豊橋市議の長坂です。
クリスマス頃のブログを友人から「フェイクニュース」と言われました(事実です)。

さて、また豊橋市図書館で発見がありました。
欧米各国訪問の兵士の日記発見|NHK 東海のニュース
https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20200108/3000008430.html 
寄港先にドイツ皇帝 軍艦乗務、海軍兵の日記見つかる:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASN1B32FKN1BOIPE005.html 
日付や寄港地は、海軍の公式文書と一致した。
http://www.higashiaichi.co.jp/news/detail/5747
ということで、豊橋市図書館として一定の確からしさを確認しています。
昨年の三英傑関連文書の発見に続き、図書館の本気が垣間見えます。
織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の朱印状などが豊橋市図書館の前身「羽田八幡宮文庫」で発見! - 愛知豊橋市長坂なおと のblog 
http://nagasakanaoto.blog.jp/191106.html 


ところで、年末に気になるツイートを見つけました。
これは非常に重たいことです。



図書館が購入して、蔵書している本については、司書の方々がその専門知識を活かしながら「選書」をされ、購入されているため、一定程度の「確からしさ」が担保されているものと思われます。

しかし、寄贈された図書についてはいかがでしょう。

先日、調べ物のため郷土史料を求め、図書館に行きました。

歴史的・郷土史的な事実を確認したく、郷土史料を参照したのですが、史料全体の様子から信頼性に疑問を感じました。
そこで、図書館職員の方に、「この史料がどの程度「確からしい」ものか」を聞いても、明快な回答を得られず。。



この史料は開架図書として、図書館の本棚に配されていました。
もちろん、史料が寄贈されたものか、購入されたものかは、わかりません。

しかし公立図書館の、しかも開架図書として配されていれば、手にとった多くの方が、そこに記されていることを、一定程度の確からしい事実、として捉えることでしょう。

その史料に書かれていたことが、どの程度の確からしさなのか、僕には判断できませんでした。
判断できなかったので、その調べていたことについて、議会活動(質問など)の参考や、ブログで取り上げることは控えることにしました。



図書館法では「図書館」の定義と、「図書館奉仕」を次のように定めています。
(定義)
第二条 この法律において「図書館」とは、図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存して、一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーシヨン等に資することを目的とする施設で、地方公共団体、日本赤十字社又は一般社団法人若しくは一般財団法人が設置するもの(学校に附属する図書館又は図書室を除く。)をいう。(略)

(図書館奉仕)
第三条 図書館は、図書館奉仕のため、土地の事情及び一般公衆の希望に沿い、更に学校教育を援助し、及び家庭教育の向上に資することとなるように留意し、おおむね次に掲げる事項の実施に努めなければならない。

一 郷土資料、地方行政資料、美術品、レコード及びフィルムの収集にも十分留意して、図書、記録、視聴覚教育の資料その他必要な資料(電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られた記録をいう。)を含む。以下「図書館資料」という。)を収集し、一般公衆の利用に供すること。

二 図書館資料の分類排列を適切にし、及びその目録を整備すること。

三 図書館の職員が図書館資料について十分な知識を持ち、その利用のための相談に応ずるようにすること。 
また、法律ではないものの、豊橋市図書館も関わりが深い「図書館の自由に関する宣言」では、次のように記されています。
第1 図書館は資料収集の自由を有する

1.図書館は、国民の知る自由を保障する機関として、国民のあらゆる資料要求にこたえなければならない。

2.図書館は、自らの責任において作成した収集方針にもとづき資料の選択および収集を行う。その際、(略)

(5)寄贈資料の受入にあたっても同様である。図書館の収集した資料がどのような思想や主張をもっていようとも、それを図書館および図書館員が支持することを意味するものではない。
http://www.jla.or.jp/library/gudeline/tabid/232/Default.aspx 


つまり、図書館司書の専門的知識を経ずに蔵書される(可能性が高い)、寄贈資料においては、図書館職員は、より一層の知識を以って、利用者の相談に応じられるようにする必要性の高さを感じられました。

情報が溢れるようになった社会の中、資料の収集・整理・保存だけでなく、資料に対する深い知識を以って、資料に対する確からしさ(資料の思想・主張への支持という意味ではない)の情報提供についても、図書館に求められる時代になってきているのかもしれません。

では!