豊橋市議の長坂です。
生命・認知科学科を卒業しました。
さて、先日のこのブログを書くにあたって、選挙運動車(通称・選挙カー)の効果について調べました。
「今回の研究結果を選挙全体に応用することはできないが、」と研究者らしい一言を添え、一般化するのに十分なほどのデータが揃っていない旨を匂わせているものの、このように定量的に論文化されるほどの研究は、ぼくも初めて見ます。
また、こんな記事も。
前回の豊橋市議選挙、これだけ立候補がありました。

42人です。
2人や3人の市長選挙や国会議員選挙であれば、名前を聞いたことなくても、投票する前に比較してくれるかもしれません。
多くとも10人にはならない、県会議員選挙でも比べてくれるかもしれません。
しかし、冷静に考えれば、42人全員を、例えばネットでひとりひとり検索するなど比較して、選んでくれる人は、ほぼゼロです。
となるとまずは、多くの人の「選択肢」に入ることが重要です。
例えば、年齢が近い、地域的に近い、あるいは女性候補ならそれだけで「女性議員を増やしたい」という人の選択肢に入るでしょう。
感覚的ですが、おひとりおひとりの「選択肢」は、最大5名程だと思います。多くの方がよくて2,3名。もちろん一人指名という方もたくさんいらしゃると思います。
その方々の「選択肢」に入るためには、まず名前を知ってもらうこと、名前を覚えてもらえなくても存在を知ってもらうこと(例:今回20代の子が立候補したらしいよ、など)、それがなければ、100%その方の選択肢に入りません。
となると、市議選はまず有権者との接点をいかに増やすかです。
街頭などでの直接のコンタクトが最も効果的と思われますが、それだけでなく、紙やインターネットでの接点も含めて。
目に触れなければ、気にされることもない。
気にされなければ、どんな良いことを発していても、それが聞かれたり読まれたりすることはありません。
■
もう少し、大きな視点で捉えてみます。
前回の豊橋市議選挙の場合、3000票が安全ラインと言われていました。
豊橋市の有権者約30万人の1%です。
投票率がおよそ50%なので、投票者15万人の2%です。
投票者の50人に1人が、自身に投票してくれれば当選です。
この割合は、どの市でも大きくは変わらないでしょう。
では、この50人のうち、自分のことを知っている人は何人いるのか。
あるいはどれだけ増やせるか。
当然、自分のことを知らない人は、自分に投票してくれることはありません。
50人のうち1人にしか知られていなければ、その1人が絶対投票してくれないといけません。
50人のうち2人なら、2人に1人、
50人のうち3人なら、3人に1人、
50人のうち5人なら、5人に1人、
50人のうち10人なら、10人に1人、
が投票してくれれば当選です。
逆に言えば残りの、
2人のうち1人、
3人のうち2人、
5人のうち4人、
10人のうち9人、
に嫌われたとしても・・・
(嫌われたくないけれど)
これが2、3人の候補者から1人を選ぶ、市長選挙や国会議員選挙では、また戦い方は大きく変わるでしょう。
それはぼくは経験がないので、よくわかりません。
ただ市議選のおいては、まず何より市内での自分の認知度を上げることです。
ツイッターでフォロワーが1万人いても、うち市民は100人ならば、
フォロワー1000人でも半分の500人が市民の方が、よっぽどいいです。
■
政策重視でも、能力重視でも、人柄重視でも、外見重視でも、
何を以って評価されるか/するべきかに、様々意見はあると思います。
ただ残念ながら、そもそも認知されなければ、あなたの存在が知られなければ、比較の舞台にすら上がりません。
そして、認知度を上げるには、めちゃくちゃ時間がかかります。
一般的には時間を縮める代わりに、大金を使う方法(TVCMなど)もあります。
しかし、政治活動/選挙運動では、この方法がかなり制限されています。
■
ぼくらは「インターネット選挙運動」第一世代です。
過去何人か、立候補に興味ある人の相談を受けました。
その際に「まずブログやってみたら?」と提案しています。
今の仕事を続けながら、そして多くの人は
「立候補」の気配を出すことも仕事に影響があるかもしれないため、
タスキを掛けて駅前に立ったり、自分の後援会(政治団体)設立も困難な中、
最もベターに、ふんわりと認知度を上げることができるかもしれないのが、
インターネットであり、ブログであり、SNSです。
でも残念ながら、その後、開設する方もほとんどいませんし、
僅かに開設した中でも、地域や社会についての情報や意見などを
継続的に更新している人を僕自身も認知していません。
インターネット「選挙運動」※の効果が限定的であることは、
少し通じている方の中では、定説になりつつあります。
※選挙期間中(市議選なら1週間)の間だけに許されている
「自分に/〇〇さんに投票してください」と、促したりすること。
インターネットが有効なのは、意外にも地味な活動、
日々の活動報告や、自分の考え方を伝えることです。
そしてもちろん、浸透するには時間がかかります。
だから、今後少しでも立候補に興味ある方は(まだ学生など25歳未満の方を含め)、
まず実名でのブログを開設して、地域や社会に関するまとまった文章などを
定期的に発信してみてください。
もしもこれが続かないようであれば、この方法は合わないため、
正攻法である議員秘書や政党への所属、あるいは、
◯◯会長など地域の顔役になる時期まで待つのが良いのでは、と思います。
では!
