豊橋市議の長坂です。
どの政党にも所属していません。

(追記)
熟考の末、2019年2月26日付で、中村たつひこ氏への支持を表明しました。
(追記おわり)

さて、市議の杉浦さんに続き、まさか中村さんまでも県政へ。
豊橋市議・中村氏が県議選出馬へ | 東日新聞
来年4月の県議選豊橋市選挙区(定数5)に、豊橋市議の中村竜彦氏(38)=自民=が立候補する意向を明らかにした。
http://www.tonichi.net/news/index.php?id=65584
前回2015年の選挙では、直前まで無投票と思われていた豊橋地区の県議選、今回は早くも激戦の模様を呈してきました。現在の県議はこの5名の方(政党・年齢は2015年4月当選時)
  1. 浅井由崇さん(53歳)民主 - 25,637票 当選3回
  2. 鈴木孝昌さん(70歳)自民 - 22,748票 当選5回
  3. 丹羽洋章さん(46歳)自民 - 20,128票 当選1回
  4. 渡会克明さん(62歳)公明 - 16,443票 当選5回
  5. 下奥奈歩さん(27歳)共産 - 14,057票 当選1回
5番目の下奥さんは、早くも続投表明を地元紙で見ました。
2番目の鈴木さんは「私もしっかり支える一人になる」と杉浦さんの表明があった新年会でおっしゃったことを、東愛知新聞(1月15日付)が報じています。

残る御三方、浅井さん、丹羽さん、渡会さんも続投でしょうから、少なくとも自民3名、民進(?)1名、公明1名、共産1名の計6名で、5議席を争う選挙戦が目されます。

うーん、杉浦さんも中村さんも大変だ。。



中村さんとは、1,2回二人で飲んだことがあります。

というよりも、今考えたら現職市議の中で、1対1で飲んだことがあるのは中村さんだけでした。
しかも最初は中村さんからお声掛けをいただき。。

なので、そのあたりは割り引いて読んでいただければよいと思います。
議会を通じて見る、中村さんについて。

まずぼくは中村さんに感謝しているエピソードがあります。

平成27年(2015年)の9月議会で、おそらく市議会ではじめて、
「(教育環境の向上のため)児童数の減少に合わせて、学校数を減らすべき
という趣旨の質問をしました。

なぜこれまでそのような質問がなかったか。
そのひとつに豊橋では市議が校区の代表者のような位置づけになってしまっていることが察せられます。

その端緒な例として、前回の選挙直前の地元紙です。
 地域別でみると、市中心部に当たる中部地区では、ともに自民系の伊藤篤哉氏(校区・松葉)と佐藤多一氏(同)、公明の宮澤佐知子氏(新川)、自民系の渡辺誠氏(向山)の現職に、ともに自民系新人の福井靖氏(新川)と二村真一氏(松山)が挑む。
 校区は違うが、中心部のまちづくりに関わりのある新人の長坂尚登氏(中野)も名乗りを上げており、中部は票の奪い合いになる可能性もある。
http://toyohashi.mypl.net/mp/higashiaichinews_toyohashi/?sid=31921
ぼくは当時この記事を見てびっくりしました。

なんとなく「校区の代表的な立ち位置」というは知っていましたが、公に新聞が書くほどであったとは。ちなみに豊橋市は、どの有権者が住んでいる地域に関係なく誰に投票してもいい「大選挙区制」です(※浜松など政令市だと、市内に選挙区ができて県議選のような「中選挙区制」になります)。

そして、多くの候補が校区(自治会)から「推薦」をもらうという慣習があります。
ちなみにぼくはどこからもいただきませんでした。もちろん、いただけるものならいただきたかったですが、僕が活動していたまちなか(市中心部)も住んでいたところも、もう先輩がいらっしゃいましたので(だから記事中のカッコ内の校区名は、推薦の有無でなく、居住地を元にした記載と思われます)。

閑話休題。

ですから自らの地盤を「崩す」ような質問は誰もできなかったのかと。
でもこれはもう目を背けていられない、もう考えないといけない話なので、だからぼくが質問しました。

それから1年と少し、翌年の12月議会で中村議員から、驚きの質問と発言が。
◆ 中村竜彦議員
次に、大きな2問目として、人口減少時代における市立小学校の統廃合の考え方について伺います。

人口減少の一番の要因は、少子化であります。子どもの数が減れば、その分今までどおりの教室が要らなくなり、教員も必要がなくなり、学校の統廃合が検討されるのは当然の流れと言えば当然です。

しかしながら、学校の通学区域は、機械的に地図に線引きをし子どもを振り分ければよいというものではありません。日本において、特に本市においては、その傾向が顕著だと感じますけれども、その地域ごとの学校を中心に自治会が組織され、行事やごみステーションの管理、消防団から子ども会、老人会まで、地域のコミュニティが学校を中心とする校区単位で営まれているのも事実であります。子どもだけ、その保護者だけという問題ではない、地域の住民感情とも関連しております。

だから、なかなか触れられない、できれば触れたくない、一種のタブーのような空気感すらあるわけで、なかなか突きたくないところの一番槍を突くところは勇気がいることだったろうと思うわけですけれども、ことしに入って、長坂議員によって一般質問で取り上げられました

