豊橋市議の長坂です。
豊橋市の焼却炉が1号炉に続き、2号炉も不具合から運転停止となりました。

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1号炉のみの不具合であれば「たまたま」と思うこともできますが、同時期に稼働を始めた同じ形式の1・2号炉が揃って不具合・運転停止となると、焼却炉そのものに原因があるのではないか、と考えはじめてしまうのが人情です。
この1・2号炉(以下、熱分解炉)は、その導入時から急転直下・侃々諤々の議論がありました。
平成30年6月の定例会にて、近藤喜典議員が当時の経過やその後についてを端的にまとめてお話をされているので、会議録より引用します。
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当時の市長は、先代の早川勝氏。
先々代の高橋アキラ氏の辞任に伴う選挙で、前年の平成8年11月に当選したばかりの「新人市長」でした。
3月は例年、新年度の予算を審議する、1年で最も長い定例会です。
その直前の2月27日に「市長決裁にて、炉形式を」決定というのが、いかに急転直下であるか。
これについて、鈴木清博議員(以下、肩書はいずれも当時)が、このように述べています。
この後も、定例会ごとに焼却炉について、何度も何度も質問がされています。
中でも半年後、平成9年9月の鈴木清博議員の質問は圧巻です。
要所要所を抜粋して、引用していきます。
それでも長いので、太字下線部分を中心に飛ばし飛ばしでも最後までご覧されてみてください。
◆ 鈴木清博議員(質問1回め)
◆ 鈴木清博議員(質問2回め)
○辻村良夫議長(議長による整理)
◆鈴木清博議員
○辻村良夫議長(議長による整理)
◎小出正司助役(答弁3回め続き)
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そして、更に半年後、平成10年3月の定例会(予算審議)では、反対討論を。
当初から、これだけの課題や懸念があったにも関わらず、どうして通ってしまったのか。
立ち止まること、立ち止まらせることができなかったのか。
ひとりの議会人として、議会の役割の重要性、例え与党であっても、ときに市長にNOと言わなければいけない重要性を教えられます。
今の豊橋市議会は20年前と変わらないままか。
それとも変わったのか、変わりつつあるのか。
では。
豊橋市の焼却炉が1号炉に続き、2号炉も不具合から運転停止となりました。

以下、抜粋
(資源化センター焼却炉2号炉停止について)11月12日午前7時20分頃、資源化センター焼却炉2号炉の燃焼溶融炉部分に不具合が生じたため、運転を停止しました。・発生日時:平成30年11月12日(月)午前4時30分頃・停止開始: 同日 午前7時20分頃午前4時30分頃、運転管理を行っている職員が、巡視中に熱分解カーボン吹込口根元付近より少量の蒸気漏れを確認。その後、保温運転を経て、午前7時20分頃より停止作業に入ったもの。焼却炉の冷却完了後(約7~10日程度)に、原因調査と損傷状況の把握を行います。現在までの確認状況から推測できる原因としては、燃焼溶融炉を冷却するために炉の周囲に配置されている冷却水配管から冷却水が漏れ、蒸気化したことが考えられます。
2号炉は、1号炉とともに平成14年に稼働した「熱分解・燃焼溶融炉(ガス化溶融)」という処理方式(炉形式)です。
一方、残る1つの3号炉は、1・2号炉よりも10年以上前、平成3年から稼働している古株であり「ストーカ炉」という別の方式です。
10月5日に示された計画(今後の予定)では、12月下旬に1号炉が復旧。
順次、平常運転に戻していく予定でしたが・・・

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報道から状況を補足すると、
一方、残る1つの3号炉は、1・2号炉よりも10年以上前、平成3年から稼働している古株であり「ストーカ炉」という別の方式です。
10月5日に示された計画(今後の予定)では、12月下旬に1号炉が復旧。
順次、平常運転に戻していく予定でしたが・・・

計画の変更を余儀なくされそうです。
※経済環境委員会資料より赤線を筆者加筆。資料全体は下記。
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報道から状況を補足すると、
1基目が復旧するのは、12月末の予定ですが、動かせる焼却炉が、1基だけとなった場合、豊橋市内で出るごみの半分ほどの量しか、処理できない状況になります(CBC)
https://hicbc.com/news/detail.asp?id=0004895E
豊橋市は今回の故障は、1号炉と比べると比較的、短期間で修理できる可能性があるとしていますが、修理が長引けば、市民生活に影響が出ることも懸念されます。(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20181113/0001856.html
市は、今回故障した焼却炉が40日程度で再稼働できれば、仮埋立で十分対応できると説明しました。(東海テレビ)
http://tokai-tv.com/tokainews/article.php?i=67610&date=20181113
事故の規模から修理期間が「長期にわたるとは考えづらい」(担当者)というが、2号炉の復旧時期によっては12月中旬から予定していた3号炉の点検整備が延期される可能性も出てきた。(東日新聞)
http://www.tonichi.net/news/index.php?id=71262
2号炉は6~7月にかけて点検しているが、異常はなく、水漏れも確認されなかったという。(略)と、ここまでが速報的な内容です。
ただ、40日を超えるような事態になれば、仮埋め立ての期間を延長することになる。(略)
センターで唯一稼働する3号炉は老朽化しているものの、安定稼働している。(東愛知新聞)
http://www.higashiaichi.co.jp/news/detail/3820
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1号炉のみの不具合であれば「たまたま」と思うこともできますが、同時期に稼働を始めた同じ形式の1・2号炉が揃って不具合・運転停止となると、焼却炉そのものに原因があるのではないか、と考えはじめてしまうのが人情です。
