豊橋市議の長坂です。
高校球児とアルプス応援団が心配です。

さて、暑さについて「危険」「命を守る行動を」という言葉と合わせて、ニュースなどで目にするのは、はじめてな気がします。

そんな中、豊田市で不幸がありました。
まさにこの日の朝、上記の内田良先生(名古屋大准教授)が、「小中のエアコン設置 いまだ半数 暑くても設置率1割未満の自治体も 莫大な予算が課題」という記事を更新したばかりでした。
記事中で「最高気温が上から6番目の愛知県は、エアコン設置率は35.7%にとどまっており(全国25位)」と言及。

その愛知県の設置率を引き下げているのが、豊橋市の2.4%です。
先月6月にも中日新聞でご指摘いただきました。
夏場、教室の望ましい温度は「30度以下」ではなく「28度以下」-。文部科学省が4月、全国の小中学校や高校などの室温基準を約半世紀ぶりに見直し、全国へ通知した。(略)

74の公立校がある同県豊橋市でも2.4%で、幹線道路沿いで窓を開けると授業に支障が出る学校や、体温調整が困難な子がいる学級など一部にとどまっている。全1200教室分のエアコン機器購入費は20億円とされ、財政面でただちには整備に踏み切れない側面がある。市教委は全教室の四隅に壁掛け式の扇風機を整備しているが、担当者は通知に対し「扇風機のみでは、まだ暑いことは否定できない。先進事例の調査から始めたい」と話す。

教室エアコン、地域格差 | ニュース
http://opi-rina.chunichi.co.jp/topic/20180610-2.html


小中学校のエアコン設置に関する、豊橋市の最新の見解(市議会答弁)は、次の通りです。
国におきまして、学校環境衛生基準を一部改正する動きがあることは承知しておりますので、本市といたしましては、新たな温度基準にも対応できるよう、これまで以上に教室の状況把握に努めるとともに、子どもたちが健康的でより快適に学習できる環境を整えるための方策について、先進事例などを参考に勉強してまいりたいと考えております。

 - 平成30年3月定例会-03月07日(川原議員質問に対して)
http://www.kaigiroku.net/kensaku/cgi-bin/
中日新聞の取材への対応も、これを踏襲したものと思われます。
その半年前、平成29年9月議会では、
気象状況や周辺環境に大きな変動がなければ、当面はエアコンを設置する考えは持っておりませんが、今後も引き続き、現在設置されている壁かけ式扇風機等の効果も確認しながら、気象状況や教室の温度、湿度を注視することで熱中症を予防し、子どもたちの健康を第一とした学習環境の確保に努めていきたいと考えております。

 - 平成29年9月定例会-09月04日(中西議員質問に対して)
http://www.kaigiroku.net/kensaku/cgi-bin/
当面はエアコンを設置する考えは持っておりません」と、身も蓋もない状態であったので、この間に報道された文科省の室温基準の変更(通知は4月)の影響かと思われます。
東京新聞:<子どものあした>教室の望ましい温度 10~30℃→17~28℃へ
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201802/CK2018021602000117.html


小中学校のエアコン設置について、「クーラー」「エアコン」で検索して辿ってみました。

ネットにある平成7年以降の会議録の中で、もっとも古かったのが、平成15年9月。
◆ 渡辺則子委員
現在、学校の図書館にコンピュータが配置されている現況について教えていただきたいと思います。同時に、市内の小・中学校の図書館にクーラーが完備しているところはあるのかどうか、この現況も教えていただきたく存じます。

◎青木哲夫[教]総務課長
学校図書館のコンピュータの配置でございますが、現在4校、小学校3校、中学校1校につきまして、図書館にコンピュータが配置されております。それから、図書館のクーラーでございますが、空調設備につきましては、市教育委員会としては、特別教室についてはコンピュータ教室のみでございますが、学校独自で、現在、小学校2校及び中学校1校、合計3校につきまして、図書室にクーラーが設備されております。

平成15年9月福祉教育委員会-09月12日
http://www.kaigiroku.net/kensaku/cgi-bin/
確かに記憶をたどると、僕が中学のとき(平成8年頃)に「コンピューター室」ができて、それに伴って、その教室にはクーラーがありました。

つまり、教室のクーラーは、まずコンピューターの熱対応のために設置されました。
その背景がこの、学校図書館にもコンピュータがあるけれどどうなの?という質問に繋がっています。

また、職員室と校長室のエアコンは平成2年度に設置されたこともわかりました。
冷暖房機につきましては、小学校14校、中学校5校、及び家政高等専修学校の職員室及び校長室の冷暖房機を87台取りかえるものでございます。これは平成2年度に全校に設置をいたしましたが、10年以上経過いたしまして故障が急増してきていることから、計画的に今、更新を進めているものでございます。

 - 平成15年12月一般会計予算特別委員会-12月15日(坂柳委員質問に対して)
http://www.kaigiroku.net/kensaku/cgi-bin/


そして、ここから8年、普通教室のエアコン設置に関する質問は平成23年に出てきます。
◆ 伊藤秀昭委員
東京、関東を中心に小中学校の全教室にエアコン設置の動きが急速に広がっています。東京23区内では、エアコン設置比率は78%と伺っています。これは、東京の財政の非常に恵まれた部分もあるかと思いますが、豊橋市の場合、本郷中学校が幹線道路に面し、交差点もあるという関係で、一部教室にエアコンが設置されています。保健室には全小中学校に設置されているようですが、図書館は一部であります。こうした小中学校のエアコンの標準設備化について、どう考えておられるか伺っておきます。

◎倉橋斎支教育部長 
現在本市の場合におきましては、エアコンの設置状況につきましては、職員室、保健室及びコンピュータ室、校長室ももちろん入っておりますけれども、また、中学校は心の教室というのを設置しております。特に校長室、職員室、コンピュータ室につきましては、これはコンピュータの保全上、また来客等の理由もあります。教員はほとんど生徒と一緒に授業をしておりますので、大半は、同じような環境で勤務をしております。

 エアコンの標準設置ということですけれども、なかなか当然に経費もかかるものであります。近年は温暖化ということで、確かに気温も高くなっておりますけれども、現時点でこれをどうだというような結論は持っておりませんで、将来的な取り組みの課題として、県の動き等も踏まえながら、こういったものも考えていく時期に来たのかなというようには思っております。
こういったものも考えていく時期に来たのかな」、意外に前向きな回答が。

しかし、ここから先の平成29年まで、小中学校のエアコンについてのやり取りは特にありませんでした。



余談ですが「クーラー」「エアコン」で、会議録を検索すると、市民館や公民館など他の公共施設に関してだけでなく、「新・三種の神器(カラーテレビ・クーラー・カー)」や、「家電リサイクル法」の文脈で登場することが、興味深かったです。

また、消防団車両のエアコン設置が、平成12年と近年なことにも驚きました。

西日本の水害に対応されている自衛隊車両にクーラーがついていないことが、最近ネットで何回か見ました。この酷暑に自衛隊員ですら、30人近くが熱中症やその疑いとなっているようです。
自衛隊員も熱中症相次ぐ 西日本豪雨の災害派遣:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASL7K533CL7KUTIL03B.html
過去の気候環境を前提とした価値観や、個人の体験談にとらわれず、命を守るためにはどうするべきかをしっかりと考えなくては。
では!