【平成28年12月定例会-12月06日】
自分の名前が出たときは、耳を疑い、目が点になりました。
しかも全くの皮肉でない、賛辞とともに。

ぼくみたいなひとり野党の主張に対し、最大会派・市長与党の若手ホープ中堅議員、しかも「ザ・校区代表」のような中村さんが追い風をつくるとは、これがどれほど驚きをもって迎えられることかは、少し詳しい方ならよくわかると思います。

ぼくはこのときから中村さんを見る目が大きく変わりました。
自分の支持者・支援者だけでなく、市全体としてどうしたらいいかを考える人だ、と。



そして、もうひとつ驚いたのが、同じこの議会でしたもうひとつの質問です。

この定例会から、一問一答ができるようになりました。
これまで議員質問⇒市役所答弁が3往復までだったのが、時間内であれば無制限となりました。

このはじめての一問一答で、なんと中村さんは7往復も。

しかも市役所の答弁が基本的に前向き。こういう答弁を引き出せているというのは、ぶっつけ本番でなく、きちんと7往復分の調整を事前に担当課としていたということです。これがどれだけ大変なことか・・・

そして最後、締めの提案もすごかったです。テーマは、
人口減少時代における市営住宅の今後について
文末にダイジェストをお届けします。

その前に、もうひとつこの議会ですごかったのはパネル。
180121_01
引用:豊橋市議会インターネット映像中継サイト
http://www.toyohashi-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=476

ブログ用に中村議員からデータをいただきました。
市内小学校校舎の耐用年数(表)
180121_02
1マス5年、青色が築45~60年、赤色が60~80年。
目安として大規模改修が築30年(オレンジと水色の境目)と、60年(青と赤の境目)
解体(建替)が80年、でたくさんお金がいる時期。

そして、市営住宅の耐用年数(表)
180121_03
こちらも1マス5年で、耐用年数は70年。

とてもわかりやすい表で、でもつくるのは大変だったろうと。
特に小学校については、過去にぼくも問い合わせたときに情報が整理おらず、
「げげっ」と思ったので、本当によく(そしてきれいに)まとめられた、と。



では、質問7往復のダイジェストです。
人口減少時代における市営住宅の今後について

◆中村竜彦議員
大きな1問目として、人口減少時代における市営住宅の今後について、以下の3点について伺います。
 (1)市営住宅が果たすべき役割と人口減少時代における課題認識について
 (2)今後、市営住宅として供給されるべき適正戸数の認識について
 (3)「豊橋市市営住宅ストック総合活用計画」により用途廃止と判定された市営住宅の今後の跡地利用策について
◎市役所(建設部長)
まず、(1)市営住宅の役割と課題認識でございますが、市営住宅は住宅に困窮する低所得者に良質な住宅を低廉な家賃で提供するものであり、経済的な困窮や高齢、障害などの理由から民間賃貸住宅への入居を拒否されるなど、必要な住宅を自力で確保できない真の住宅困窮者が自立できるよう、生活の基盤となる住宅セーフティネットの中核を担うものと考えております。(略)

次に、(2)適正戸数の認識でございます。
住宅セーフティネットにつきましては、公営住宅の枠組みだけではなく、公的賃貸住宅や民間の賃貸住宅も含めた全体で構築する必要があると考えております。こうしたことから、民間賃貸住宅の状況や人口の減少、社会情勢などを考慮すると、今後、市営住宅として求められる戸数については減少するものと考えております。

次に、(3)今後の跡地利用策についてでございます。
跡地利用につきましては、跡地周辺の地域特性や敷地の状況を考慮しつつ、本市にとってどのような利活用が最も望ましいか、将来的な展望も含め、豊橋市住宅マスタープラン庁内推進会議などで検討し、全庁的な対応をしていきたいと考えております。

◆中村竜彦議員
(略)市営住宅は、豊田市であっても岡崎市であっても、一宮市であっても2,000戸台であるのに対して、豊橋市は4,011戸と突出しているわけでありますが、これは単純に、ぱっと見て、供給過多ではないのかと思われるわけですけれども、当局の認識について伺います。
◎市役所(建設部長)
昨年度1年間の募集状況から見ますと(略)入居希望者が全て入居できるという状況ではなく、現在においては供給過多ではないものと認識しているところでございます。

◆中村竜彦議員

(略)大事なのはその応募者、すなわち需要が、市営住宅のそもそもの目的とする対象者なのかということであります。公営住宅法で言うところの住宅に困窮する低所得者に提供するために、4,000戸が妥当なのでしょうかということであります。

そして、さらに言えば、困窮する低所得者ということであれば、その困窮者には生活保護が支給されているのであって、実際には生活保護を受けながらも市営住宅ではなくて市場の賃貸住宅にお住まいの方も多くお見えであります(略)

探せばなかなか低価格なところがあったのだなと、今さらながらに思うわけですけれども、人口減少は民間賃貸住宅を経営するオーナーさんにとっても空室リスクを与えているのだなと(略)

