される可能性もあり、本当に地域経済の好循環・好影響となるのか疑問です。
■
最後に3つめ、
豊橋市が設立する地域新電力会社の最大の競合は、中部電力(とその関連会社)であり、通常の競争環境下では、なかなかに立ち打ちするのは困難でしょう。
普通に考えれば、中部電力を始めとする大手よりも高く電気を買い、安く電気を売らなければ、発電者や消費者から、豊橋市の地域新電力会社が選ばれることは難しく思われます。
しかし、豊橋市の政策的決定のため、
■
本件については、自民党豊橋市議団・団長の豊田一雄市議や、まちフォーラム(旧民主党系)の芳賀裕崇議員も、市議会で厳しい質疑や意見を行政にぶつけています。
https://youtu.be/TzaU7IiD0oc?t=6340
(1:45:40頃より、頭出し済)
それぞれがSALAのOBや、中部電力の現役社員であることを差し引いても、ご指摘の多くは首肯できるものでした。
本件については、市議会でこれだけの指摘がされているにも関わらず、地元紙ではそれらが触れられておらず、市役所発表の前向きなことしか記載ないことは、悲しく感じます。
■
「市議会のチェック機能」について、度々ご意見をいただきます。
市議会36人のうち30人程が「市長派」である今の議会構成においては、多くの場合そのご指摘について私の力不足を感じ、胸を痛めています。しかし、本件については、現時点では、しっかりと議論がされています。
「現時点」というのは、そうは言っても、これだけの厳しい意見を自民団長やまちフォーラムの議員が出していても、9月議会に出資金の補正予算は提出され、多くの「市長派」の方々は、賛成するであろう、ということです。
11月に市長選があることを考えても、せめて「地域新電力会社の設立」を公約に掲げ、現職が当選(再選)した後で設立するのが、筋でないでしょうか。
地域新電力会社に関する資料は下記よりダウンロードできます。
https://www.city.toyohashi.lg.jp/40673.htm
環境経済委員会 > 令和2年7月29日
>豊橋市エネルギーの地産地消事業 事業化可能性調査報告について
では!
不要不急とは何か考えさせられる日々です。
さて、豊橋市が、地域新電力会社を早期に設立する方針を示しました。
私はこの会社を行政が設立することに懐疑的であり、不要だと思っています。
理由は主に、以下3点によります。
- 地域新電力会社を設立しても、地球温暖化対策(温暖化ガスの排出削減)に直接的に貢献しない。
- 民業圧迫であり、地域経済への好影響についても疑問
- 豊橋市役所が出資する、第3セクターとして設立するため、経営がよろしくなくなったときに、税金による支援が懸念される。
■
まず1つめの、
「地域新電力会社を設立しても、地球温暖化対策(温暖化ガスの排出削減)に直接的に貢献しない」
地域新電力会社の仕事は、平たく言えば、電気の売買であり、発電はしません。
当たり前ですが、太陽光などの再生可能エネルギーによる発電(以下、再エネ電力/電気、と表記)が増えなければ、温暖化対策にはなりません。
豊橋市の公共施設で使用する再エネ電気を増やしても、それは別のところで使用する再エネ電気が減るので、全体で考えれば、地球温暖化対策とはなりません(市役所に確認済)。
同様に「電気の地産地消」も、再エネ電気をどこで使うか、というだけの話であるため、同様に直接的には、地球温暖化対策とはなりません(同じく市役所に確認済)。
また、豊橋市は既に太陽光やバイオマスによる発電施設を整備していますが、地域新電力会社を設立しなくとも、今後も発電施設の整備は可能です(市議会質疑で確認済)。
■
続いて、2つめ
「民業圧迫であり、地域経済への好影響についても疑問」
まだしもこの地域に、新電力会社がなければ、地域でお金を循環させる、ことにつながったかもしれません。
しかし、豊橋市には、市内に本社を構える「サーラ e エナジー株式会社」が2015年に設立されています。
https://www.salaeenergy.sala.jp/about/
