豊橋市議の長坂です。
ディレクターズチェアっていいですよね。

さて、下記の記事について何人かから質問をいただいたので、ご説明いたします。
総踊りで東京五輪音頭
豊橋まつり振興会総会 競技体験イベントも

豊橋市の秋の風物詩「ええじゃないか豊橋まつり」を主催する豊橋まつり振興会(会長・佐原光一市長)は27日、初日のメインイベント「総おどり」に「東京五輪音頭-2020」を組み込み、総勢2万人で踊る計画を決めた。(略)

一方で、出席した市議・長坂尚登氏からは2010(平成22)年からまつりの総合プロデューサーを務める映画監督・菅原浩志さんの役割や約220万円のプロデュース料に疑問を呈する意見が出た。菅原さんはこれまで、ポスターやガイドブックのデザイン監修、フィナーレなどの内容構築など、まつり全体のプロデュースを手掛けており、市側は今年度も同額の支払いになると説明した。(19/05/28東愛知新聞 より)
まずこの件については、市議会でもほぼ毎年取り上げています。
豊橋まつり総会での質問も、少なくとも今回が3回目以上であると、記憶しています。
新聞への掲載は、おそらく今回が初めてです。



「疑問」の内容は、主に2つです。
  1. お金について。金額の根拠が不明瞭であり、かつ、通常なら整備すべき書類を不要としていること。
  2. 成果について。「総合プロデューサー」の業務実績が不明であり、かつ成果も見えないこと。
そして、まず大前提として「豊橋まつり(振興会)」の年間予算約8000万円のうち、5200万円が市の補助金です。

一方で「豊橋まつり振興会」は豊橋市役所(観光振興課)が事務局をしているにも関わらず、「豊橋市(市役所)とは別団体」という理由で、通常の市から直接の補助金支出であれば適用されるであろう基準や書類整備が、振興会からの支出ではされていなかったり、市議会での答弁が避けられることがあります。



まず「1.お金について」

豊橋市から直接の補助金であれば整備されるであろう、仕様書や契約書、また総合プロデューサーからの企画提案書や実績報告書、は存在せず、また今後(今年度)も不要という回答でした。

「覚書はある。」または、市議会答弁では、
今後は、例えば、いつどのような提案、助言をいただいたかなど、可能な限り記録を残していきたいというように考えております。

また、プロデューサーのほうから企画書などをいただくというのは、その性質上、少しそぐわないかなというように思っておりますので、記録を残していくというところでしっかりやっていきたいというように思っております。【平成30年 予算特別委員会-03月15日】
また、業務委託でなく、謝金(謝礼)として、振興会からプロデューサーに支払われているようです。そして、その算出根拠も曖昧です。
報酬については、豊橋まつり振興会のその中の規定の中での支払いということになりますので、市とは別物 【平成30年 予算特別委員会-03月15日】
と答弁をいただいていましたが、先の振興会総会では、謝金規定の存在についても曖昧な回答でした。

そして「豊橋市とは別団体」のため、豊橋市に情報公開請求をしても(試していませんが、おそらく)資料が出てきません。



そして「2.成果について」

このように、仕様書がなく、企画提案書や実績報告書などが存在しないため、「監修」や「助言」と言っても、具体的にプロデューサーが何をしたのか、金額に相応しい活動量や成果があったのか、について検証ができません。

また過去に「総合プロデューサーの職務や役割」について、市議会で聞いたところ、
シティプロモーションの観点から市外に広く情報発信していくための企画立案やアドバイスをお願いしている 【平成28年 予算特別委員会-03月17日】
と答弁をいただいています。

しかし、この「シティプロモーションの観点から市外に広く情報発信」について、プロデューサーの成果も不明瞭であり、少なくともこれまで、豊橋まつりが東京や全国ネットのテレビ放送で取り上げられたことはありません。

総合プロデューサーの力量で、豊橋まつりが毎回、全国のテレビ放送で取り上げられたりしているのであれば、その対価としての220万円は高くはないと感じます。しかし、年220万円とすれば、累積2000万円近い金額が、成果検証なく、投じられたままになっています。

あるいは一般的に「プロデューサー」業務の最も重要な役割は、お金を集めて企画を成立させることです。220万円の謝礼で、それ以上の協賛を得てきているのであれば、わかりやすく成果が出ている話ですが、それもなさそうです。



以上が、新聞記事にある「疑問を呈する意見」の背景です。

今回ぼくの質問がスルーされずに、新聞記事になったことも、少なくとも記者や新聞社が「これは乗せる意義がある」と判断されてのことと思われます。

最後に「東京五輪音頭」についても、東京都が発表している複雑な振り付けにこだわらず、多くが踊れる「新 豊橋とんとん唄」に近い形にするなど、できるだけ簡単で覚えやすい振り付けとしていただくよう、総会で提案を申し上げました。

では!