豊橋市議の長坂です。
「サイレントマジョリティー」で検索したらメジャーアイドルが出てきました。

さて、豊橋市議会では「陳情」という、市政について誰でも意見を提出できる制度があります。
市政などにご意見やご要望などがあるときは、どなたでも請願書や陳情書を市議会に提出することができます。
 - 請願・陳情について|豊橋市議会http://www.city.toyohashi.lg.jp/8134.htm
今回の定例会では、以下8件の陳情をいただきましたが、
  1. 自治体病院の経営の安定化を図るため「控除対象外消費税の解消を求める意見書」の提出を求める陳情(愛知県保険医協会 理事長)
  2. 豊橋市に「手話言語条例」の制定を求める陳情(豊橋市聴覚障害者協会 会長 他4人)
  3. 豊橋市受動喫煙防止条例(仮称)に関する陳情(中部愛煙の会 会長)
  4. 豊橋市受動喫煙防止条例(仮称)に関する陳情(中部たばこ耕作組合 組合長理事)
  5. 豊橋市受動喫煙防止条例(仮称)に関する陳情(愛知県たばこ販売協同組合 理事長)
  6. 豊橋市受動喫煙防止条例(仮称)に関する陳情(日本たばこ産業株式会社豊橋支店 支店長)
  7. 受動喫煙防止対策における小規模飲食店の事業継続に必要な措置を求める陳情(豊橋料理飲食事業協会 会長)
  8. 豊橋市に子ども条例の制定を願い市民版条例(改訂案)を付して行う3度目の陳情 (とよはし「子ども」スマイル会議 代表)
8件中5件が「受動喫煙防止」に関する陳情。
しかもうち、4件はタイトルまで同じ!

こんなことはなかなかないので、注目・関心の高さに驚きを隠しきれません。
そして、国にしても東京都にしても、最初声が大きかったのに、だんだんと縮小されたり、
「骨抜き」になったりしてしまうのは、こういう背景があるのかなどうなのかと、
その一端を垣間見た気もします。

一方で、豊橋市議会でなく豊橋市に対しては12月に、豊橋市医師会長豊橋市歯科医師会長豊橋市薬剤師会長連名で「受動喫煙防止対策の強化を求める意見書」が提出された新聞報道もありました。



先日、「喫煙者」が2割を切ったという調査が示されました。
成人喫煙者、初めて2割切る 厚労省調査 男女とも減少傾向 - SankeiBiz(サンケイビズ)
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/170704/mca1707040500001-n1.htm

「サイレントマジョリティー」や「声なき声」への気付きに努め、
耳を傾ける重要さは常に感じる一方、明確に発せられた「声」に対して、
気にしてしまう側面が、行政はもちろん、私にもあります。

今回いただいた5つの陳情について、それぞれでお読みいただき、
ご自身の「声」についてお考えいただく、ご参考になれば幸いです。

では!

(ご参考)
3 豊橋市受動喫煙防止条例(仮称)に関する陳情(中部愛煙の会 会長)
 たばこは酒、お茶・コーヒーとともに世界三大嗜好品の一つとして広く世界で愛されていますが、お酒嫌い、コーヒーアレルギーなどと同じように、たばこの臭いや煙が苦手という方もみえます。

 だからといって、たばこを全面排除することはいかがなものでしょうか。たばこは麻薬と違い合法商品です。たばこを排除するのではなく、たばこを吸われる人と吸わない人が共存できる「分煙環境」を目指すことこそ、正しい行政の方向であると考えます。

 また、国において、受動喫煙防止の議論がある中、豊橋市が率先して条例を検討する必要があるのでしょうか。国と市がおのおの規制することとなれば、市民や事業者は混乱します。そのため、少なくとも国と市で十分なすり合わせを行った上で検討を進めるべきであると考えます。

1 施設内禁煙の対象施設について
 先般、厚生労働省から公表された「「望まない受動喫煙」対策の基本的考え方」においては、医療施設、小学校、中学校、高等学校は敷地内禁煙であるものの、「屋外で受動喫煙を防止するために必要な措置がとられた場所に、喫煙場所を設置することは可」とされています。豊橋市の条例(案)におきましても、喫煙者への特段の配慮をお願いします。

2 屋内禁煙の対象施設について
 公共的な施設であっても、室外への煙の流出防止措置を講じた喫煙室であれば、喫煙可とすべきと考えます。

3 原則屋内禁煙について
 飲食店などほかのお店を選択利用できるものについては、「分煙」、「禁煙」ステッカー等により、お客の選択に任せるべきであると考えます。喫煙者はコーヒーやアルコールを嗜みながらの喫煙が至福のひとときであることから、喫煙専用室のみではなく、喫煙が可能な座席(全席喫煙や時間帯での分煙等)も許容すべきだと考えます。