この1・2号炉(以下、熱分解炉)は、その導入時から急転直下・侃々諤々の議論がありました。
平成30年6月の定例会にて、近藤喜典議員が当時の経過やその後についてを端的にまとめてお話をされているので、会議録より引用します。
ここで当時、市長決裁のあった平成9年2月前後の会議録にさかのぼってみます。豊橋市の資源化センターには、現在1号炉、2号炉、3号炉があり、日々の市民生活の衛生面での安心安全を保つために運営されてきました。1号炉、2号炉においては、平成7年度から平成8年度にかけて、炉形式選定について資源化センター施設整備検討委員会幹事会が開催され、順次5形式から3形式、最終的には2形式、ストーカ式、熱分解高温燃焼溶融式に絞られました。その後、平成9年2月27日に市長決裁にて、炉形式を熱分解高温燃焼溶融炉に決定をいたしました。最後の2形式の比較検討結果として、性能的には差異がないこと、維持管理は同等だが建設費が安く、経済性にすぐれていること、あわせて環境技術革新された次世代形である現在の炉が選定されたと確認をしております。しかしながら、過去の議員の質疑の中でも、日本で実証実験はされたものの当時は導入実例もなく、厚生労働省の補助事業の関係では指針外施設となっており、補助金を受けるには廃棄物研究財団の評価書が必要になることなど、るるクリアするハードルがある中、この炉が豊橋市に導入されたことも確認しております。事故のことも、質疑でも過去にはされております。また今回の炉の保証期間についても、瑕疵の修補または損害賠償請求の期間は2年以内、ただし瑕疵が乙の行為または重大な過失により生じた場合は当該請求を行うことのできる期間は10年であるとあります。ドラムまたはごみ粉砕機、燃焼溶融炉、高温空気加熱機、ボイラー、分別設備は5年、建物防水部分は10年と聞いております。
http://www.kaigiroku.net/kensaku/cgi-bin/
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当時の市長は、先代の早川勝氏。
先々代の高橋アキラ氏の辞任に伴う選挙で、前年の平成8年11月に当選したばかりの「新人市長」でした。
3月は例年、新年度の予算を審議する、1年で最も長い定例会です。
その直前の2月27日に「市長決裁にて、炉形式を」決定というのが、いかに急転直下であるか。
これについて、鈴木清博議員(以下、肩書はいずれも当時)が、このように述べています。
また、この定例会3月時点での論点は、伊藤勲議員の質問にて、わかりやすく整理されていました。次に、今予算特別委員会で実に9人の委員が質疑をした一般会計4款衛生費中ごみ焼却炉更改に伴う炉の方式の決定に至る経過についてであります。これは9人の委員からの質疑でも明らかなように、議会とのコンセンサスが全く図られておらず、行政当局との信頼関係も大きく崩れかねない状況にありました。また、次世代型とする炉方式に対しては、期待もありますが、大きな不安もいまだ隠すことはできません。従って、委員会質疑の段階ではこの整備費委託料に無条件で賛成するには無理があると考えておりました。つまり、昨年11月20日の特別委員会以降の議会及び市民への対応について猛省を促すとともに、当予算案については、議会に対する今後の適切なアプローチなど一定のものが示されない限り賛成はできないとするものでありました。しかし、一般会計予算総括質疑で、委員長に促される形で市長自ら経過に対する反省の弁と、一定の今後の議会に対する姿勢を示されたことに一筋の光を見い出し、苦渋の選択、あえて反対をしないことといたしました。
■大きな2番目、資源化センター焼却炉形式選定の問題点についてであります。昭和55年に全国的パイロットであるユーレックス事業として建設された資源化センター焼却炉も、老朽化が進み、炉の更新が待ったなしの状況になっています。そして、次期の焼却炉の形式を次世代型の炉であるといって「熱分解+高温燃焼(溶融)炉」を採択した旨、発表されました。ところが、この次世代型焼却炉は大歓迎を受けるどころか、この間、議会に設置された廃棄物処理調査特別委員会での議論と、そこに示された諸資料の評価内容について納得できない点が多くあり、どうしてこの炉になったのかという疑念の声が渦巻いております。以下、採択された焼却炉形式及び選定方法についてお伺いいたします。(1)焼却炉は、建設コストなどの経済性を重視すると同時に、絶対に欠かせないのは安定稼働の保証と維持管理の優位性であると思います。ところが「熱分解+高温燃焼(溶融)炉」は全国的に稼働実績がなく、実証プラントが1例あるのみです。このことから、安定的稼働と維持管理について実証されておらず、不安のある形式であると言われております。次世代型の焼却炉を選定するに当たって、他の形式との比較検討の結果、何を優先し選定されたのか、その選考経過と理由についてお聞かせください。(2)過去、千葉県船橋市で熱分解炉形式を採用していたが、爆発事故を起こし、現在別の形式に変更した施設に変わっていると側聞しております。船橋市での爆発事故原因の調査結果について十分な検討が必要と考えますが、その調査結果と爆発防止策についてお聞かせください。(3)「熱分解+高温燃焼(溶融)炉」は、厚生省の補助金事業の関係では指針外施設となっております。補助金を受けるには、廃棄物研究財団の「評価書」が必要になっていますが、その評価内容のポイントについてお聞かせください。(4)「熱分解+高温燃焼(溶融)炉」の実証プラントを持ち、開発研究を行っているのは現在1社のみであると言われています。今後、数社で開発研究が行われるとしても時間的に難しいことから、事実上、特定メーカーに内定しているのではないかと思えます。工事契約の方法についてどのように考えられているのかお聞かせください。
http://www.kaigiroku.net/kensaku/cgi-bin/
この後も、定例会ごとに焼却炉について、何度も何度も質問がされています。
中でも半年後、平成9年9月の鈴木清博議員の質問は圧巻です。
要所要所を抜粋して、引用していきます。
それでも長いので、太字下線部分を中心に飛ばし飛ばしでも最後までご覧されてみてください。
◆ 鈴木清博議員(質問1回め)
