豊橋市議の長坂です。
「なぜこんなにすごいのか?」というタイトルですが、最後まで読んでも明確な答えに至っていないことを、先にお詫び申し上げます。

さて、人手不足ということで朝から「とよはしまちなかスロータウン映画祭」の手伝いに行きました。
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なんだこの行列!!

スロータウン映画祭では、1日3作品(午前・お昼・夕方)上映します。
この日の1本目は樹木希林さん主演「モリのいる場所」
樹木希林さんは2年前の映画祭で、ゲストとして御本人がいらっしゃってくださいました。

しかしこの日は、特段ゲストがいるわけでもありません。それでも、300人超え
会場の(消防法的な)定員オーバーのため、入れなかった方にはスタッフ総出で平身低頭でした。



それにしてもスロータウン映画祭、特別企画ではない通常上映のチケットは、前売りで全て完売

1作品のみが見られる単券が500円、延べ24上映の全てが見られる通し券が2500円、
映画館に見に行くよりはお得ですが、先の『モリのいる場所』が既にDVD化されているように、
リアルタイムに映画館で上映されている最新作品はありません。

単券500円は映画館で見るより安いですが、DVDを借りたり、ネットのオンデマンドで見る方がもっと安いし、寒い中を並んだり待ったりする必要もない。

それでも前回は平均200名のお客様。
1日3回転するので、この会場で1日約600名はPLAT史上最大かもしれません。
http://www.slowtown.info/2017/enq.php



とよはしまちなかスロータウン映画祭が始まったのは、2002年。

1999年、豊橋市の郊外に日本一大きなシネコンができました。
当時、記憶だと少なくとも5館以上あった、まちなかの映画館は、2年ほどで全てが閉館
この映画祭を通して"まちなか"に、映画を、文化を、まちを(略)
そしてこのまちに文化や地域を愛する心を育んでいきたい。
http://www.slowtown.info/info/index.php
という趣旨で開催された、映画祭。
2002年11月30日。とよはしまちなかスロータウン映画祭の初日。映画祭を企画した豊橋JC(青年会議所)副理事長(当時)の石川誠さんは「立ち見の出る映画館」を合言葉に初日に臨んだ。「客は集まるのか?」「喜んでもらえるのか?」。石川さんは恐る恐る客席を確認した。

200席を超える旧スカラ座の客席は観客の熱気で包まれ、数十名の立見まで。石川さんは感極まって、旧豊橋西武東宝を担当していた担当副委員長(当時)の野口勝巳さんに電話をした。「スカラ座、満員だよ。立ち見だよ。すごいよ」。
http://www.slowtown.info/2002/
そして、
期待以上に大成功を収めたスロータウン映画祭は、2003年からはJCからは独立したイベントとして市民有志による実行委員会を立ち上げた。若杉さんは会長、石川さんは事務局長、野口さんは事務局次長として今年も実現に向けている。(出典同上)
ここから17年、映画祭も17回を迎えるまでになりました。

一昨年の樹木希林さんに続いて、前回の三浦友和さん、今回の宮本信子さん、と700名超の主ホールが完売になる、大物ゲストを招いたオープニングイベント「新春シネマ&トーク」も開催。



そして、この映画祭がすごいのは、1000万円を超える予算の全てをチケット収入や協賛などの民間資金で、やりくりしていることです。
(過去に、特別企画のために豊橋市の十万単位の公募補助金を得たことはあります。)

もちろんスタッフはボランティアで、むしろ事務局の方々の中には、協賛としてお金も出している方々も複数いらっしゃるほどです。

かなしいかな、近年は運営が上手すぎるのか、商業イベント(プロ)と思われて、その勢いでお客様からお叱りの言葉をいただくこともしばしばです。



お客様の多くは、自分の親世代からそれより上の方です。
身近にもここ数回でかなりはまっている方がいます。

ぼくが7年前にUターンして、映画祭に関わり始めた頃に比べると、年々「顧客志向」になっている様子を感じます。
例えば、上映作品もぼくが生まれるより前の旧作から、ここ数年で上映されたような新作が増えている気がします。
新作と言っても若者向けの映画ではなく、顧客が好みそうな映画を吟味して選定されています。



このような積み重ねが、通常上映だけで5000人近く、特別企画も含めると6000人超え、期間外の「スピンアウト」などの関連企画も含めると、年間で7000人を超えるような、成功イベントとしているのでしょう。

ぼくはこの映画祭から「継続」の大切さを常々学んでいます。

約1ヶ月に渡る映画祭も、折返しです。
ほとんどの上映で「完売御礼」状態ですが、特別企画でまだ一部チケットがあります。
http://www.slowtown.info/2018/after2.php

よろしければ、映画祭の雰囲気を味わってみてください。

では!