豊橋市議の長坂です。
ライブラ(天秤座)のクロス(聖衣)が好きでした。
さて、ユニチカ跡地の今後について、よく聞かれるのが次の2点です。
■
まず、今回の裁判結果を受けて、ユニチカ跡地が豊橋市に戻ってくるかと言えば、
「かなり難しい」です。感覚的には5%未満、1%も切るかもというくらいです。
ユニチカ跡地は、既にユニチカ社から「大手住宅メーカー」に売却され、
もちろん所有権も、その大手住宅メーカーに移っています。
ユニチカ社の土地売却について、裁判所は「不法行為」としてしていますが、
「善意の第三者」というのは、わかりやすく言えば、
「知らなかったのなら仕方がない。買った人はわるくないよ」という考え方です。
例えば、あなたがネット通販やリサイクルショップで買ったものが、
あとから盗品が出品・販売されたものだとわかったとします。
でも、もしそれを買ったときに、あなたがその商品が「盗品」だと知らなければ、
買ったあなたに責任はない(返さなくてもよい)、という考え方です。
■
裁判所の判決は、
「豊橋市長がユニチカに対して63億円を請求しなさい」
というものです。
土地の返還を請求するのでなく、
その売却益であるお金(63億円)の請求を命じていることからも、
裁判所は大手住宅メーカーを何も知らなかった「善意の第三者」と、
判断している可能性が高そうです。
では、大手住宅メーカーが本当に「知らなかった」かどうかは、わかりません。
なんといっても63億円という超大型の取引です。
当然に、法律の専門家なども交えて、購入決定まで慎重な判断をされたと思われます。
また、ユニチカ社側は、土地に関する過去の経緯を把握していたからこそ、
豊橋市長に事前に「説明」をしていたので、
一定の法的リスクを認識していたと推測されます。
この法的リスクを土地の売却にあたり、
もしも、仮に、ユニチカ社が大手住宅メーカーにも共有していたとすれば、
この場合でも、大手住宅メーカーが「善意の第三者」とみなされるかどうかはわかりません。
■
そうは言っても、ユニチカ跡地は、既に住宅地化に向けて、
既存建物の解体や土壌改良などの土地整備を、
大手住宅メーカーが進めている(もちろんお金をかけて)ので、
「63億円で売ったのだから、63億円で返してほしい」
と言っても、それは通らない話でしょう。
そういうことを勘案しても、
「ユニチカ跡地が豊橋市に戻ってくること」
は、非常に難しいと言わざるを得ません。
だからこそ、ユニチカ社から「説明」があった時点で、
返還請求をしなかった市長の責任は重いです。
交通の便もよい市街地に、あれだけ広大な土地が「まとまって」あることには、
将来に向けた豊橋のまちづくりの可能性、選択肢を考えると、
やはり大きな大きな価値がありました。
しかし今後は、主に住宅として、細かな土地に分けられて販売されていく予定です。
■
では、他の土地活用の仕方は、どんなものがあったのか、
万が万が一、土地が豊橋市に戻ってきたとして、そこに「モール」がつくれるのか。
こちらも非常に難しいです。
地元、特に近隣にお住まいの方はご存知と思いますが、
ユニチカ跡地の近くを走る国道259号線は、今でも渋滞が多く、
豊橋市のまちづくりの大きな課題になっています。
(南北に走る縦の黄色い線が、国道259号線)
また、259号線からユニチカ跡地に至る道も、
交通量の割に細い道が多いです。
そのため、この場所に大型集客施設をつくることは、非常に困難な立地です。
モールなどの大型商業施設だけでなく、大型病院なども道路事情から難しいでしょう。
元が工場であったので、同じく工場などオフィスワーク施設や、
学校(大学)などであれば可能だったかもしれません。
■
豊橋市でも、空き家対策に関する条例の制定に向けて動いているほど、
日本全国と同じように、空き家の増加も課題となっている中、
他方で更に住宅の供給を進めるのか、という考え方もある一方、
では、この広大な土地について住宅以外、他の活用方法があったのか、
工場にしても、学校にしても、買い手や借り手がいたのか、
と言われれば、わかりません。
■
煮え切らない答えになってしまい、申し訳ありませんが、
これを機に、土地事情や道路事情について、
豊橋市にご関心いただけるきっかけとなれば幸いです。
では!
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http://nagasakanaoto.blog.jp/tag/ユニチカ
ライブラ(天秤座)のクロス(聖衣)が好きでした。
さて、ユニチカ跡地の今後について、よく聞かれるのが次の2点です。
- ユニチカ跡地は、もう戻って来ないのか?