生命・認知科学科を卒業しました。
さて、先日のこのブログを書くにあたって、選挙運動車(通称・選挙カー)の効果について調べました。
選挙という「チキンレース」すると、この4年の間に、とても興味深い研究が。
http://nagasakanaoto.blog.jp/190201.html
研究の結果、特定の候補者の選挙運動との距離が近ければ近いほど、その候補者に投票する確率が高くなることが分かった(略)調査対象は、2015年1月の兵庫県赤穂市長選挙です。
候補者の移動経路と有権者の自宅との位置関係、有権者がどの候補者に投票したかを突き合わせた結果、選挙カーが自宅の近くを通った人ほど、男性候補者へ投票する傾向が見られたのだ。選挙カーが自宅のすぐそばを通った人が男性に投票した割合は平均の約2倍だったのに対し、1キロ以上離れた人は平均の約6分の1だった。
併せて、移動経路と自宅との位置関係が、有権者の男性候補者への好感度アップにつながるかどうかを調べたところ、大きな違いは見られなかった。三浦教授は「今回のデータだけでは原因を特定することはできませんが、好きという感情と、投票とはまた別なんでしょうね」と話す。
- 選挙カーからの“あいさつ”に意外な効果 地方選挙では投票数が2倍に?|AERA dot.
https://dot.asahi.com/dot/2017053000066.html
「今回の研究結果を選挙全体に応用することはできないが、」と研究者らしい一言を添え、一般化するのに十分なほどのデータが揃っていない旨を匂わせているものの、このように定量的に論文化されるほどの研究は、ぼくも初めて見ます。
また、こんな記事も。
候補者のなかには選挙カーでの街宣や街頭演説を嫌い、「ネットだけでやる」「自転車で回る」と、奇抜な選挙運動をやりたがる人がいる。しかし、総じて当選率は低いという。■
「選挙カーでの名前の連呼は嫌がられますが、効果がある。心理学では“単純接触の法則”といい、“目で見て、耳で聞いて、手で触って”という接触が繰り返されると好意が生まれる。伝統的な選挙運動の手法は、日本の選挙制度の範囲内で最適化されてきたものなんですね」
- 選挙カーでの名前連呼嫌がられるも効果アリと“当選請負人”│NEWSポストセブン
https://www.news-postseven.com/archives/20121126_156793.html
前回の豊橋市議選挙、これだけ立候補がありました。

42人です。
2人や3人の市長選挙や国会議員選挙であれば、名前を聞いたことなくても、投票する前に比較してくれるかもしれません。
多くとも10人にはならない、県会議員選挙でも比べてくれるかもしれません。
しかし、冷静に考えれば、42人全員を、例えばネットでひとりひとり検索するなど比較して、選んでくれる人は、ほぼゼロです。
となるとまずは、多くの人の「選択肢」に入ることが重要です。
例えば、年齢が近い、地域的に近い、あるいは女性候補ならそれだけで「女性議員を増やしたい」という人の選択肢に入るでしょう。
感覚的ですが、おひとりおひとりの「選択肢」は、最大5名程だと思います。多くの方がよくて2,3名。もちろん一人指名という方もたくさんいらしゃると思います。
その方々の「選択肢」に入るためには、まず名前を知ってもらうこと、名前を覚えてもらえなくても存在を知ってもらうこと(例:今回20代の子が立候補したらしいよ、など)、それがなければ、100%その方の選択肢に入りません。
となると、市議選はまず有権者との接点をいかに増やすかです。
街頭などでの直接のコンタクトが最も効果的と思われますが、それだけでなく、紙やインターネットでの接点も含めて。
目に触れなければ、気にされることもない。