他方、豊橋市が地域新電力会社を共同出資するというJFEエンジニアリング(株)グループ(JFEEGr)は、市外(東京)に本社があります。
https://www.jfe-eng.co.jp/information/company/
もちろん、利益(お金だけでなくヒトやノウハウ、ネットワークなど)は、市外流出や市外で調達される可能性もあり、本当に地域経済の好循環・好影響となるのか疑問です。
■
最後に3つめ、
「豊橋市役所が出資する、第3セクターとして設立するため、経営がよろしくなくなったときに、税金による支援が懸念される。」
基本的に、電気を売買して利益を得る、という構造のため、当たり前ですが「売る電気」よりも安く、電気を買えなければ、赤字となります。
こういうビジネスモデルは、規模が大きければ大きいほどに、効率化しやすい、と理解しています。豊橋市が設立する地域新電力会社の最大の競合は、中部電力(とその関連会社)であり、通常の競争環境下では、なかなかに立ち打ちするのは困難でしょう。
普通に考えれば、中部電力を始めとする大手よりも高く電気を買い、安く電気を売らなければ、発電者や消費者から、豊橋市の地域新電力会社が選ばれることは難しく思われます。
しかし、豊橋市の政策的決定のため、
- 豊橋市が太陽光やバイオマスで発電した電気を、本来であればより高く買ってもらえるにも関わらず、豊橋市の新電力会社に安く販売したり、
- 豊橋市の公共施設で使用する電気を、新電力会社から市場価格より高く買ったり、
- 民間の太陽光など再エネ電気を採算度外視で高く買ったり、
■
本件については、自民党豊橋市議団・団長の豊田一雄市議や、まちフォーラム(旧民主党系)の芳賀裕崇議員も、市議会で厳しい質疑や意見を行政にぶつけています。
https://youtu.be/TzaU7IiD0oc?t=6340
(1:45:40頃より、頭出し済)
それぞれがSALAのOBや、中部電力の現役社員であることを差し引いても、ご指摘の多くは首肯できるものでした。
本件については、市議会でこれだけの指摘がされているにも関わらず、地元紙ではそれらが触れられておらず、市役所発表の前向きなことしか記載ないことは、悲しく感じます。
今年10月に新電力会社設立 | 東日新聞
http://www.tonichi.net/news/index.php?id=82791
豊橋市が10月にも新電力会社設立へそして、地元国会議員もこの記事を受けて、前向きな認識を示したのには驚きました。
http://www.higashiaichi.co.jp/news/detail/6656
せき健一郎@sekikenichiro市議会での議論について、支援団体を同じくする地元市議から共有がなかったのかな、と思われます。@higashiaichi これ、とても面白いニュースですね。
2020/08/02 18:21:47
集約型から分散型にエネルギー供給がシフトする中、その橋渡し役のような仕事をするならば、豊橋は先進的な取り組みをしたと思います。、
■
「市議会のチェック機能」について、度々ご意見をいただきます。
市議会36人のうち30人程が「市長派」である今の議会構成においては、多くの場合そのご指摘について私の力不足を感じ、胸を痛めています。しかし、本件については、現時点では、しっかりと議論がされています。
「現時点」というのは、そうは言っても、これだけの厳しい意見を自民団長やまちフォーラムの議員が出していても、9月議会に出資金の補正予算は提出され、多くの「市長派」の方々は、賛成するであろう、ということです。
11月に市長選があることを考えても、せめて「地域新電力会社の設立」を公約に掲げ、現職が当選(再選)した後で設立するのが、筋でないでしょうか。
地域新電力会社に関する資料は下記よりダウンロードできます。
https://www.city.toyohashi.lg.jp/40673.htm
環境経済委員会 > 令和2年7月29日
>豊橋市エネルギーの地産地消事業 事業化可能性調査報告について
では!