以上、私どもは「愛煙家とたばこを吸わない人が相互理解の上に成り立った、より良い喫煙環境の実現」をスローガンに、たばこを吸われる方々と吸われない方々が協調して喫煙マナーを向上させ、「和の国 日本」らしい、お互いを思いやる喫煙ルール、分煙ルールができることが望ましいと考えます。

 よって、受動喫煙防止条例(仮称)の検討に際し、喫煙者の微意を酌み取り、次の事項について陳情します。

 記

1 「屋外で受動喫煙を防止するために必要な措置がとられた場所に、喫煙場所を設置することは可」とすること
2 公共的な施設であっても、室外への煙の流出防止措置を講じた喫煙室であれば、喫煙可とすること
3 喫煙専用室のみではなく、喫煙が可能な座席(全席喫煙や時間帯での分煙等)も許容すること

4 豊橋市受動喫煙防止条例(仮称)に関する陳情(中部たばこ耕作組合 組合長理事)
 当組合は近年の受動喫煙に関する意識の高まりや、オリンピック・パラリンピック開催都市での受動喫煙対策の在り方等を踏まえ、受動喫煙を防止するためのさまざまな取り組みについては、賛同しています。しかしながら、今般、豊橋市が公表した「豊橋市受動喫煙防止条例(仮称)制定に向けた意見募集」(以下「意見募集」)について、条例制定で影響を受ける我々業界に対し、十分な説明や意見集約もなく、条例制定の準備を進める豊橋市の動きに当組合としては非常に困惑しています。また、豊橋市を中心とする東三河地域で葉たばこ耕作を行う当組合としては、長年この地で営んできたことを、衰退に導くような条例制定は地元産業振興に反していると言えます。

1 意見募集の項目(考え方)の内容とたばこの定義について
 意見募集の項目(考え方)では、飲食店、宿泊施設、遊戯・娯楽施設、販売業などを「原則屋内禁煙」としており、一定要件を満たした喫煙専用室を設置することができるとされているものの、喫煙専用室の設置が可能な店舗、事務所等は限られており、実質上の屋内全面禁煙に等しい考え方であると言わざるを得ません。

 たばこは、たばこ事業法に規定された合法の嗜好品であり、過度な規制強化を行うのではなく、施設管理者や施設利用者がさまざまな選択肢を持てるような対策を講じていただきたいと考えています。

2 たばこの定義について
 意見募集の項目(考え方)では、たばこの定義について、特に明記されていませんが、加熱式たばこは燃焼による煙や副流煙が発生しないため、紙巻きたばこと同様に議論されるべきものではないと考えます。厚生労働省が示した「「望まない受動喫煙」対策の基本的考え方」においては、「加熱式たばこの受動喫煙による将来の健康影響を予測することは困難。このため、今後も研究や調査を継続していくことが必要。」とされています。そのため、加熱式たばこは条例の対象としない旨を明記すべきと考えます。

3 多様性・自主性の尊重について
 葉たばこ耕作農家51戸で構成する当組合では、たばこを吸われる方と吸われない方及び各事業者の多様性、自主性が尊重され、それぞれが「自由に選択できる」仕組みとなることを希望しており、今回の意見募集の項目(考え方)は明らかに行き過ぎた内容と言わざるを得ません。

 よって、過度で一律的な規制強化を行うのではなく、喫煙者と非喫煙者が調和できる分煙社会の実現、すなわち分煙先進国の実現を目指した対策となるよう、次の事項について陳情します。

 記

1 今回示された「豊橋市受動喫煙防止条例(仮称)制定に向けた意見募集」の内容は納得できるものではないため、「豊橋市受動喫煙防止条例(仮称)」については制定しないこと

5 豊橋市受動喫煙防止条例(仮称)に関する陳情(愛知県たばこ販売協同組合 理事長)
 当組合は、愛知県内約1,200店の中小零細なたばこ店で組織しています。

 私どもの組合員は、長年、愛煙家のみならず地域社会において「街の灯台」として親しまれ、地方の財政に貢献してきたと自負していますが、その自信と誇りは、たばこを取り巻くさまざまな環境変化により奪われつつあり、また、経営においても大変苦しく、年々悪化の一途をたどっています。現在、我々も健康増進の観点から受動喫煙を防止することに異論を唱えるものではなく、取り組みや趣旨に賛同し、受動喫煙防止への取り組みを行っています。