本年3月議会直前の2月28日(金曜日)9時、交渉団体の各派代表者が集められ、資源化センターごみ焼却炉の炉方式の決定が通知されました。議会特別委員会に示された数々の資料、交わされた多くの論議からして、到底予想し得ない熱分解、この炉方式の詳細の説明のないまま3月議会に入り、議員の立場として調査研究の間もなく予算審議、異例づくめの審議過程において、市長と議会とのコンセンサスが全く図られていなかったことに対し、市長自らの反省の弁と今後の議会に対する姿勢を示されたことに一筋の光を見い出し、あえて予算には反対しないという苦渋の選択をした私どもは、その後、独自に数々のメーカー、自治体、焼却施設のコンサルタント等々、調査研究を重ねてまいりました。その結果、調べれば調べるほど、この次世代型と称されるガス化溶融炉に対する現時点での問題点、3月議会及びその後の特別委員会での答弁の矛盾が浮き彫りにされてまいりました。そこで、改めて本会議の場でこの資源化センターごみ焼却施設更新について以下伺います。(1)更新に向けてのその後の取り組み状況について簡潔にお聞かせください。(2)発注に向けての契約手法など、今後の課題とスケジュールについてお聞かせください。(3)炉方式は、熱分解高温燃焼溶融炉、最近ではガス化溶融炉というのが一般的ではありますが、このガス化の方式もその後の私どもの独自の調査でいろいろな方式があることがわかりました。つまり、一口にガス化溶融炉と言ってもいろいろなプロセスがあり、厚生省の厚生科学研究補助金を受け、廃棄物研究財団を通じ民間企業19社も参画し、次世代型ごみ焼却施設の開発研究プロジェクト事業への取り組みを明らかにしたのが昨年、そして昨年の10月には事務局も入れて33名で構成されるこのプロジェクトが既にスタートしていることも判明いたしました。つまり、市側から示される資料だけでは状況判断を誤る可能性が極めて高い。もっと言えば、市長の従来の議会への対応と大きく違う政治的意味合いの強いこの決定に部局がついていけない状況にあると言わせていただきますが、この決定したとする炉方式の範囲と問題点、各メーカーの開発状況などについて、わかる範囲内でお聞かせください。
◎田嶌紀六環境事業部長(答弁1回め)
それでは、大きな2番につきまして私から答弁させていただきます。初めに、 (1)でございます。現在、さきの炉型式の決定から市議会での議論など、これまでの経過を踏まえ、来年度の予算化、事業化に向け詳細にわたって検討を加えながら諸手続きを進めているところでございます。具体的には、増築に伴います建築基準法第51条の手続き、また、今回導入を予定いたしております熱分解+高温燃焼(溶融)炉は、国のごみ処理施設構造指針の指針外の施設となりますことから、指針外技術による施設としての厚生省への協議、そして来年度の国の補助採択に向けた廃棄物処理施設整備計画書の作成、提出並びに契約のための発注仕様書の調整といった作業を進めているところでございます。いずれも、これまでの市議会での質疑、御意見などを尊重する中で、安定稼働、安全性の確保、環境問題への対応などを中心にそれぞれの作業に取り組んでいるところでございます。なお、地元の方々にも去る3月に御同意をいただきました後、機会あるごとに説明を申し上げ、理解を深めているところでございます。次に、 (2)でございます。お尋ねの契約手段につきましては、今後の大きな課題の一つと考えております。現段階では、私どもが導入を決定いたしました熱分解+高温燃焼炉に対応できるのは、つまり実証試験が済み、廃棄物研究財団の技術評価を受け、指針外施設として国への協議が可能な施設は、熱分解ガス化を回転キルン方式で行う1社のみのプラントであることは御案内のとおりであります。従いまして、この方式により (1)で御説明させていただいた諸手続きを進めているところでございます。そこで、来年度の契約時には複数社による競争入札が可能かどうかということであるわけでございますが、現段階では同方式でもって追随するプラントメーカーの取り組み状況を見ますと、期待をしつつも難しい状況にあると言わざるを得ません。ただ、このいわゆる次世代型と言われる焼却施設につきましては、現在、厚生省のバックアップのもと、廃棄物研究財団を中心に多くのメーカーが開発研究に取り組んでいる過渡期でもございますことから、これから厚生省の取り扱いなどに変化があることも考えられます。従いまして、その段階になりましたならば、県・国の指導をあおぎながら適切な措置をとってまいりたいと考えているところでございます。なお、スケジュールにつきましては今年度に (1)で御説明申し上げましたような諸手続き進め、来年度には契約をと考えておりますが、国庫補助金の年度別の割り振りの問題もございますことから、できる限り早い時期に契約の御議決をいただき、そして着工ということでお願いをしたいと考えているところでございます。次に、 (3)でございます。炉型式につきましては、 (2)で申し上げましたように、私どもが導入を決定いたしましたいわゆる次世代型の焼却施設であります熱分解+高温燃焼炉で、この方式は回転キルン方式のみでございます。問題点ということでございますが、これまで市議会、特に廃棄物処理調査特別委員会で様々な問題について御議論をいただき、そして御意見なども伺っておりますことから、あえてこの場では省略をさせていただきますが、今後ともいただきました御意見などを尊重する中で作業を進めてまいりたいと考えております。御理解を賜りたいと存じます。なお、各メーカーの開発状況はということでございますが、先ほど少しく触れましたように、平成8年度より厚生省のバックアップのもと、廃棄物研究財団を中心にプラントメーカー19社が、いわゆる次世代型と言われる焼却炉の開発研究に取り組んでおり、その熱分解ガス化溶融の熱分解過程に回転キルン方式、そして流動床方式などのタイプがあるわけでございます。現段階では回転キルン方式で先行しております1社を除き、ほとんどのメーカーが実証試験に向けた実証炉の建設もしくは計画の段階にあると把握をいたしているところでございます。以上でございます。
◆ 鈴木清博議員(質問2回め)
