豊橋市議の長坂です。
スヌーピーのぬいぐるみに愛着がありました。

さて、11月25日付けの中日新聞(東三河版)にて、
豊橋に「愛着」「自慢」過去最低」という辛辣な見出しの記事が出ました。
豊橋に「愛着」「自慢」過去最低
市民意識調査 若い世代で低く

豊橋市は、6,7月に実施した市民意識調査の結果をまとめた。市への愛着度、自慢度調査で「愛着がある」「自慢できる」との回答は、この質問項目を設けた2011年以降でともに過去最低だった。(五十幡将之)

調査は市民の声をまちづくりに反映させる目的で、市内の18歳異常の男女5000人を対象に実施。質問票を郵送で送り、半数を超える2735人から回答を得た。

このうち、愛着度調査では「とても愛着がある」「やや愛着がある」と答えた人は77.5%。自慢度調査でも「とても自慢できる」「やや自慢できる」と答えた人は計49.2%に上ったが、6年前の市シティプロモーション推進室(現シティプロモーション推進課)設置に伴って調査を始めて以来、最低となった

 - 中日新聞(東三河版)2017年11月25日
この調査結果は、市サイトにてどなたでも見ることができます。
http://www.city.toyohashi.lg.jp/33214.htm
一方、この報告書には、経年変化が掲載されていないため、過去の調査結果にさかのぼって、
比較・記事化した記者の目のつけどころに感謝します。



「シティプロモーション」は、来月12月に就任10年目を迎える豊橋市・佐原市長の
初当選時からの目玉政策であったため、10年を迎えても成果が出ていないこと、
少なくとも市民の「愛着度」「自慢度」という観点からは成果がまだ見えないことは、
市政をチェックする立場からは、厳しく捉えないといけません。

一方で、この結果は私自身から見ても、悲しく残念なものであり、
市政を批判するだけでなく「じゃあどうしたらいいのか」というのも、
考えないと行けないと思っています。

また、この結果を「シティプロモーション」だけに帰責するのは酷であるとも思っており、
「愛着」や「自慢」の醸成のためには、全庁的な取り組みが必要だと考えます。



何はともあれ、まずはこの調査結果に対して真正面から真摯に向き合うことが第一歩です。

昨年度末にぼくが実施した調査においても、中部地方の他都市に比べ、
豊橋市民の「愛着」や「誇り」は、低い結果となっています。
170414report_03
http://nagasakanaoto.blog.jp/170415.html
逆に言えば、まだ伸びしろはあるということです。
では、どうしたら上げられるのか。



ぼくはこちらのサイトが好きで度々参考にしています。
都道府県別統計とランキングで見る県民性 [とどラン]
http://todo-ran.com/
この中にも、「愛着」と「自慢」のランキングがあります。
郷土愛 [ 2010年第一位 沖縄県 ]
  1. 沖縄県
  2. 北海道
  3. 京都府
  4. 福岡県
  5. 高知県
  6. 長野県
  7. 兵庫県
  8. 静岡県
  9. 大阪府
  10. 鹿児島県
http://todo-ran.com/t/kiji/13384 
ふるさと自慢 [ 2010年第一位 沖縄県 ]
  1. 沖縄県
  2. 北海道
  3. 京都府
  4. 長野県
  5. 高知県
  6. 福岡県
  7. 鹿児島県
  8. 静岡県
  9. 長崎県
  10. 熊本県
この順番自体、どこの県が何番かは今回は重要ではありません。
重要なのは、他のどんな数字が「愛着」や「自慢」と関係が深いか、です。

このサイトのおもしろいところは、
他の調査結果(ランキング)との相関が見られるところです。
171125_01
 - 郷土愛の相関記事|都道府県別統計とランキングで見る県民性 [とどラン]
http://todo-ran.com/t/kiji/13384

171125_02
 - ふるさと自慢の相関記事|都道府県別統計とランキングで見る県民性 [とどラン]
http://todo-ran.com/t/kiji/13388

見るとそもそも「愛着(郷土愛)」と「自慢(ふるさと自慢)」は、
互いに相関が1番高い(0.9001)ため、似たような結果になっています。

そのため、愛着との相関結果だけ(上の方)を見てみます。
171125_01s
「教会数」や「かつお節・削り節消費量」など、
どう解釈してよいのか全く検討つかない項目もあります。

この中で、似たような項目を赤矢印と緑矢印で示してみました。

赤矢印は「観光」的な項目です。
これはわかりやすい話で、観光客がたくさん来る
=県外の多くの人が魅力的だと思っている地域は、
地元の人も、愛着や自慢に思っている、と解釈できそうです。



一方、わかりにくいのは緑矢印の項目です。
緑矢印の中でも一番高い項目が「貧困率」であるように、
この緑矢印の項目は「貧しさ」と関係が深そうです。

では、貧しい地域ほど、愛着度や自慢度が高い、の!!?

これは理解に苦しみます。
ここで、ぼくなりの解釈をはさみます。

貧しくても暮らしやすい」地域だとしたらいかがでしょうか。
お金がなくても生活できる」と書き換えてもいいかもしれません。

制度的か、風土的か、気候的か、理由はわかりませんが、
何らかの形でいわゆるセーフティネットがより機能している、
そういう地域だと考えれば、愛着や自慢が高い理由が解釈できそうです。

もちろん、これはぼくなりの解釈ですが。



ヒトの愛着は、生後6か月から2歳までの間に形成されるという説があります。
もっともこれは、ヒト対ヒトの話であり、人が土地に対しての愛着をどのように形成するのかはわかりません。
幼児は、生後6ヶ月頃より2歳頃までの期間、継続して幼児の養育者であり幼児と社会的相互作用を行い幼児に責任を持つような大人に対して愛着を示す。この時期の後半では、子供は、愛着の対象者(よく知っている大人)を安全基地として使うようになり、そこから探索行動を行い、またそこへ戻る。
https://ja.wikipedia.org/wiki/愛着理論
一方この「安全基地」という言葉は、地域にも繋がりうるかもしれません。

住民に対して、安全・安心だという気持ちを与える地域、
あるいは、多くの子どもが低ストレスで(のびのびと?)育つ地域、
親目線では、安心して子育てができる地域が、愛着を生む地域かもしれません。



自分でも「少し話が飛びすぎている、無理くりかも」と思わなくはないですが、
それでも、ただ市政を批判するだけよりは、代案を持つことが重要と考えます。

少なくとも豊橋市においては、今回・これまでの調査結果を重く受け止め、
シティプロモーション施策の見直しと改善、もし反論があれば、
少なくともこの記事以上の検証と代案を期待したいところです。

では!