豊橋市議の長坂です。
台風25号にご注意ください。

さて、台風24号で豊橋でも大規模な停電が起こり、最大52時間ほど停電が続きました。
そして、にわかに「電線の地中化(無電柱化)」の声が高まっています。

無電柱化については、これまで景観形成や交通対策の側面から、二川宿での整備などを市議会で取り上げたことがあります。

今回改めて「市内全域」レベルを検討するため、調べてみました。
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こちらの国土交通省の資料がとてもよくまとまっています(PDF)
http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/chicyuka/pdf01/5.pdf



まず、もっとも気になる費用について。
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従来の(日本の)整備方法では、土木工事だけで、約3.5億円/kmかかります。
加えて、電気・通信工事(≒電気・通信事業者負担分)が、約1.8億円/km
合わせると、約5.3億円/km

続いて、整備に必要な距離について。
ひとつめの参考値として、豊橋市の水道管の総延長は約2,202km

ふたつめ。国の資料などで「無電柱化率」を計算するとき、分母は道路延長としています。
豊橋市の市道の実延長は、3,438.9kmです。
もちろん県道や国道もあるので、道路全体ではもっと長くなります。

短い、2,202kmを採用しても、
5.3億円 × 2,202km=1兆1670億円

土木工事部分だけでも、約3.5億円 × 2,202km=7707億円

豊橋市の一般会計予算は、1312億円(H30)なので、どれほど大きな金額か、わかると思います。
散々議論があった、小中学校のエアコン整備が現在20~30億円と言われていますので、文字通り桁が違います(2桁も)。

(参考)
水道管や道路の距離は「豊橋市公共施設等総合管理方針(p10,13)」より
http://www.city.toyohashi.lg.jp/secure/48223/sogokanrihoshin_toyohashi.pdf



そのため、行政も少しでも安価な方法を模索しています。
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ひとつ前のスライド右側、「ロンドン、パリ、ベルリン、ニューヨーク等」で採用されている「直接埋設」では、土木工事が約0.8億円/kmと試算されています。

仮にこの数字を採用しても、0.8億円 × 2,202km=1761億円。
電気通信工事も含めると、(0.8億円+1.8億円) × 2,202km=5725億円、です。



勘違いされそうですが、行政(国)は、無電柱化を推進の姿勢です。
では、ハードル(課題)は何か。市区町村長向けのアンケート結果です。
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赤枠で囲まれているグラフの上から、
  1. コストが高い
  2. 電力会社や通信会社などとの調整が困難である
  3. トランス(筆者注:地上に置かないと行けない機器)の置き場がない
  4. 道路が狭くて事業ができない
1.のコストについてはお伝えした通りです。

2.「調整」の大きな肝は、事業者負担分です。
電力も通信も民間事業のため、約1.8億円/kmという事業者負担分を、どう考えるのか。

もちろん、地中化しても売上が増えるわけではありません。
(災害時の復旧費用が減る可能性はあります)

電力は「総括原価方式」のため、かかった費用は、電気料金に反映されます。

例えば豊橋市の場合、約16万世帯※のため、50年間の分割としても、
(※もちろん別に事業所もありますが)

約1.8億円km × 2,202km=3963億円
3963億円 ÷ 16万世帯=約250万円
約250万円 ÷ 50年間=約5万円/年



最後に、スライド一式を掲載しておきます。
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http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/chicyuka/pdf01/5.pdf

では。