きょうのポイントとしては焼却炉の方に重点を置いておりますので、予算についてはこのぐらいにさせていただきます。それから、焼却炉の関係で御答弁をいただいて、これはどうしても納得ができません。早い話が、追随するプラントメーカーに期待しつつも難しい。ついこの間までは期待する。必ず土俵に上がってきてくれると確信する。ずっと3月議会それを言ってきたんですよ。われわれが議論をする前提がそこにあったんですよ。今何ですか。期待しつつも難しい。難しくないんです。追随できないんです。そのことは後から形をちゃんと示して申し上げますが、議長、今みたいに期待しつつも難しいなんていうような、こんな中途半端な答弁が議会でまかり通ってはいけません。不可能なんです。それから、昨日の答弁の中にも、メーカーを信用する。これは議長に申し上げていますから。出た商品を信用するしかない。商品なんかまだ出てませんよ。やはり答弁は責任を持ってもらわなければいけません。そして、自らが今何とおっしゃったか。廃棄物研究財団を中心に多くのメンバーがやっている。過渡期であると。なぜそんな過渡期にもかかわらず、フライングのような決定をなさるんですか。更に驚きは、来年契約可能な方式は回転キルン方式だと。ちょっと待ってくださいよ。今まで豊橋市議会の調査特別委員会の中でも、この熱分解方式というのが、どういう方式があって、これだけではなくてなんていうことを一度だって説明されましたか。更に、廃棄物研究財団の研究の過程なんて、去年の10月からスタートを切っていることを一回でも説明されましたか。きょう初めてですよ。この議会で。そんな答弁は通用しません。それで、私はきょうは特別委員会も設置しているのにあえてなぜここでこの炉問題を取り上げたかということは、議事録に残す形で市民の皆さん方に責任を持って議論したいと思っておりますので、少しくどいかもわかりませんが、時間はきっちり守りますからお聞きください。私は、技術的には素人です。しかし、素人は素人なりに、この間、それなりの独自に会派の仲間と、また私個人としても、プラントの大手メーカー、外資系も含めて5社、コンサルタント会社1社、問題の横浜市、つまり6社と1自治体に対し調査をさせていただきました。これをベースに、技術的には素人でも、地方議員のプロとして本会議で、くどいようですが議事録に残す形で責任ある議論を展開させていただきたいと思っております。基本的に、今の私の主張は、この炉の公開に対して、炉方式は熱分解でいい。もっと言い方を変えれば、時代は熱分解なのかなという感想を持っております。しかし、1年半、予算年度で2年待つべし。今やるべきではない。本年、当初予算、基本設計に私どもは反対できませんでした。何だ清博、お前賛成していたではないかと、世間の人にもいろいろお叱りを受けました。恥ずかしい次第です。本年当初予算で、なぜわれわれが反対できなかったのか。それは、市側の皆さん方の従来の提出された資料と答弁と、取り巻く状況がすべてストーカ方式であろうと予測できる事態であったんですよ。そして、全く違うまさかの熱分解を提案されて大変戸惑った。聞けば、この熱分解方式は国内に実証・実機として動いているものがない。どうやってわれわれが勉強できるんですか。ある意味ではこの研究を怠ったのは私たちの抜かり。これはどう見ても、市側の皆さんもこの熱分解炉に対して十分な知識と各メーカーの現況、国内レベルの動向といったものの把握が十分でなかったのではないですか。十分であったなら、われわれに対しても説明があったはずですよ。きょう降ってわいたような議論があるのではなくて。そして、更にもしあったとするなら、特定な1社からだけの偏った情報ではなかったんですか。あえて言うなら、現在においてもなお。もう一度さかのぼらせていただきますが、昨年11月22日まで、資料でも答弁でも、ずっとストーカ方式にマルとしながら、十分な資料、説明もないまま本年2月28日、金曜日でした。熱分解炉と突然発表されました。翌土・日を挟んで、月曜日はもう既に3月議会の初日だったんですよ。3月3日。1年間の最も大切な新年度予算の論議が始まるんです。つまり、この熱分解と決定するに至った経過とかプロセスとか、議会とのコンセンサスについては疑問ありとして、私もいっぱい議論させてもらいましたが、熱分解自身の技術的なシステム、実証、メーカーの開発状況、国の動き、更に加えてわれわれの独自調査をする時間なんて全くなかったんですよ。加えて、3月25日と26日の両日、定例会開会中の廃棄物問題特別委員会の開催。全く異例の形をとったわけですね。このときでさえ、市側からの資料は全く十分ではない。あの廃棄物研究財団のあなたたちが一番信頼をしているその技術評価書でさえ、私どもの要求によってやっと出してきた。そのあなたたちが一番よりどころにしているこの評価書は、見れば、平成8年4月に出ているではありませんか。なぜそれなら、こういったものも土俵に乗せるというなら、われわれに対してこの存在を説明しなかったんですか。11月22日の特別委員会にはこれはなぜなかったんですか。もっと言わせていただくと、1月の時点でストーカ8社と熱分解炉1社に絞ったと言われました。そのときの受け止め方は、今まで11月22日の議論で、ストーカが〇、ストーカがよろしいという話の中で、まさかこれで決まると思っていないから、ある意味ではだまし討ちですよ。だったら、1月にストーカ8社と熱分解1社に絞ったときに、この資料をなぜ示さなかったんですか。そして、その特別委員会。ついこの間まで、現状ではストーカでと言い切ってきた担当の課長、モニターでお聞きだと思います。大変御苦労をおかけしております。そして、ついこの間、熱分解については勉強するのはやぶさかではないがと、極めて消極的なレベルの答弁をしていた担当部長が、舌の根も乾かない3月に、熱分解を説明しなければならないというまことに不可思議な光景。私は大いに違和感を感じました。そして、これは市長の政治的、意図的な決断に押さえ込まれた部局、その感じを持って同情の念すら禁じ得ませんでした。(略)つまり、今申し上げたようなことが今技術的に確立されているとは到底言い難い。つまり、ごみを入れて発生するガスと残滓の状況が、探索ができなければ、完全な熱分解ができているよということの確認ができなければ、次の工程へ送っても全く機能が果たせないわけですよ。この熱分解ドラムのコントロールが本当に十分できるか。できなければ、ダイオキシン類の発生環境を逆につくり出してしまうことにもなりかねませんよ。(略)そこで、同じシーメンス社と提携しているT社でさえ、技術的にまだ2~3年かかるとはっきり私どもに言い切っております。そして、高温熱交換器、この安定性にも不安がある。この熱交換器は、問題が発生すると、そのメンテナンスに莫大な手間と莫大な時間かかかるとも言われております。加えて、熱回収、廃熱ボイラーですね。これにも大変疑問の声もあるんです。ヒートバランス。つまり熱量がどう移行するか。今、皆さん方がお示ししているプラントは廃ガスを利用しているとおっしゃっていますが、他メーカーでは助燃なしでは無理だと言っている。横浜の実験プラントでも、お邪魔したときに助燃なしではうまく回らなかった。ドイツのフュルト市でも天然ガスを使用していると聞いております。