まちなか図書館(仮称)実施計画(素案)については、こちらをご覧ください。
 - 全公開!豊橋まちなか図書館の計画(素案)
 http://nagasakanaoto.blog.jp/160208
この計画を担当している、建設消防委員会に僕は所属しています。 その建設消防委員会で僕がした質問と、市役所からの回答をご紹介しながら、まちなか図書館(素案)について、深掘りしていきます。



質問1. 施設コンセプトについて
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長坂質問(要旨)
「街に広がる図書館 Library to the City」というのは大変よろしいと思います。 一点気になるのは、The Library にした方がよいのか、Libraryのままでよいのか、ということです。 どちらの方がよいとお考えか、お聞かせください。
市役所回答(要旨)
ここでは特定の図書館を指すのではなく、概念という意味での図書館を記述したものであるため「the」は必要ないものと考えております。
はじめこれを聞いたときには、あまり気にしなかった(気づかなかった)のですが、よくよく考えたら「施設コンセプト」なのに、「概念という意味での図書館」と答えているのは、興味深い。

具体的な施設ならば、なおさら、the が付くべきはず。

ここからは僕の推察ですが、これは施設だけに限定せず、広がる街も含めて、「知と交流の拠点」である図書館として捉える、捉えようという意志の現れなのじゃないかと思います。

そういう意味で、敢えて the を付けていない、のならば、それはとても興味深く、考えられたコンセプトです。



質問2. 平面図イメージや空間イメージにおける、書架(本棚)の記載について
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長坂質問(要旨)
蔵書数は10万冊程度と記載があります。 平面図イメージや空間イメージを見る限り、それに見合うだけの書架が配置されていないような印象を受けるのですが、本当に10万冊を置けるのでしょうか。 
このイメージは見る人にとって「本のない図書館」のような誤解を生むのではないかと、私は懸念しますが、いかがでしょうか。 

市役所回答(要旨)
約10万冊の蔵書については基本的にすべて開架とし、空間レイアウトの検討の中で十分な配架スペースを確保できるように設計を進めております
書架の配置については、平面イメージ図の記載がある頁の注釈のとおり、今後行う実施設計等で検討するとしています。 このようなことは、現在予定している市民を対象とした説明会を含め、機会がある際に、誤解を生じることのないよう説明に配慮していきたいと考えております。
長坂まとめ(要旨)
スペースの確保としては、紙の図書が10万冊が開架で置ける前提で、設計を進めていること、確認できました。
イメージに引きづられて誤解を受け「本のない図書館」などと言われることがないよう、説明会を含めたパブリック・リレーションズを十分かつ細かに配慮され、進めてください。


質問3. 各ゾーンの配架(どこにどんな本を置くか)と、図書の分類(整理の仕方)について20160202123655_014



長坂質問(要旨)
各ゾーンについて、冒頭の説明にて、それぞれのゾーンでどのような図書を置くかが記載されています。 この図書の配置方法について、多くの図書館で使われている図書の分類方法である「日本十進分類法」の取り扱いと合わせて、お聞かせください。
市役所回答(要旨)
本の配架における分類方法については、基本的に、多くの公立図書館が採用している日本十進分類法を想定しております。昨年開館した大清水図書館では、十進分類法を基本としながらも、一部で分類を工夫し、「暮らし」、「体」、「仕事」、「デジタル」などのテーマを設定して配架したため、利用者にも高い評価をいただいているところです。

まちなか図書館では、このような方法を取り入れながら、本を探しやすいと同時に、思いがけず大切な本と出会える方法を検討していきたいと考えております。 
長坂まとめ(要旨)
「日本十進分類法」を基本とすること確認しました。 ハードルは高いと思われますが、探しやすさと、思いがけない本との出会いの演出を、両立されることを期待します。


質問4. ソムリエマネージャーについて
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長坂の解釈では、「ソムリエ」は、図書館でいろんな活動を企画し、実施していく人です。

(素案)中のサービス・活動事例から引用すると、「大人の部活動」「出張まちゼミ」「放課後クラブ活動」「理系・文化系部活動コンテスト」「クリエイティブ系ワークショップ」「起業支援セミナー」など。

これは職員のこともあれば、専門性やネットワークを持ったプロボノ的なボランティアであることもあります。 これが「ソムリエ」

そして、「ソムリエマネージャー」は、この「ソムリエ」たちをまとめていく人。

その任務は、各活動の調整、「ソムリエ」への提案、「ソムリエ」間の連携を促す、各活動をプログラム化(時間割みたいな)する、各活動の広報・後方支援、「ソムリエ」の掘り起こし、などでしょうか。

