豊橋市議の長坂です。
高師にある喫茶店「凛」の白いモンブラン、美味しいです。

さて、現在「ミラまち」として、積水ハウスが開発を進めている広大な高師の土地。
かつてそこには、ユニチカの工場がありました。

2015年にユニチカ社が、積水ハウス社に約63億円で土地を売却。
しかし、その土地の権利は豊橋市にあり、ユニチカ社は売ってはいけなかったのではないか。

そのような争点で行われた住民訴訟の第一審判決が、昨年2018年2月に出ました。
結果は住民側(原告団)の全面勝訴。

豊橋市はユニチカ社に土地売却額+利息の約70億円を請求しなさい、という内容でした。
(つまり、豊橋市はユニチカ社から約70億円をいただく権利がある、という判決です)

しかし、豊橋市の佐原光一市長は「そんな権利はない」と、高等裁判所に控訴。
その第二審、高等裁判所の判決が、来週7月16日に示されます。
判決日
日時 2019年7月16日(火)11:00
名古屋高等裁判所 1号法廷   (大法廷)
https://yunichika.jimdo.com/
ここからは、私見を含めた未来予測です。

判決は大きく分けて3パターンあります。
  1. 住民側(原告団)の全面勝訴(豊橋市は70数億円を請求しなさい)
  2. 豊橋市側の全面勝訴(豊橋市に請求する権利はありません)
  3. 双方にとって一部勝訴・一部敗訴(豊橋市の請求権を一部認め、満額でない金額(数億~数十億)を請求しなさい)
裁判に詳しい人の話を聞くと、3. の双方にとって一部勝訴・一部敗訴の雰囲気であったものの、裁判所の定期人事異動によって、途中で裁判官が変わってしまい、その雰囲気もよくわからない様子。

ただ、1.~3.のいずれにしても、豊橋市または原告団が、最高裁に上告すると思われるので、最終判断は、最高裁判所の判決を待つことになると思われます。

とは言え、今回の判決で、豊橋市が全面/一部敗訴して、上告した場合、そのような判断にいたった説明は求められるものです。

そして、半年~1年ほどの後、最高裁でも1.~3.いずれかの結果となるでしょう。



では、1.または3.の結果、豊橋市がユニチカ社に億単位の金額を請求することになった場合、どうなるのか。
ぼくは新たに、豊橋市 vs ユニチカ社の裁判が始まるのではないか、と予測しています。

現在の住民訴訟は、原告団(住民)vs 豊橋市&ユニチカ社、という少しわかりにくい構図になっています。
一見、利害が対立はずの豊橋市とユニチカ社が同じ側にいるのです。

ユニチカ社は「補助参加人」という位置で、裁判の当事者であり、現在の裁判結果に従わなければなりません。
しかし、現在の裁判で事実関係が争われているのは、昭和時代の契約に対する解釈、とのことです。



ユニチカ社の社長は土地の売却前に、佐原市長を訪問しています。
このときどのようなやり取りがされたのかは、明らかにされていません。
しかし、土地に関しての訪問があったということは、明らかにされています。

現在の裁判の争点は昭和時代の契約のため、ここでのやり取りは、現在、争点になっていません。
そのため、裁判でも明らかすることが求められていません。
つまり、このときのやり取り内容次第では、この部分を争点に、新たな裁判をすることができるのでないか?

もし、10億円でも豊橋市がユニチカ社に請求することになったら、ユニチカ社は裁判費用に1億円かけてでも、裁判で争う価値はあるでしょう。
というよりも裁判をせずに、請求に従えば、株主利益に反することになりかねず、株主に何を言われるかわかりません。



来週、高等裁判所の判決が出ます。
しかし、いずれにしても、最終的なものが確定するのは、まだ時間がかかりそうです。

最後に、よく聞かれることですが、いずれの結果になっても、もう土地が売却された現在、積水ハウス社が所有し、宅地開発を進めている土地そのものが、豊橋市に返還されることは、99.9%ありません。

では。

(関連ブログ)
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