あまり知られてないですが、ぼく、東京で働いているときに会社で消費者調査もやっていました。

他の会社のことはよくわからないので比較できないですが、当時の社長(というか唯一の上司)は、外資系メーカーのP◯G⇒世界的なコンサルB◯G⇒独立、という華やかなる経歴で、また、当時いっしょにお仕事した方々も元P◯Gの方々が多かったので、鍛えられた環境は一流だったと思います。
(どれだけ僕の血肉になっているかはさておき)



さて、そんな僕の経験とネットワークを活用して、クリエイティブ調査をしました。

調査対象は、こちら。

豊橋市が840万円の制作費でつくった、プロモーションビデオ。 しかも随意契約

そして、比較対照としたのが以下3本の動画



上の2つは、豊橋市が実施した、「ええじゃないか豊橋CMアワード」の上位作品。 こちらは、賞金10万円 x 2本を含めても、36万円余の事業費。 そして、もちろん公募

一番下は、有志らが自主的につくった作品です。

便宜上、各作品はそのタイトルから上から以下のようにアルファベットを振りました。
  • 豊橋市「」ロモーションビデオ: 動画P
  • 豊橋で「」らそう: 動画K
  • S」cenary of Toyohashi: 動画S
  • 恋する「フォー」チュンクッキー ええじゃないか豊橋Ver.: 動画F
ちなみにこういう調査は、企業がCMを作成し、TVなどで流す前には、当然のようにやることです。

なぜなら、制作費とCMを流す費用(媒体費)は、桁がヘタしたら二桁違うくらいに大きな差があり、効果のないCMを流すのは本当に無駄になるため、そうならないように事前に調査するのです。

ざっくりですが、
  • 制作費: 数百万~数千万
  • 媒体費: 数億~数十億
  • 調査費: 数百万
こんな感じでしょうか。

今回はその簡易版と思っていただければ。



では、以下、その調査結果のレポートです。
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調査結果で、最も重要な箇所がこちら
今回、最も重要な質問である「好きな順番」は、動画S、動画F、動画K、動画Pの順に1位とした人が多かった。 人数はそれぞれ、動画S(150人)、動画F(115人)、動画K(83人)、動画P(82人)であった。
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この調査結果を元に、議会に臨みました。

とはいえ、議会は基本的に全てを言葉で表す必要があり、かつ、時間も限られていることから、最も重要な結果である、こちらを伝えました。
調査において、この430名に4つ動画を順位付けする形式で、最も好きなものを選んでもらいました。結果、1番多かったのが監督賞作品「Scenary of Toyohashi」150票、続いて2番めが「恋するフォーチュンクッキー ええじゃないか豊橋Ver. 完全版」115票、3番めが僅差でしたが、市長賞作品「豊橋で暮らそう。」83票、そして4位が「豊橋市プロモーションビデオ 全編(5分)」82票でした。

本市として、この結果をどのように捉えますでしょうか。
市役所からの返答(答弁)は案の上、

(市が840万で制作したものは)優れた動画だと思っている

という趣旨のもので、行政の無謬性(わかりやすく言えば、失敗を認めないこと)の根は深いと思いながら、まあ、こう答えるしかないよなー、と思って聞いていました。

調査でも、動画Pを1位とした人も一定いるわけで、たまたま市長や担当が、そういうセンスだったとしても、それは仕方がないことだし、個々人の主観的な判断は否定できることではないので。

だから、僕としては、こう答えました。
もちろん、今回の調査についても、他の質問の結果や分析などを含めて、市に提供する予定ですので、是非、ご活用ください。
このとき、僕が信頼する、管轄である企画部長が、深くうなづいてくれた気がします。

だから、なんとなくですが、大人の事情で明言できないことはたくさんあるけど、これから市役所はまた、もう少しよくなるんじゃないかな、と思いました。

もうすでに同じレポートを市役所の担当課に提出済です。



そして、こう結びました。
市役所がもっとよくなるためには、まず、各種統計や調査などに対して、自身にとって都合のよい解釈をするのでなく、数字に対して真摯な姿勢を持つことが重要です。

そのあたり工学部ご出身で、私が赤点をとった数学や物理のテストでも、きっと優良な成績を修めたであろう、数字にお強い市長であれば、よくご理解のことと存じます。
市長は高校だけでなく、大学の先輩でもあるのですが、自分が市議になって、より市長に接触する頻度が増えて感じることですが、非常に優秀で、いつかぼくもこの域に達したいなぁ、と素直に思える方です。

だから、自身のセンス・主観を大切にするだけでなく、調査結果にも客観的な重きと判断ができるバランスの取れた方だと思っています。



以下、余談ですが、東京時代の調査結果なんかは、世に出せないので、(守秘義務があるので当たり前ですが、)今回こういう形で、自分のスキルを公にできたのはよかったです。

こういう調査、年1回くらいできたらいいなぁ、と思っています。

ちなみにこちらの調査、もし東京時代に仕事として受けていたら、たぶん50万~100万くらいでしょうか。

では!