気にされなければ、どんな良いことを発していても、それが聞かれたり読まれたりすることはありません。
■
もう少し、大きな視点で捉えてみます。
前回の豊橋市議選挙の場合、3000票が安全ラインと言われていました。
豊橋市の有権者約30万人の1%です。
投票率がおよそ50%なので、投票者15万人の2%です。
投票者の50人に1人が、自身に投票してくれれば当選です。
この割合は、どの市でも大きくは変わらないでしょう。
では、この50人のうち、自分のことを知っている人は何人いるのか。
あるいはどれだけ増やせるか。
当然、自分のことを知らない人は、自分に投票してくれることはありません。
50人のうち1人にしか知られていなければ、その1人が絶対投票してくれないといけません。
50人のうち2人なら、2人に1人、
50人のうち3人なら、3人に1人、
50人のうち5人なら、5人に1人、
50人のうち10人なら、10人に1人、
が投票してくれれば当選です。
逆に言えば残りの、
2人のうち1人、
3人のうち2人、
5人のうち4人、
10人のうち9人、
に嫌われたとしても・・・
(嫌われたくないけれど)
これが2、3人の候補者から1人を選ぶ、市長選挙や国会議員選挙では、また戦い方は大きく変わるでしょう。
それはぼくは経験がないので、よくわかりません。
ただ市議選のおいては、まず何より市内での自分の認知度を上げることです。
ツイッターでフォロワーが1万人いても、うち市民は100人ならば、
フォロワー1000人でも半分の500人が市民の方が、よっぽどいいです。
■
政策重視でも、能力重視でも、人柄重視でも、外見重視でも、
何を以って評価されるか/するべきかに、様々意見はあると思います。
ただ残念ながら、そもそも認知されなければ、あなたの存在が知られなければ、比較の舞台にすら上がりません。
そして、認知度を上げるには、めちゃくちゃ時間がかかります。
一般的には時間を縮める代わりに、大金を使う方法(TVCMなど)もあります。
しかし、政治活動/選挙運動では、この方法がかなり制限されています。
■
ぼくらは「インターネット選挙運動」第一世代です。
過去何人か、立候補に興味ある人の相談を受けました。
その際に「まずブログやってみたら?」と提案しています。
今の仕事を続けながら、そして多くの人は
「立候補」の気配を出すことも仕事に影響があるかもしれないため、
タスキを掛けて駅前に立ったり、自分の後援会(政治団体)設立も困難な中、
最もベターに、ふんわりと認知度を上げることができるかもしれないのが、
インターネットであり、ブログであり、SNSです。
でも残念ながら、その後、開設する方もほとんどいませんし、
僅かに開設した中でも、地域や社会についての情報や意見などを
継続的に更新している人を僕自身も認知していません。
インターネット「選挙運動」※の効果が限定的であることは、
少し通じている方の中では、定説になりつつあります。
※選挙期間中(市議選なら1週間)の間だけに許されている
「自分に/〇〇さんに投票してください」と、促したりすること。
インターネットが有効なのは、意外にも地味な活動、
日々の活動報告や、自分の考え方を伝えることです。
そしてもちろん、浸透するには時間がかかります。
だから、今後少しでも立候補に興味ある方は(まだ学生など25歳未満の方を含め)、
まず実名でのブログを開設して、地域や社会に関するまとまった文章などを
定期的に発信してみてください。
もしもこれが続かないようであれば、この方法は合わないため、
正攻法である議員秘書や政党への所属、あるいは、
◯◯会長など地域の顔役になる時期まで待つのが良いのでは、と思います。
では!