灰も一緒に燃やしてしまうという高温燃焼溶融炉の中の 1,300℃、これでも一部には 1,400℃まで上げないと安定溶融ができないのではないかという技術方針を打ち出していらっしゃいます。理由は、灰の融点が 1,250℃~ 1,350℃と。助燃で初めて 1,400℃が可能ではないかという声もある。今私が申し上げた例も含め、到底、今の段階では完成されたシステムだとは言い難い。(略)横浜市の熱分解に対する考え方、これは行政ですから、直接、会派の皆さんとも行ってきました。先ほどのT社も会派の皆さんと一緒に行ってきました。「鈴木さん、私ども横浜市は、共同開発と言われますけれども、私どもとしては清掃工場の中の敷地をお貸ししてごみを差し上げましたが、横浜市としても情報収集と将来に向けての研究のために、興味を持って月に1回程度の情報交換会は持ったけれども、その程度のことです。それをして共同開発と言われれば共同開発。そして今は、もうそのプラントは壊して、ない。」何と言ったか。「スケールアップには問題がある」と。20トン炉です。なぜ皆さんが20トン炉をおつくりになるかということは、厚生省の方が20トン以上であればスケールアップは無限大という一定の指針を出しているから、もっと大きいものをつくる必要はないわけですよ。それで20トンをつくるんです。しかし、横浜市はスケールアップは無理だと言っているんですよ。なぜ無理か。理由もあるんですよ。あそこは全部ストーカでやっていらっしゃるけれども、1つの炉が 400トンとか 500トンばかりなんですよ。保土ヶ谷へ行っても 400トン炉が3つなんです。ですから、20トン炉を 400トン炉なんて、鈴木さん、到底無理です。では、 200トンは。答えられるわけはありません。ある意味では、このスケールアップの問題に対しても、メーカーの言うことだけ信用していてはだめです。そして、何と言ったか。開発状況を見極めて、やるとしても、平成13年に更改の予定のものがあるんですよ。そのときには一切検討しない。それ以降の問題でしょうと。(略)10年度末までにはすべての各社のシステム評価を出すというように言っているんですよ。かかる状況の中で、なぜ待てないのか。あと1年半、予算年度で2年待って、公平で公正で競争性の図れるそれまで待てないのか。それとも、この1社でないと都合の悪いことがあるのか。これは、市長の政治決断で決定されたことであって、もう担当部長の答弁をいただこうとは思いません。私自身が、提案されてから今のことを全部調べるのに3か月かかりました。なぜ鈴木、あのときに言わなかったんだ。言える状況になかったではありませんか。同情してくださいよ。以上を受けて、今の気持ちと今後の問題についてどうとらえているのかお聞かせください。そして、いみじくもこの炉しかないということであれば、もう私は随意契約でこの1社と契約をしますということを今表明したということに受け止めていいわけですか。もしそうであれば、われわれが今まで議論してきた根底がすべて崩れるわけですから、重大な発言として受け止めなければなりません。以上で第2問とさせていただきます。
◎早川勝市長(答弁2回め)
鈴木清博議員の御質問の2問目に私からお答えをいたしますが、今幾つかの中で、技術論のところは私もわかりませんので、恐らく技術の問題についてはいろいろな機会で、特別委員会等で担当部長が答弁していると思いますので、私の立場からお答えをさせていただきます。政治的決断ということでお話がございましたが、1つは、ポイントになりましたのは今の資源化センターの焼却炉が大変老朽度が進んでいると。現在の予定で進めていきましても、つまり完成したときに、新しい炉にスタートするときには今の炉はもう21年使い切った後に新しいのに転換するわけで、つまりきのうも17年とか18年と、今現在の年度がそういう時点であって、新しい炉が完成されるのは今から予定しているのは平成14年度から稼働ですから、10、11、12、13とこの4年間が経過するわけでございますので、そういったことで、全国平均は21年程度だと伺っております。従って、既にもう1年間、本来ならば昨年の段階で決定されているんだという報告を受けておりまして、それが1年延びたと。調査会が設置されてということを受けまして、これ以上延期するのは現在の老朽度の状況からして技術的には自信が持てないという報告を受けました。従って、決定をするということで熱分解の溶融炉を決めたわけでございます。なお、議論がございまして、私記憶しておりますけれども、豊橋の技術者という話がございましたけれども、伺っていますと大変に優秀だということで、ごみ量が増えているが、先ほど横浜の例が出ましたけれども、これを止めて、稼働率を見ても大変にすぐれていると。日数からしてもですね。そういう話を聞きました。従って、技術者が最大限努力してきて、なおかつ今日の状況。つまり、これから先を考えますと、実際に稼働するのは4年後だという状況で、決定をする時期だというのが私の判断でございまして、決定をしたわけでございます。その際の要素になったのは2つありまして、やはりこれも既に申し上げましたが、これからの時代のダイオキシン対策に十分対応できる型式でなければいけないというのが第1点であります。それともう1点は、その中でもできるだけ経費、こういう財政状況からして経費的にも余り負担のないものがという考え方でございます。従って、そういった中で決断をしたわけで、先ほど議員の発言の中にありましたように、特定の1社でなければならないのかということは一切ございません。つまり、時期的に決めなければいけない。そして、先ほど言いましたように、今、ではそれにこたえられるのはどこかというのは、先ほど部長が答弁してきている状況でございまして、私が3度質問されたことを覚えております。何らかの政治的配慮とか、そういうことがあったのかと、3人の方から3月のときに質問を受けました。3度同じ答えをしたわけでございまして、きょうも4度目、答弁させていただきます。一切ありません。それから、実機、確かにまだないということでございますけれども、何よりも、先ほど冒頭に言いました今の老朽度の問題があるわけですけれども、いま一つは、どこかの自治体が実際にやらないと結果が出ないというのでは、ではそれが出るまで待つかということが待てないわけでございまして、現に新しい機種というようなところも実験段階が終えたわけでございまして、どの自治体あるいはどこかの企業がそれを使っているか。実はまだないわけでございますけれども、いつも2番目、3番目であれば確かに安心だということは言えるかもしれませんけれども、そこはあえて1番最初にスタートを切ってもいいのではないか。それが政治的決断だと言えばそういうところもあったことを御紹介させていただきます。それから、横浜市の件につきましては、私が伺っているのは、横浜は、先ほど議員も言われましたように、平成13年度になって初めて新しいものを更新するんだということで、豊橋とは全然意思決定の時期が違うというように私は思っております。そういうことで、最終結論になりますけれども、更新決定を1~2年見送ることはできないかということでございますが、先ほど、そもそも意思決定をいたした経過からまいりまして、予定どおり進めさせていただきたいと思います。以上です。