 平成28年度の実績で、豊橋市で25億9,146万円のたばこ税収があり、豊橋市の財政に多大な貢献をさせていただいているものと自負しています。
もし、受動喫煙防止条例が制定されると、喫煙者の皆様の消費機会喪失の影響により、我々たばこ販売店における売り上げ減少が今まで以上に加速することが容易に予測され、たばこ税収の減少も懸念されます。このことは、市民の皆様にお役立ていただく予算にまで影響を及ぼすこととなります。ぜひ、多面的な観点から御議論いただき、一律的に過度な受動喫煙防止条例を制定されないようお願い申し上げます。

1 敷地内及び施設内禁煙について
 目的、受動喫煙による健康影響を未然に防止し、市民の健康の確保をするとされている方向性については支持します。

 ただし、公共的施設の敷地内及び施設内禁煙等の行き過ぎた喫煙規制が条例化されますと、喫煙機会が減り、販売数量が減少することは火を見るより明らかであり、たばこ小売店としての生活が脅かされます。

2 分煙の推進について
 我々は、地方自治体と協働で庁舎等に喫煙場所を設置し、各自治体から受動喫煙防止及び環境美化に貢献していると一定の評価をいただいています。豊橋市がこれまで行ってきた禁煙、防煙対策について、より禁煙を強化するのではなく、分煙を推進することを支持し、協力を惜しむものではありません。効果のある喫煙室であれば、十分に受動喫煙防止対策になり得ると考えます。

 以上から、豊橋市受動喫煙防止条例(仮称)の基本的な考え方は「禁煙」で明らかに行き過ぎであり、到底受け入れられるものではありません。

 私どもは、「禁煙より分煙を 目指せ、分煙」をスローガンに、たばこを吸われる方々と吸われない方々が協調して共存できる調和ある社会が実現できることが望ましいと考えることから、次の事項について陳情します。

 記

1 公共的施設等の敷地内及び施設内においても喫煙を認めること
2 受動喫煙防止対策の推進に当たっては、たばこを吸われる方々と吸われない方々が協調して共存できる調和ある仕組みとすること

6 豊橋市受動喫煙防止条例(仮称)に関する陳情(日本たばこ産業株式会社豊橋支店 支店長)
 当社は望まない受動喫煙を防止するためのさまざまな取り組みについては賛同しており、分煙環境の整備やマナー啓発活動等を実施しているところです。「豊橋市受動喫煙防止条例(仮称)」の検討に当たり、十分に市民や事業者等の意見を聞くなど、慎重に検討を経る必要があるものと考えています。今般公表された「豊橋市受動喫煙防止条例(仮称)制定に向けた意見募集」における項目(考え方)(以下「項目(考え方)」について、当社の意見を述べさせていただきたいと思います。

1 「2 方向性」について
 受動喫煙が慢性疾患の原因であるという主張については、さまざまな疫学研究が報告されていますが、リスクが上昇するという報告と上昇するとは言えないという報告の両方があり一貫しておらず、受動喫煙と非喫煙者の疾病発生率の上昇との統計的関連性は立証されていないものと私たちは考えています。そのため、「疾病予防の観点から」の記載は削除されるべきと考えます。

 ただし、乳幼児及び子どもの周辺では喫煙すべきではありません。乳幼児及び子どもは心身の発達過程にあり、加えて場所を移動するなど、みずから環境を選択することや自分で意思表明をすることが困難です。また、未就学期における環境中たばこ煙への曝露とぜんそくの悪化等の呼吸器症状との関連性について報告した疫学研究も多数存在しています。

 なお、お年寄りなど環境中の物質による刺激に対して敏感である方々の周りでの喫煙にも特段の配慮が必要と考えています。


2 「3 用語の定義」について
 受動喫煙の定義について、健康増進法第25条においては、「受動喫煙(室内又はそれに準ずる環境において)」とされています。項目(考え方)では敷地内の禁煙を求めており、それに応えるべく屋外に喫煙場所を設けることも想定されるため、項目(考え方)での受動喫煙の定義に関しても、「室内又はこれに準ずる環境において」等の屋外は対象としない旨を明確に表記すべきです。

 また、たばこの定義について、項目(考え方)では特に明記されていませんが、当社は受動喫煙の健康への影響について、たばこ葉を燃やすたばこ製品と加熱式たばこは異なるものと考えています。

 例えば、当社製品の加熱式たばこから発生するたばこベイパーには、紙巻きたばこの煙に含まれる健康懸念物質はほとんど含まれていません。また、当社製品の加熱式たばこの使用は室内影響に影響を及ぼさないため、周囲の方々への健康に対して、実質的に影響を与えるものではないと考えます。

