豊橋市議の長坂です。
新しい働き方を模索しています。

さて、月に一度くらい、当局(豊橋市役所)からこんな連絡(報告)が届きます。

業者の指名停止について
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指名停止とは?
指名停止(しめいていし)は、一定期間、日本国や日本の地方自治体の競争入札参加資格を停止する懲罰的措置。措置が実施された場合、指名停止措置、指名停止処分などと呼ばれる(略)

国や地方自治体が発注する公共事業、物品調達などの入札において、カルテルを結ぶ(談合)などによる公平な競争の妨害、または死亡者を出す重大な労働災害などを起こした企業の入札参加を認めないとするもの。
https://ja.wikipedia.org/wiki/指名停止 
政府や地方自治体などの行政が、契約先の民間事業者を選定するとき一般的には「入札」という方法で決められます。

その入札に参加するために事業者は各自治体などへの登録が必要ですが、指名停止とは、その登録が一定期間停止される、つまりその間、入札に参加できなくなります。

入札に参加できないとは、その期間に発注される仕事(入札に出される仕事)は、受けることができないということです。



あくまで一般論としてですが、国土交通省の「工事請負契約に係る指名停止等の措置要領」と、その「運用基準について」によると、労働基準法違反と認められる場合、
七 業務に関する「不正又は不誠実な行為」(第 15 号)とは、原則として、次の場合をいうものとすること。
 
有資格業者である個人、有資格業者の役員又はその使用人が当該地方整備局が所管する区域内における業務に関する法令違反の容疑により逮捕され、又は逮捕を経ないで公訴を提起された場合
http://www.mlit.go.jp/common/001086933.pdf
に該当する可能性が高く、その場合、
当該認定をした日から1 ヵ月以上 9 ヵ月以内
http://www.mlit.go.jp/common/001067886.pdf 
の指名停止となります。



以前、こんな記事を書いたように、電通は豊橋市(正確には、東三河広域連合)の仕事もしてくださっています。
つまり電通は、ほぼ間違いなく豊橋市の登録事業者であります。

まあ豊橋市はまだしも・・・、今、電通が受けている最も大きな自治体関係の仕事は、東京オリンピックであるのは間違いないでしょう。

発注者が、東京都なのか組織委員会なのか、終了までの包括的な契約なのか、これから新しい発注(入札)が出て来るものなのか、正確なところまで把握していませんが、先ほどの

「業務に関する法令違反の容疑により逮捕され、又は逮捕を経ないで公訴を提起」

の段階まで進んだ場合、国、そして全国の自治体からの指名停止は免れないでしょう。
もちろん、そこには東京都も含まれます。

そのとき、どのようなことになるのか。

もしや「国家事業」として、超法規的な措置が取られるのか。
あるいは淡々と僕の元にも指名停止のFAXが届くのか・・・



(以下、追記1月18日)

国が全額出資する特殊法人であるJRA(日本中央競馬会)が、
指名停止にするという記事が1月17日に出ました。

その中で、東京都の対応についても取材がされています。
電通が違法な長時間労働による労働基準法違反容疑で先月二十八日に書類送検されたことを受け、日本中央競馬会(JRA)が同社を指名停止にしていたことが分かった。停止期間は書類送検された翌日から一カ月間。違法残業による指名停止は過去にあまり例がない。 (中沢誠)

JRAは二〇一〇年に競争入札参加停止にする基準を改正し、新たに「労基法違反により監督官庁から処分を受けた場合、または逮捕、書類送検、起訴された」ケースを盛り込んだ。今回、電通に初めて適用した。JRA調達管理課の担当者は「不当労働を防ぐために設けたハードル。今回は基準にのっとって判断した」と話す。

電通は昨年一~十一月、JRAの競争入札で三十二件計二十二億円の事業を受注している。指名停止について、電通は本紙の取材に「個別取引に関する質問への回答は差し控えます」とコメントした。
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JRAは国が全額出資する特殊法人で、入札や契約に当たっては国や自治体と同様、適正化の促進に関する法律が適用される。しかし、指名停止基準は国、自治体、特殊法人で異なる。

JRAのように労基法違反を基準に明記するケースは珍しいが、談合や贈収賄以外の違法行為で摘発された場合に指名停止の規定を設けている自治体もある。今後、電通に対する捜査が進み、同社や社員が起訴されたり、有罪が確定したりした場合は、公共事業で指名停止が広がる可能性がある。東京都は一四年、違法な長時間労働で罰金刑を受けた建設会社を〇・五カ月の指名停止にした。都は五輪関連事業などを電通に発注しており、都財務局の契約担当者は「仮に起訴された場合には対応を考えたい」としている
また、滋賀県も指名停止の判断をしたようです。
滋賀県は、県が発注する事業の入札で、禁錮刑以上の刑に当たる容疑で書類送検された業者について、3か月間、入札への参加を停止させると定めていて、近く電通を参加停止にする手続きに入ることがわかりました。

県によりますと、電通はこれまで2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて参加国の選手と交流する「ホストタウン」の誘致に向けた県の事業に関わってきたほか、今年度も観光や近江牛などの特産品をPRする事業を受注しているということです。
豊橋市について、市の担当者に確認したところ、
現段階では豊橋市の指名停止の要件を満たしていないため、
今のところ指名停止になる可能性は低い、ということでした。

(追記おわり)



余談ですが、大絶賛されているこのCMも電通の仕事です。
今回のCMは白戸家シリーズなどを手掛けるクリエイティブ・ディレクターの澤本嘉光氏が発案。 

既にソフトバンクのブランドキャラクター契約は終了していたが、過去の作品を使用することを含めてあらためて1回限りのCM出演として再度契約したという。 調整には多くの時間が割かれ、事務所側とも協議を重ねた。そのため、今後サイトで公開されることも何かの機会に再放送されることもない。
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1612/27/news074.html 
澤本さん、電通の方ですから。
1990年、電通入社。CMプランナーとしてソフトバンクの「白戸家」シリーズや、東京ガスの「ガス・パッ・チョ!」など、数々のヒットCMを制作し続けている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/澤本嘉光 
いちファンとしては、これからもワクワクするような仕事が見られればと思います。

では!