◆鈴木清博議員(質問3回め)
熱分解の溶融炉の方式は、大別して3通りある。1つはキルン式の熱分解溶融炉。皆さん方がお示ししている。もう1つが流動床もしくは流動層の熱分解溶融方式。もう1つがシャフト式、直接溶融方式と、3つある。財団もこの3つをグループ別に分けて課題を与えて研究しております。こんな去年の10月にスタートしていることを、熱分解でいくというその前段でなぜわれわれに教えてくれなかったんですか。知らなかったんですよ。なぜか。特定の1社からの情報しか入ってないからです。しかし、厳密に言って、この熱分解+高温燃焼溶融炉、名前からすれば、シャフト式というのは実はもう自治体に実績があるんですよ。大手製鉄メーカーのものであるんです。しかし、それは炉方式からすると名前から言ってちょっと外れるかなという感じがあるんです。ですから、皆さん方がお決めになったのは、キルン炉もしくは流動床、そのどちらかで熱分解をやる。そういうことではなかったんですか。そうでないとするなら、最初からこの1社しかあり得なかったんですよ。私は3月のときに、村田助役にあそこまでしつこく言ったではありませんか。あの技術評価の日程からして、後続メーカーが立ち上がることは物理的に不可能ではないかと。あの人は何と言ったか。いやいや、公平で公平な競争が図られるような、それが出ると信じて期待していると。ちょっと待ってください。それがもう崩れてしまうではありませんか。今の議論だと。おかしいですよ。私どもが先ほど5つのメーカーへ、メーカーだけでも5つも行ってきた。何で5つも行ってきたか。1つだけ行くと不公平だからですよ。つまり、キルン炉で開発中のところに1社、流動床もしくは流動層方式による熱分解2社、そしてシャフト炉を1社、それからもう1社は外資系なんですが、熱分解によらないRDF、つまり固形燃料みたいなものですね。そこを1社と行ってきたんです。それで、私の調査では、国内メーカーの各社の主流が、このキルン炉への不安と、いろんな状況もあるでしょうが、炉として実績のある流動床によるガス化溶融、これが今や主流になってきているんですね。そんな方式でも熱分解できるということすら、この3月、4月に知り得なかった私どもが、抜かったと言えばそれまで。しかし、皆さんフェアではありませんよ。だまし討ちですよ。言葉を選んで正確に申し上げますが、これは詐欺です。こういう言葉を使うには私も意を決しておりますから。加えて申し上げれば、このシーメンスと提携しているもう1社、このキルン炉でやっているシーメンスとの提携の会社は、福岡市クリーンパーク東部というところで、1日20トン、約24億円かけてちょうど着工です。福岡市も共同開発で98年6月までに完成をさせて、12月までに実証試験を終えて、99年2月に評価申請をすると。つまり、期待するとか何とか、もう物理的に無理なんですよ。可能性のある1社がこれなんですよ。だから、3月のときに言っていた議論はもう通用しないということを認識してもらわなければ困るんです。それで、なぜ1年遅らせられないか。先ほど1社でなければならない理由があるのかといろいろ申し上げまして、そのときに政治的に何かあったのではないかと、あなたで4番目だと言ったけれども、もう一度言わせてもらいます。今、ちまたで、某政治家の東京事務所の某秘書が、このメーカーの紹介をいろいろな立場の方々にいろいろな形で昨年来されてきた。もちろん、情報を提供したり情報を収集するのは当たり前のことですよ。私だっていろんなメーカーへ行っているわけですから。ある意味では皆さんが示した1社の商売がたきへ行っているわけですから、いいことを言うわけはありませんよ。ですから、もちろん情報収集というのは偏ってはいけないなと戒めながら申し上げますが、情報を提供すること、収集することは当たり前のことだ。こんなことは責めはしない。しかし、ことこの状況になると、このプラントの受注が、この会社しかあり得ない状況をつくり出したことについて、尾ひれが付くんですよ。例えば、このメーカーと非常に御縁の強い地元の企業が、既にこの企業が受注すればそのメンテにも参画するのかという具体的に話になってしまっているんですね。もちろんそんなことを信用したり信じたりしたくはありませんが、少なくとも、これであなたに対して4度目だと言ったけれども、そういう状況をつくり出してしまっているではありませんか。この1社だから。ですから、それはやはりいけません。よそのメーカーの自治体との開発プランについてあえて申し上げます。K社では、青森県上北郡で、中部上北広域事業組合と協力して日量30トン、これは流動床式の熱分解ですが、実証プラントをお建てになると。もう着工しているようですね。建設費20億円は全額メーカー負担。なぜ30トンか。それは、この一部事務組合のごみの量が日量30トンだからなんです。つまり、用地は組合提供。スタッフもメーカーから派遣する。新しいものをやるときにはこういうレベルのものなんですよ。このメーカーが半額持ってスタッフを付けて。きのう、伊藤議員の方からのいろんな担保だとか条件の話が出ましたけれども、そういうことなんですか。それならまだ議論できないことはない。名古屋に本社のあるN社では、岐阜県恵那郡明智町でこの8月、恵那郡南部衛生施設利用組合との間で、日量25トン、流動床式熱分解による実証プラント、総投資額20億円、これも全部メーカー持ちで、その一部事務組合のごみを全部やりましょうというんです。メーカー持ちで。そういうレベルのものなんですよ。今、熱分解は。厚生省は 100トンぐらいに集約しなさいとずっと言ってますよね。ところが、実質的にはもう市町村は 100トンは無理だと。立地の問題やいろんなことがあって。つまり、こういう方式によってすべてをクリアーする。そして補助金の対象にしたいというものもおありのようですが、豊橋がこの段階で、このメーカーと、なぜこれだけの莫大な市費を投じてやるのか。