 このように、加熱式たばこについては、紙巻きたばこと同様に議論されるべきではなく、加熱式たばこの健康影響に関する科学的エビデンスに基づいて規制が検討されるべきです。よって、たばこの定義を記載の上、加熱式たばこは対象としない旨を明確に表記すべきです。

 なお、厚生労働省の「望まない受動喫煙」対策の基本的考え方においては、「加熱式たばこの受動喫煙による将来の健康影響を予測することは困難。このため、今後も研究や調査を継続していくことが必要。」と現時点で評価されています。


3 「7 敷地内禁煙の対象施設」、「8 屋内禁煙の対象施設」、「9 原則屋内禁煙の対象施設」について
 当社としましても、受動喫煙防止対策を推進していくことは重要であると認識しています。一方で、対策の推進に当たっては、「たばこを吸われる方、吸われない方及び各事業者の多様性・自主性が尊重され、それぞれが自由に受動喫煙防止の環境を選択できる仕組みとなること」が重要であると考えています。

 項目(考え方)がこのまま施行された場合、さまざまな業種業態の施設管理者の方や事業者の方の実情が考慮されていない一律厳格な規制をかける内容となり、合理的かつバランスの取れたものにはならない懸念があります。

 当社としましては、利用者が望まない受動喫煙を未然に防止するための対策として、各施設が喫煙可、分煙、禁煙等の施設内の喫煙環境を示す表示を 徹底することが有効な手法であると考えます。

 当社が有する加熱式たばこや分煙等の知見提供、分煙コンサルティング活動を通じて、引き続き、豊橋市の受動喫煙防止の取り組みに積極的に協力させていただきます。

 これからも、当社はたばこを吸われる方と吸われない方が協調して共存できる社会の実現に向け、受動喫煙防止対策を一層推進していくため、喫煙マナーの啓発や希望される事業者の方々への分煙コンサルティング、喫煙ルールの店頭表示の普及等を進めてまいります。
以上を踏まえ、次の事項について陳情します。

 記

1 方向性について、「疾病予防の観点から」の記載は削除すること
2 用語の定義について、受動喫煙の定義については、「室内又はこれに準ずる環境において」等の屋外は対象としない旨を明確に表記すること。また、たばこの定義を記載の上、加熱式たばこは対象としない旨を明確に表記すること
3 敷地内禁煙、屋内禁煙、原則屋内禁煙の対象施設について、たばこを吸われる方、吸われない方及び各事業者の多様性・自主性が尊重され、それぞれが自由に受動喫煙防止の環境を選択できる仕組みとなること

7 受動喫煙防止対策における小規模飲食店の事業継続に必要な措置を求める陳情(豊橋料理飲食事業協会 会長 他5人)
 現在、国においては2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、受動喫煙対策の強化を含む健康増進法改正の準備が進められていることが報道されています。厚生労働省のホームページには、「望まない受動喫煙」対策の基本的な考え方として、第一に「「望まない受動喫煙」をなくす」、第二に「受動喫煙による健康影響が大きい子ども、患者等に特に配慮」、第三に「施設の類型・場所ごとに対策を実施」が示されており、これに基づくものと思われます。

 この第三の基本的な考え方においては、既存の飲食店のうち経営規模が小さい事業者が運営するものについては、事業継続に配慮し必要な措置を講ずる、ということも説明の中に示されています。

 豊橋市においても「健康とよはし推進計画(第2次)」の2018年度からの改訂が予定されており、この中では受動喫煙防止対策の強化が含まれるとのことであり、条例による対策も検討されていると聞き及んでいます。市民の健康増進のために受動喫煙の防止対策は必要なことと考えます。

 しかしながら、小規模飲食店においては、喫煙室をつくるスペースの余裕もなく、厳しい経営環境の中にあっては設備投資をする余力もありません。規制の強化により小規模飲食店が店内全面禁煙ということになれば、喫煙設備を持つ大きな飲食店にお客様が流れてしまうことが危惧されます。このことはぎりぎりの経営状態にある小規模飲食店には存亡にかかわる重大な問題となります。

 よって、豊橋市内の小規模飲食店の存続のために、受動喫煙防止対策の推進に当たっては必要な措置を講じていただくよう、次の事項について陳情します。

 記

1 豊橋市の受動喫煙防止対策の強化において、国で予定されている健康増進法の改正で定められる小規模飲食店の事業継続に必要な措置が、本市においても確実に実施すること