豊橋市議の長坂です。
2019年、同性婚の一斉提訴がされました。

お知らせ
事務所開きと、活動報告会やります。是非いらしてください!
3月23日(土)10時~ 事務所開き&活動報告会
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https://www.facebook.com/events/780250308997444/
3月25日(月)19時~ 活動報告会 @中野校区市民館
4月8日(月)19時~ 活動報告会 @PLAT
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(お知らせおわり)

さて、こんなツイートを見つけました。
音楽の女教師教え子と心中
在学中から深い同性愛で家出して毒を仰ぐ

【 名古屋電話】
25日午前零時頃名古屋市東区筒井黒谷自然院同居名古屋私立第一高等女学校音楽教師梅田しげ子の部屋でしげ子の友人たる豊橋高等女学校音楽教師村松久子(20)が 教え子で本年3月同校を卒業した愛知県宝飯郡牛久保八郎長女陶山なか(18)と共に毒薬ショーコー水を飲み心中を企て久子は午前5時死亡しなかは生命危篤である

原因については久子がしげ子と母にあてた遺書があったがただ『死なねばならぬ事情があるので死ぬ』と書いてあるのみで久子は音楽の外国語を受持ちかつ庭球がうまく、なかは同校庭球選手でありそれ等の関係から同性愛に陥ったものの如く両人の交情濃やかなのは評判であり最近なかの親が久子を近づけぬやうにしたので募る想ひに25日なかは家出して心中したものらしい

美人で快活な人
情死した村松ひさ子 同級生の談
村松久子は大正13年3月上野音楽学校甲種師範科を卒業して同年4月故郷豊橋の前記豊橋高等女学校の音楽教師に聘せられて今日に到ったものだが久子と同期に同校を卒業した某音楽家は情死の報に驚いて語る

『村松さんはクラス切っての美人で非常に快活でテニスなど上手でした、学校時代は始めから卒業まで寄宿舎にいられました師範科にいながら特に音楽に熱心で勉強家でした、あとこの学校の寄宿舎には同性愛は珍しくないので、ほんとにいけないことと思いますが皆並はずれた感情家ばかりの集りなので、そうした変態的な愛情がかもされるのです、村松さんも寄宿時代の習慣が遂に生命を亡すようなことになったのです』

 - 東京朝日新聞(大正15年5月27日)
※適宜改行、漢字は新字に変更、漢数字を算用数字に変更、しています。



もう100年に近くも前に、こんな記事があったことに驚き。しかも豊橋で。
豊橋高等女学校(豊橋高女)は、今の豊橋東高校へつながる学校です。

同性愛への捉え方が、戦後の昭和よりも大正の方が、おおらかであったのではないかと読み取れます。
それは記事中に堂々と「同性愛」と記載があること、昭和ではそのような理由であったとしても、伏せられたのではないでしょうか。

そして「両人の交情濃やかなのは評判」からも、それなりに交際がオープンな感じであったようにも見受けられます。

一方で、違和感を感じるのが、最後の同級生の談。
同級生の自死に対する悲しみが感じられず(もちろん記者が割愛しただけの可能性も十分あります)、

「この学校の寄宿舎には同性愛は珍しくないので」
「皆並はずれた感情家ばかり」「そうした変態的な愛情」

と、好奇を煽るような言葉の切り取りに、新聞というより、ゴシップ的な雰囲気さえ感じます。
もちろん、それぞれの言葉の意味するところは、イメージが当時と今で大きく違う言葉もあるでしょう。

でもそれにしても・・・



以下、雑記。
  • よく見ると登場人物は3人。どうして2人は、女教師ひさ子の友人宅である「梅田しげ子の部屋」で心中を図ったのか。梅田しげ子さんは、容疑者扱いなどされなかったのでしょうか。
  • 当時に大学、しかも「上野音楽学校」って、めちゃくちゃエリート。
  • 「ひさ子」「久子」の表記ゆれ
  • 地の文では「庭球」となっているが、最後の同級生談では「テニス」に。同級生をカタカナ語を使うようなモガ(モダンガール・当時の今風の女性)に、記者が見せたかったか?
  • 一文がとても長い。そして「。」がない。
  • 全国(東京)版の記事
  • 「ショーコー水」って何?
タイトルの「大正晩年」は、造語です(たぶん)

では。

(追記)
教えていただきました。
塩化水銀(II)(えんかすいぎん に)は、水銀の塩化物の1種である。塩化第二水銀(えんかだいにすいぎん)とも表記される。水銀の塩化物である塩化水銀は2種類があり、もう1つは塩化水銀(I) である。塩化水銀(II) はHgCl2という組成をもち、昇汞(しょうこう)と呼ばれる。水溶性の無色または白色の針状結晶である。水にやや溶けやすい(常温で水1kgに約60g溶ける)。アルコールやエーテルにも溶ける。蛋白質を変性させる作用が強い猛毒である。また、昇華しやすい。

かつて塩化水銀(II)を水で薄めた昇汞水は殺虫剤や伝染病予防法施行規則第24条に指定された3番目の消毒液、防腐剤として使われていたものの、毒性が強いために現在では使用されていない。生物学の実験に際して昆虫を無菌飼育するときに卵を無菌化する殺菌剤や、ギルソン液などの固定液の原料として塩化水銀(II) が挙げられることがある。
https://ja.wikipedia.org/wiki/塩化水銀(II)