厚生省の話をされましたけれども、厚生省だって見たいんですよ、それは。どこか早くやってくれないかなと思って待っているんですよ。実験台ですよ。補助金出しますよ。今、これだけのリスクを豊橋市が背負ってやる事業なんですか。なぜ豊橋がこのリスクを背負わなければならないのか。ある意味では、結果として豊橋が犠牲になってしまうようなことになりはしませんか。やはり少し恐いな。厚生省は責任持ってくれますか。持ってくれません。最後は自治体ですよ。今朝の中日新聞、次世代型ごみ処理施設、茨城県へ。またこのメーカーも、ああそうか、やっているなと。毎日のようにいろいろなメーカーの取り組みが出ています。一番最初に部長が言ったとおり、過渡期なんですよ。なぜ過渡期にこれを急がなければならないんですか。さっき、遅らせられない理由として、老朽化をお挙げになった。言わせていただくと、遅らせられないと思える理由、そんなものではありません。私が教えて差し上げましょう。まず、老朽化。耐久性の問題ですね。その次は、ごみ量が今の焼却施設の処理能力を超えてしまうかもわからない。それもありますよ。国の補助金だって、国との関係が持つか。それもあります。環境アセスを既にやった。その環境アセスの結果がいつまでも引きずれるか。もう1つ、先ほど地元対応の話もありました。地元の方々に一定の説明をしてきて、地元との約束が守れるか。私が思って遅らせられない理由が5つあると思います。この5つはすべて乗り越えられます。耐久性だって、皆さん、すぐ壊れてしまうと言うが、私が会派のみんなと横浜へお邪魔したときに、7月1日、保土ヶ谷の清掃工場へ入りました。「鈴木さん、きょういいところに来てくれました。きょうは私たちの施設の運転開始記念日なんです。記念すべき日です。」「何年たちましたか。」「18年たちました。」「そうですか。炉型式は。」「ストーカ。」そして「何か更改の御予定はおありですか。」「いや、一切ありません。」「でも18年たっていれば、立ち上がりで4年や5年運転までにはかかるでしょうけれども、一定のスケジュールはあるんでしょう。」「いや、ありません。」「だけど、一定その時期が来ればということでしょうか。」「責任を持ってやっています。」平均21年だとおっしゃったけれども、この規模の炉になるともっと長い。そして、豊橋資源化センター焼却施設精密機能検査報告書、日本環境衛生センターでいろいろ調べられて、これもずっと見ていますけれども、これをつくったメーカーにも一度見てもらいましょう。どうですか。先ほど企業を信用されるとおっしゃったではありませんか。今、この日本環境衛生センターでないとこの精密試験ができないのではありませんよ。今では、民間のいろいろな研究団体にお願いすることも可となっているんですね。そういった意味では、私どもは炉の寿命が15年だと言われるから、本当に信用してそれを真に受けて、これは何とかしなければいかんなと、ある意味では踊らされてしまって、提言まで書くに至った。これは、身の不徳をわびるばかりですよ。でも、その材料しか与えてもらえなかったことに対しては、これはひとつお互いの責任として受け止めていただきたい。ある意味では、耐久性の問題についても、ごみ量の増加だって、来年から透明袋になって、きのうですか、伊藤議員が言っていたではないですか。本気になってごみ減量のPRをしているんですか。本気になってやりましょうよ。国の補助金だってそうだ。厚生省だって単に豊橋市だけを相手にしているわけではありませんよ。全国自治体の焼却炉を相手にしているんです。待ってもらいましょう。環境アセスの問題だってそう。地元対策だって誠意を持てば必ずわかっていただける。つまり、これだけ問題のあるものをなぜ今決断しなければならないのか。熱分解でいいと私は言っているんですよ。こんな過渡期になぜ決断をするのか。先ほど言った5つの理由のクリアーも含めて、一度遅らせられないか、御答弁ください。
◎早川勝市長(答弁3回め)
鈴木議員の3問目にお答え申し上げます。老朽度の問題、国庫補助関係、ごみ量増加、地元対策、環境アセスメントの5点というのは認識は同じでございますが、理解いただいていると思いますが、老朽度の問題は、議員が今御指摘になりました日本環境衛生センター精密機能検査報告、当然資源化センターはやっているわけでございますが、その中での指摘を御紹介させていただきますと、特に炉本体、ボイラー設備、電気集塵機等は耐用面、安全面からすると部分的補修を継続しただけでは突発的な重大故障が予想される。それでは、部分的補修でなくて、基幹的な整備を行った場合ということがあるわけでございますが、本市豊橋では1極でもあり、つまり焼却炉のある場所が1か所、資源化センターのところという意味ですが、能力に余裕がないため、基幹的な整備は実質的に不可能だと。こういうことを含めまして、老朽度というのは今日、看過、軽視できないということでございます。従って、先ほど来お話がございますけれども、見送ることはできないかという御質問に対しましては、決定をさせていただいた方針で仕事をさせていただきたいというお答えでございます。なお、5度目の質問がございましたが、一切ございません。同じ答弁を5回繰り返させていただきます。
○辻村良夫議長(議長による整理)
3月議会では他メーカーも出てきて競争入札になるといったような答弁だったが、もう1社しかないというような、この3月議会とのことにつきまして、環境事業部長。
◎田嶌紀六環境事業部長(答弁3回め続き)
1社との契約の関係につきまして私からお答えさせていただきますが、私のきょうの答弁は、1社として断定をした答弁を申し上げたつもりはございません。ただ、この3月以降、今日の各メーカーの取り組み状況の中から言ってなかなか厳しい。期待はいたしております。われわれもあくまで競争というものが生まれることを期待している気持ちは今も変わりはありません。そういう意味で申し上げたわけでございますので、御理解をいただきたいと思います。以上です。
◆鈴木清博議員
議長、おかしいではありませんか。物理的にあり得ないことが今答弁されたんですよ。そんな、今の段階で随意契約以外の方法があれば教えてください。つまり、この3月議会に議論してきた根底が今崩れているんです。では、本会議で、3回何とか言ったら、ぐずぐず言っていれば全部OKになってしまうんですか。つまり、今、この状況は私の申し上げたとおりに1社しかあり得ないと、物理的に、状況的に示しているわけですから、それを論理的ではなくて、情実的に期待していますで、これでうんと言って議会と議員と理事者側との関係が保たれるんですか。