このような市の民間賃貸住宅事情において、それでもなお市場で確保できないという住宅困窮者がどれだけ本市にいるかということを、行政当局としてどのように把握されているのでしょうか。伺いたいと思います。
◎市役所(建設部長)
生活保護世帯のうち、家賃額を住宅扶助費として受給してる世帯、現在、市営住宅に約180世帯が入居されております。しかしながら、この世帯の方々が民間住宅への入居が可能か否かの把握ということはしておりません

◆中村竜彦議員
民間住宅への入居が可能か否かの把握はしておられないということでありました(略)それをやらなければ、供給すべき適正戸数などというのは数字としてわかりっこないわけであります。(略)

市営住宅は、これまで高度経済成長期の人口が都市に流入して生じる著しい住宅不足の解消であるとか(略)その主な役割というのは現代においてはほぼ終わったのではないかというように思うわけですけれども、当局としてどのように認識されているのか伺います。
◎市役所(建設部長)
議員の言われるとおり、市営住宅の役割は、現在では住宅事情の改善といった意味合いは薄れているものと考えております。
 その後の急速な高齢化の進展など、経済社会状況の変化に対応し、高齢者や障害者など、真に住宅に困窮する者に対するセーフティネットとしての機能へと役割が変化しているように感じております。

◆中村竜彦議員
真に住宅に困窮する者へのセーフティネットであると。例えば、独居老人だとか障害者など、差別はあってはなりませんけれども、賃貸物件の市場にどんなにゆとりがあったとしても確保ができない例というのはあるのかということは、確かに推察ができるところです。(略)

このデータを一見する限り(略)その大半を15歳から64歳の現役世代が占めていることがわかります。

(略)世帯別に、現役だけの世帯は市営住宅の中でどれだけの割合だと把握をされているのか伺います。
◎市役所(建設部長)
市営住宅の入居世帯で考えますと、現在約3,700世帯が入居しております(略)約13%が現役世代だけで構成されている世帯と分析しているところでございます。

◆中村竜彦議員
(略)先ほども申しましたとおり、本当に民間では確保できない真の住宅困窮者なのかという点はひっかかります。

先ほどの答弁ですと、民間住宅への入居が可能か否かの把握はしておられないということでありましたが、これらへの対策はどのように考えておられるのか、お伺いします。
◎市役所(建設部長)
真の住宅困窮者が優先して入居できるよう、今年度より困窮度判定による募集も開始したところでございます。困窮度判定により、より困窮度合いが高い方が入居しやすくなるというように考えているところでございます。

◆中村竜彦議員
(略)人口が減れば、自然に需要も減ります。それに反比例をして、これまで人口増加に合わせて建てられてきた民間の賃貸住宅は供給過多となり、その入居者を失って空室が増加することは明白であります。

(略)今後においては、市営住宅の耐用年数が到来して、建てかえなのか廃止なのかという分岐点の時期が来たら、原則そこで全てを用途廃止して、真の住宅困窮者に対して足りないようであれば民間からの借り上げなどで調整を図っていくような市営住宅の政策の大胆な方針転換が必要ではないかと私は考えるわけですが、御所見を伺います。
◎市役所(建設部長)
今後の市営住宅の計画につきましては、豊橋市住宅マスタープランでも述べておりますように、民間賃貸住宅の借り上げなども考慮し、市営住宅全体では縮減することとしておりますので、耐用年数の近づいた団地につきましては、議員の言われることも踏まえ、社会状況を考慮してその都度適切な対応をしていきたいと考えております。

◆中村竜彦議員
耐用年数の近づいた市営住宅については、その都度適切に判断されるということでありました。

(略)耐用期限後の全廃を求める最大の理由が、次の(3)についてなのですけれども、用途廃止と判定された市営住宅の今後の跡地利用策についてであります。(略)

南海トラフ地震の被害予測調査から算出されたデータによれば、本市においては応急仮設住宅が2,471戸、借り上げ型の応急住宅が1,890戸、公営住宅の一部使用が502戸と、合計4,863戸、現在の市営住宅の総戸数の4,011戸よりも少し多いぐらいですけれども、ほぼ同規模の公的支援を必要とする世帯戸数が示されております。(略)

であるならば、現在の市営住宅の耐用年数が来て用途廃止されたその住宅の跡地をそのまま防災広場として残しておいて、いざ震災が来た時には直ちに鉄筋コンクリート、地上何階建てという直営の市営住宅を新規に大急ぎで建てるべきだと思うのです。これこそ、住宅に困窮する市民のためであります(略)

跡地利用については、全庁的な対応をされるということですので、ぜひとも、その都度その都度の場当たり的な対応ではなくて、大きな時代の潮流を見据えた対応に期待をして、市営住宅の件については終わります。


全文はこちらのネット会議録から。
【 平成28年 12月 定例会-12月06日-03号 】
http://www.kaigiroku.net/kensaku/

そういえば、今年9月のアリーナに関する質問もキレッキレだったので、掲載しておきます。
【 平成29年  9月 一般会計予算特別委員会-09月26日-01号 】
http://www.kaigiroku.net/kensaku/

では!