以上の長坂解釈を踏まえて、

長坂質問(要旨)
この計画全体を読んでの私の感想ですが、本計画で最も重要で、図書館の魅力を大きく左右するのは、この「ソムリエマネージャー」です。 魅力的な「サービス、活動イメージ」がきちんと機能するか、本当に実施されるかは、どんな人がこの「ソムリエマネージャー」になるかにかかっています。

言ってしまえば、先ほど私が「未来的で魅力的」といった空間イメージも、これらのサービスや活動の魅力を引き上げる演出装置であり、画龍点睛、図書館に魂を入れるのはこの「ソムリエマネージャー」次第である、そのくらい、この「ソムリエマネージャー」は重要だと考えます。 館長と同等、図書館の魅力に及ぼす影響力という意味では、もしかしたら館長以上の要職なのではないかと。

そのように私は考えますが、そこでこの「ソムリエマネージャー」について、どのようにお考えか。 この「ソムリエマネージャー」の役割、求められる資質や能力、年代、公募・指名・内部登用などの選定方法、そして人数、ひとりなのか複数人を想定しているのか、などについて教えてください。
市役所回答(要旨)
ソムリエマネージャーの役割ですが、人と人とを繋げる役割、まちづくり部門のスタッフとともに、館内で活動する人材の掘り起こしや人材ネットワークの構築を行う役割があります。

このような役割を果たすには、高いコミュニケーション能力と新たな取組に対する積極性、創造性が求められるものと考えております。

登用についてですが、委員ご指摘のとおり、ソムリエマネージャーは、まちなか図書館において重要な役割を担うことが期待され、そのような人材が多く存在するものではないと認識しております。

ソムリエマネージャーの人数は、複数人を想定しておりますが、現段階においては選書やレファレンスの支援など、ソムリエと密接に関わっていくのは主に司書であると想定されるため、司書のスキルアップを図りソムリエマネージャーとなるのがよいのではないかと考えています。

また、一定の条件を設け、公募により採用することも想定しており、この場合は能力があれば年代を問わないものの、技術や経験の継承を図れるようバランスの取れた年代に配慮していきたいと思っております。 
長坂まとめ(要旨)
「ソムリエマネージャー」についてのご認識、詳しく確認できました。

お答えの中で「司書のスキルアップを図りソムリエマネージャーになるのがよいのではないか」というご認識、私もスタッフから育成するという点、賛成いたします。 素案では、ソムリエマネージャーは図書資料部門に、現在、位置付けられています。 しかし、素質・素養ある人材がいるのならば、図書資料部門や司書にこだわることなく、ソムリエマネージャーとして、育成されるのがよいと考えます。

また、スキルアップには時間がかかります。 公募の想定については、特に開館当初を意識されてと推察します。 是非、今後のソムリエマネージャーの見本かつ指導者となりうる有為の人材を、広く、そして、その高い能力と人材の希少性に見合う待遇で、募集されることを望みます。

余談ですが、「ソムリエ」という名称については、確定的ではない(仮称)のようです。



質問5. まちなか図書館の使命(ミッション)について 20160202123655_008
長坂質問(要旨)
館長の役割の説明において「使命(ミッション)」という言葉があります。

これまで、基本理念や基本方針、施設コンセプトなどは示され、定義されていますが、「使命(ミッション)」については定義されていなかったとお見受けしています。

改めて、まちなか図書館の「使命(ミッション)」を定義されるのか、もう定義されているのか、お聞かせください。 
市役所回答(要旨)
まちなか図書館の基本理念を具現化するためには、2ページ上段に記載のあるとおり

「新たな情報や人と出会いを創出し、まちづくりに寄与する人材を育成する場として整備する」

という市の意思表示をしており、これがミッションに繋がるものだと思います。
長坂まとめ(要旨)
すでにミッションにつながるものは、記載あるということですが、ミッションというのは非常に重要なものです。 素案から正案にされる際に、基本理念や施設コンセプトと同様に、きちんと定義付け明確に表記されることを望みます。


以上です、いかがですか?

昨日の記事からの再掲ですが、市役所からの詳しい説明が聞きたい、質問がしたいということであれば、今週末の2月13日(土)から説明会が4回開催されます。
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たくさんの方がいらっしゃるのは、まちなか図書館にとってもよいことだと考えますので、是非足を運んでみてください。

では!