○辻村良夫議長(議長による整理)
答弁の統一性に欠けますので、この際しばらく休憩いたします。
(休憩)ただいまから会議を再開いたします。当局の答弁を求めます。小出助役。
◎小出正司助役(答弁3回め続き)
大変、答弁の方が漏れました申し訳ございませんでした。先ほどの契約上の問題のことについて1点絞られておりますので、その問題については、現状を取り巻く状況を十分調査いたしまして、契約の時点での手法について再確認をいたしまして、できるだけ早い機会にひとつまた議会の皆さんの方に御相談申し上げるような形をとれるようにお取り計らいいただくという考えでいきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
◆鈴木清博議員
議会の答弁というのは、あり得ないことを想像して、あり得ないことを期待して答弁するなんていうのはもってのほかです。物理的に、市長、少し取り巻く状況をあなたは余り知らないんではないですか。僕は疑うな。私はこの3か月あらゆる手を尽くしてきましたけれども、一緒に一度勉強しませんか。これは、それを考えると、今の最大の論点は炉が壊れるかもしれない。論理はそこだけしか今出てこないではないですか。大丈夫ですよ。一度このセンターだけではなくて--厚生省の外郭団体のここになぜ検査をしてもらったかというと、あそこは厚生省の外郭団体で、あそこに検査してもらった方が補助金の話のときに話が早いんですよ。そういうところと、民間でもやってくれるんですから、よしんば、さっき企業は信用すると言ったではありませんか。あそこをつくったところから見てもらってもいいではありませんか。一定、断片的なことだけを信用せずに、今、早川市長の最後の答弁が壊れるかもしれないところに集約されたなら、どうぞひとつ納得できるところを示してください。きょうの議論でうんと言うわけにはいきません。しかし、近々に助役がその場をということですので、一般質問としては時間に限りがありますから終わらなければしょうがないんですけれども、ただ、今の企業を信用する、しないの話ですけれども、企業を信用したら大変なことになります。やめた方がいい。チッソ・水俣ではありませんけれども、企業はやはり利益です。商売です。優先しますよ。(略)3問ということですので、以上で私の一般質問を終わります。
■
そして、更に半年後、平成10年3月の定例会(予算審議)では、反対討論を。
◆鈴木清博議員
■私は、市民・まちくらぶを代表いたしまして討論させていただきます。(略)しかしながら、ただ1点、資源化センター施設整備事業としてのごみ焼却施設の更新について、熱分解+高温燃焼(溶融)炉と決定し、また決定以降、今日までのプロセス、そしてこの次世代とする開発途上の1社に限定したキルン式熱分解炉を、今この時点で1社との随意契約を前提として提案されていることは容認できず、これを含んだこの予算案は賛成できない、反対とし、その他の議案につきましてはすべて賛成という立場であります。ただ1点の賛成できない部分についてのみ申し上げます。この1年間の議会論議の記録を読み返し、率直に感じたことは、従来、特別委員会などで技術の熟度、既設炉との整合性から現行炉方式を良とする意思表示をしながら、短期間のうちに市長のトップダウンによる政治判断として十分な資料を示せないまま、次世代とするこの炉方式採用を発表されましたが、市長自身がこの次世代・熱分解方式の各メーカーの開発状況、厚生省の動きなど現状認識が浅く、この時点から特定1社からの情報に強く影響を受けていたと疑わざるを得ません。昨年3月議会の予算委員会及び廃棄物処理調査特別委員会でも、当局側からは十分な資料はなく、私ども調査に動く時間もなく、当時の助役答弁、「計上した仕様書作成に関する予算は、炉方式を固定したものではない」旨の発言に代表されるように、今思えば、結果として事実に反する発言等々、物事を判断するには極めて不十分な環境下での議決でありました。以来、私どもも含め多くの議員が当局側に頼らない独自調査に動き出せば、いろいろな事実が判明し、当局側の調査の不十分さも浮き彫りとなる、そんな事態が生ずる場面もあったわけであります。これらについては既にいろいろな場で発言してまいりましたので、蒸し返しはいたしませんが、最近ではドイツのシーメンス・フィルトプラントの動向さえも十分伝わらないことから、議会も振り回される事態等々、特定メーカーのみに頼る当局の情報収集能力の限界を感じつつ、今日までの市民、議会への対応も含め、そのプロセスは容認できません。また、この炉の信頼性においても、瑕疵担保を前提としていること自体が大きな不安を示すもので、寂しい限りであります。加えて、その担保の中身もいまだ全く示されておりません。この次世代炉に関しては、技術的に不明確な部分が多い中で、当局としても、かつて技術的に熟度が高いと評価したストーカ炉や流動床炉など、既存技術炉からこの次世代炉に急きょ転換した明確な判断根拠が乏しく、また、厚生省指針としての最終処分場の延命化を目的とした灰溶融についても、日量40トン生成されるスラグの活用方法も確立できない現在、他自治体に見られるように先進的取り組みとしてRDFを生成しながら、活用計画が崩れ、結局は最終処分場に埋め立て続けているという事例が示すように、本来の目的、減容化に対応できるか不安も大きいものがあります。もちろん、スケールアップに伴う熱交換機、熱伝導管等々、多くの課題についてはやってみなければわからない部分も多く、頼りはこのメーカー1社のみ。客観的な識者の評価を受ける機会もないまま、結果として時間切れの状態で1社との随意契約でやむなし、これで納得というわけにはまいりません。重ねて申し上げますが、1年間の議論の蒸し返しをあえて避け、総括的にまとめて述べさせていただきました。賛成できないのはこの1点のみであることを明確にさせていただき、賛成する部分、賛成する議案についてはあえてコメントを省略させていただきます。(略)以上、私の討論とさせていただきます。ありがとうございました。
http://www.kaigiroku.net/kensaku/cgi-bin/
当初から、これだけの課題や懸念があったにも関わらず、どうして通ってしまったのか。
立ち止まること、立ち止まらせることができなかったのか。
ひとりの議会人として、議会の役割の重要性、例え与党であっても、ときに市長にNOと言わなければいけない重要性を教えられます。
今の豊橋市議会は20年前と変わらないままか。
それとも変わったのか、変わりつつあるのか。
では。