- あそこにモールをつくってほしい!
■
まず、今回の裁判結果を受けて、ユニチカ跡地が豊橋市に戻ってくるかと言えば、
「かなり難しい」です。感覚的には5%未満、1%も切るかもというくらいです。
ユニチカ跡地は、既にユニチカ社から「大手住宅メーカー」に売却され、
もちろん所有権も、その大手住宅メーカーに移っています。
ユニチカ社の土地売却について、裁判所は「不法行為」としてしていますが、
判決で市原裁判長は、ユニチカが土地の返還義務があるにもかかわらず第三者に売却したのは市の利益を侵害した不法行為に当たると指摘
買い取った「大手住宅メーカー」も、不法行為にあたるかどうかは、わかりません。
それは法律に「善意の第三者」という考え方があるからです。
それは法律に「善意の第三者」という考え方があるからです。
「善意の第三者」というのは、わかりやすく言えば、
「知らなかったのなら仕方がない。買った人はわるくないよ」という考え方です。
例えば、あなたがネット通販やリサイクルショップで買ったものが、
あとから盗品が出品・販売されたものだとわかったとします。
でも、もしそれを買ったときに、あなたがその商品が「盗品」だと知らなければ、
買ったあなたに責任はない(返さなくてもよい)、という考え方です。
■
裁判所の判決は、
「豊橋市長がユニチカに対して63億円を請求しなさい」
というものです。
土地の返還を請求するのでなく、
その売却益であるお金(63億円)の請求を命じていることからも、
裁判所は大手住宅メーカーを何も知らなかった「善意の第三者」と、
判断している可能性が高そうです。
では、大手住宅メーカーが本当に「知らなかった」かどうかは、わかりません。
なんといっても63億円という超大型の取引です。
当然に、法律の専門家なども交えて、購入決定まで慎重な判断をされたと思われます。
また、ユニチカ社側は、土地に関する過去の経緯を把握していたからこそ、
豊橋市長に事前に「説明」をしていたので、
一定の法的リスクを認識していたと推測されます。
この法的リスクを土地の売却にあたり、
もしも、仮に、ユニチカ社が大手住宅メーカーにも共有していたとすれば、
この場合でも、大手住宅メーカーが「善意の第三者」とみなされるかどうかはわかりません。
■
そうは言っても、ユニチカ跡地は、既に住宅地化に向けて、
既存建物の解体や土壌改良などの土地整備を、
大手住宅メーカーが進めている(もちろんお金をかけて)ので、
「63億円で売ったのだから、63億円で返してほしい」
と言っても、それは通らない話でしょう。
そういうことを勘案しても、
「ユニチカ跡地が豊橋市に戻ってくること」
は、非常に難しいと言わざるを得ません。
だからこそ、ユニチカ社から「説明」があった時点で、
返還請求をしなかった市長の責任は重いです。
交通の便もよい市街地に、あれだけ広大な土地が「まとまって」あることには、
将来に向けた豊橋のまちづくりの可能性、選択肢を考えると、
やはり大きな大きな価値がありました。
しかし今後は、主に住宅として、細かな土地に分けられて販売されていく予定です。
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では、他の土地活用の仕方は、どんなものがあったのか、
万が万が一、土地が豊橋市に戻ってきたとして、そこに「モール」がつくれるのか。
こちらも非常に難しいです。
地元、特に近隣にお住まいの方はご存知と思いますが、
ユニチカ跡地の近くを走る国道259号線は、今でも渋滞が多く、
豊橋市のまちづくりの大きな課題になっています。
(南北に走る縦の黄色い線が、国道259号線)
また、259号線からユニチカ跡地に至る道も、
交通量の割に細い道が多いです。
そのため、この場所に大型集客施設をつくることは、非常に困難な立地です。
モールなどの大型商業施設だけでなく、大型病院なども道路事情から難しいでしょう。
元が工場であったので、同じく工場などオフィスワーク施設や、
学校(大学)などであれば可能だったかもしれません。
■
豊橋市でも、空き家対策に関する条例の制定に向けて動いているほど、
日本全国と同じように、空き家の増加も課題となっている中、
他方で更に住宅の供給を進めるのか、という考え方もある一方、
では、この広大な土地について住宅以外、他の活用方法があったのか、
工場にしても、学校にしても、買い手や借り手がいたのか、
と言われれば、わかりません。
■
煮え切らない答えになってしまい、申し訳ありませんが、
これを機に、土地事情や道路事情について、
豊橋市にご関心いただけるきっかけとなれば幸いです。
では!
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http://nagasakanaoto.blog.jp/tag/ユニチカ