豊橋市議の長坂です。
「陸王」ロケ展、やってます。
豊橋で「陸王」のロケ展(CBCテレビ) - Yahoo!ニュース
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180213-00005833-cbcv-l23
さて、本日2月16日に、豊橋市の新年度(平成30年度)の「予算」が発表されました。
「予算」というのは「来年度1年でこんなことをやりたいです」というものです。

市制110周年であったおととしや、
奨学金や新アリーナなどの話が出てきた昨年と違って、
平成30年度予算については、あまり大きな「目玉」的なものは、
現在見受けられらない様子です。

派手で目玉的なものが、必ずしも良いわけでないので、
それについて否定的なつもりもありません。

明日の新聞記事の見出しを予測するつもりで、
新しい施策をいくつかピックアップします。



必ず見出しになるであろうのが、予算額です。

総額は1312億円で過去最大(一般会計)。
これは間違いなく見出しになるでしょう。

細かい話をすると、別会計(特別会計)であった介護保険事業が、
新年度から東三河広域連合事業に移る予定があり、
その影響が大きいのですが、その影響を差し引いても
昨28年度より増えています。



そして、個別事業で最も見出しになりそうのが、
「◎豊橋フルマラソン大会の可能性調査(p22)」
(※カッコ内の数字は「予算概要説明資料」のページ数)
フルマラソン大会の開催実現に向けて、県内外で開催されているフルマラソン大会の事例を調べるとともに、本市における想定コースや開催経費、課題と対応策を検討
ドラマ「陸王」ロケの影響が大きいと思いますが、
世間一般では、マラソン大会「ブーム」のピークは過ぎたという見方が増えています。
下記は1年前の記事です。
ランナー置き去り 市民マラソン、バブル崩壊:日本経済新聞

国内最大のマラソン大会、東京マラソンを2月26日に控え、今年も市民マラソンの季節が本格的に始まる。自治体などが誘致するマラソン大会は増える一方だが、それを支えるランナー人口が減少に転じていることはあまり知られていない。マラソン大会に「供給過剰」のひずみが出始めている。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO12775770Q7A210C1000000/
早くても、豊橋フルマラソンが実現するのは、平成31年度以降になるため、
2年も経てば「陸王」の記憶も薄らいでしまうでしょう。

このような中「勝算」があるのか、しっかりと議会で聞きたいと思います。



続いての見出し候補。

「◎とよはし2040構想の策定(p19)」
「◎シンクタンク機能の新設(p19)」

ほぼ同じ部署(政策企画課・地方創生推進室)の関連する施策なので、併記しました。
2040年頃をターゲットに社会構造の変化に対応した市政のあり方や対応策を検討
将来を見据えた政策を立案できる体制強化を図るため、シンクタンク機能を有する部署を庁内に設置
  • アンケート等による基礎資料の収集、調査
  • 基礎資料の分析、政策立案
  • 各部署の相談対応を支援
ぼくはこれはとてもよいことだと思います。
昨年、経産省若手が作成した資料が異例中の異例の注目を集めました。
経産省若手の資料が異例の100万DL 政策化へ民間との意見交換始まる #立ちすくむ国家WS
https://www.buzzfeed.com/jp/daisukefuruta/civic-in-japan
不安な個人、立ちすくむ国家
経産省若手プロジェクト
文藝春秋
2017-11-30

下記URLより無料でダウンロードできる資料にも関わらず、書籍化まで。
(PDF)http://www.meti.go.jp/committee/summary/eic0009/pdf/020_02_00.pdf

見たくない現実、将来に向けてもしっかりと見据えて、
対応策を検討いただきたく、大いに期待します。
「シンクタンク」と併せ、名折れにはなってほしくありません。

また、同部署は新年度「攻めた」施策を他にも出しており、
こちらも併せて紹介します。

移住体験ツアーの開催(p19)
主に首都圏在住の女性を対象として、実際に本市へ訪れてもらい、体験や交流を通じて仕事や暮らし等地域の魅力を伝え、移住につなげるツアーを開催
学生がつくる企業PRデザインコンテスト(p19)
若者の視点で地元企業のPRを図るため、学生等が考案する企業PRデザインコンテストを開催


最後にご紹介するは、こちら。
「◎子育て世帯生活支援事業(p29)」
シルバー人材センターが実施する子育て世帯の家事等の支援サービス事業に対して補助し、子育て世帯の支援を通じて高齢者の就業機会を拡大
既に60歳以上向けの日常生活支援「ワンコインサービス」があります。
180216_one_coin1
180216_one_coin2
http://www.sjc.ne.jp/toyohashi/work/one_coin.html

他方、主として子育て世帯を対象としたサービスはなかったのですが、
新年度は「家事等の支援サービス」メニューが新設される様子。

派手さはないので、見出しにはなりにくいですが、
とてもよい取り組みになるんじゃないかと思います。

過去に議会で、家事代行などのシェアリングサービスについて質問したこともあり、
ぜひうまいマッチングの方法も考えていただくことも期待しています。



最後に資料から直接には見つけられないのですが、大きなことをひとつ。

今年度まであった「高齢者社会参加援護事業」、
いわゆる「高齢者パス」が豊橋市でも大きく見直されることになりました。

これまでは原則「70歳以上」の全ての方が対象であったのが、
「70歳以上の市民税非課税世帯の方」が対象になりました。

これまでは総額が1億2341万円(H29)ほどであったものが、
対象者が少なくなるため、大きく削減される一方、
対象の方おひとり当たりの補助額は、増額される見込みです。
(2000円or4000円/人⇒5000円/人)
名称も「◎高齢者移動支援事業(p29)」となります。

自分自身、過去の議会で何度も見直しについて質問していたこともあり、
これまでも地域の集まりで高齢者が多い会などでは、
「市の財政も厳しい中、少しでも子どもたちのために、お金を使えればと」
と頭を下げ、理解を求めて参りました。

そのときは、みなさん笑顔でいてくださり、
豊橋の方々は本当に優しいと思いました。

「これまでもらえたものが、もらえなくなる」

というものは反発もこわく、市役所からしても、
なかなかやめられないものですが、
今回の決断には、大きく敬意を表したいと思います。

「もらえなくなる」方々におかれましても、
ご理解いただければ、と存じます。

では!