本会議1日目の9月7日(月)、それは起こりました。
この日は7人の方が一般質問をしました。
少し空気も緩んできた6人目、尾崎雅輝市議のときです。
この日、尾崎さんは次のような質問をしました。

僕もこの文書を最初見たとき、山車?と思いました。
質問の要旨は、
そして、目を見張ったのは、これに対しての豊橋市役所の答弁。
市が議会でその価値を認める、ということは、それなりの対応を約束するようなものです。
すぐ思いつくのでは、市の文化財としての登録と、それに応じた対応でしょうか。
そして、この回答を引き出した尾崎市議も。
もちろん、いきなりこんな回答が出てくるはずはないので、このような意味ある回答を引き出すには、事前の準備も周到にされていたと察せられます。
僕の質疑・答弁理解力の問題もあるかもしれませんが、この日あった7人の質問の中では、もっとも意義ある答弁を引き出していたのではないかと思います。
■
さて、にも関わらず、です。
尾崎市議の質問中には、「くすくす」という感じの笑い声がとても聞こえていました。
とても不快でした。
理由はいくつか考えられます。
1. 本会議するほどの内容ではない
僕も今回する一つ目の質問、「『知るほど豊橋』などの電子書籍化・電子化について」は、準備中に市役所から、本会議で取り上げるほどのものでもないので、より規模の小さい委員会で質問したらどうか、という打診をいただきました。 僕はそう思わないので、本会議のままにしましたが、そういうものらしいです。
今回の尾崎さんの質問も、矮小化すると、二川の話だけに聞こえてしまうので、そういう捉え方をされたのかもしれません。 そうだとしても、笑う理由にはならないと思いますが。
2. 山車のある二川八幡社が、尾崎さんの地元である
市全体のことを考えるのが、市議会議員の仕事だと多くの方は捉えるでしょうから、「地元」という表現は、特に豊橋市以外の人にとっては不思議に思うかもしれません。 しかし、残念ながら今でも国会議員が「おらがまちの代議士」であるように、豊橋市の市議会議員も、校区の代表的存在という側面があります。
そういう意味で、尾崎さんの地元は二川であり、その二川についての質問をされたのは事実です。 そうだとしても笑う理由にはならないと思いますが。
3. やり取りがとても予定調和的であった
そもそも、議員の質疑と、それに対する市役所の答弁は予定調和なんです。 僕も原稿読んでます。 事前に市役所とかなり詰めて、議会の質問に臨んでいます。 僕も少し前までは、ニュースの国会中継とか見て、「原稿読んでんじゃねーよ」とか思ってました、今は反省しています。
テレビ慣れしてしまった僕らは、肉薄した丁々発止なやり取りを期待されるかもしれませんが、残念ながら議会は、テレビのためのエンターテイメントとしてやってるわけではありません。 むしろ、とても儀式的です。 どういう儀式かというと、「約束」の儀式です。 それだけ、議会での発言は重い、特に市役所からの答弁は、内容や答え方によっては、実質的に「〇〇やります」という約束を宣言したことになります。
だから、僕(たち?)は、少しでも踏み込んだ発言を引き出すため、事前に市役所と「もう一歩、踏み込めませんか」「この一言、加えられませんか」と準備をしています。 丁々発止な議論はそこでしています。 別に準備せずに、いきなり質問をぶつけてもいいのですが、そうすると、まず市役所が正確に答えられないし(特に数字や法律・条例の話など)、より守りな答弁になってしまい、結局、意義のある答弁(=〇〇やります、のような言葉)は、引き出しにくいのです。
そういう意味で今回、「文化財的な価値がある」という答弁を引き出した尾崎市議はすごい。 これは言外に、「市の文化財的認定します」「それに応じた対応をします」と理解しています。 だから、予定調和だとしても笑う理由にはならないと思いますが。
■
僕が最も怒ってるのは、そこじゃないんです。
(言い忘れましたが、僕は怒ってるんです)
僕は、「ヤジは議会の華」という言葉さえ、詭弁と思っています。 それでも百歩譲って、僕の質問で笑いやヤジが飛ぶのはまだいいし、わかります。 なにせ僕は、ひとりもんで、野党ですから(市議会でも、与党野党という言い方するのか知りませんが)。 周りは全員、別の会派の方々ですし。
でも今回は違います、与党の人が質問し、更にその笑い声も与党からのものでした。
つまり、内輪からです。
僕が知らない、与党内の経緯があったのかもしれませんし、もしかしたらあれは、微笑ましさからの好意的な笑いだったのかもしれません。 とは言え、僕にはそう聞こえなかったでの、傍聴やケーブルテレビ中継を見ていた人も、きっとそうは聞こえなかったでしょう。
なんというか、すごくかっこわるい。 内輪感というか、そういうのも含め。 僕は行政や議会に少しでも興味を持ってほしいので、いろんな人に「議会見に来てね」と言ったりしているのに、あんな議会なら恥ずかしいので見られたくないと思いました。
尾崎さんの質問の中には、明らかに場を和ませようとする、笑いを誘うような発言もありましたので、そこで笑うのはいいと思います。 でも、そうじゃない場面もありました。
そして、僕は見逃しませんでした。 そんな中、笑われている中、尾崎さんは顔を強張らせたり、嫌な顔をするのではなく、笑顔を返したのです。 あぁ、やっぱすごいな。 前回4年前の最年少当選から、2回連続の2位当選は、伊達じゃない。
■
最後に、山車。
まだネット上にあまり情報がなかったのですが、参考までにリンクを張っておきますので、ご覧ください。
- お祭りのある風景:二川八幡神社例大祭昼の部|すぎうら日記はまぞう別館
http://sugiurains.hamazo.tv/e1503568.html
- 豊橋探訪Vol.9「二川八幡神社礼大祭を探訪」|社団法人豊橋青年会議所
http://www.t-jc.jp/2007/contents/toyotan/toyohashi_9.html
本物の山車が見たいという方、今年の二川八幡社祭礼は、
10月10日(土)~11日(日)ということです。
- 二川八幡社祭礼|豊橋観光コンベンション協会
http://www.honokuni.or.jp/toyohashi/event-info/?Mode=detail&code=61
■
読み直すと、豊橋市議会がものすごくガヤガヤしていて、ヤジや笑いが飛び交っているようですが、全然そんなことありません。 むしろ、普段ほとんどは驚くほど静かです。
では!
この日は7人の方が一般質問をしました。
少し空気も緩んできた6人目、尾崎雅輝市議のときです。
この日、尾崎さんは次のような質問をしました。

1 山車を活かした豊橋のPRについて「山車」と言われて、多くの豊橋の人はあまりピンと来ないと思います。
(1) 本市に関係する山車の歴史的・文化的価値の認識について
(2) 地域の山車を活用した観光振興の考えについて
僕もこの文書を最初見たとき、山車?と思いました。
質問の要旨は、
- 隣の田原市や、蒲郡市三谷祭の山車はかなり有名だが、豊橋の山車はあまり聞かない。
- しかし、そんな豊橋にもいくつかの山車があり、中でも二川八幡社祭礼の山車は150年の歴史がある。
- 最近の駒屋(地元の商家)の改装で出てきた資料から当時のことなどがいろいろわかった。
- この山車の歴史的・文化的・文化財的な価値について、どのようにお考えか。
- そして、その昔には、吉田神社(豊橋の中心的な神社のひとつ)にも山車があったという。その復活など
そして、目を見張ったのは、これに対しての豊橋市役所の答弁。
歴史的・文化的・文化財的な価値を認める(要旨)これはすごい。
市が議会でその価値を認める、ということは、それなりの対応を約束するようなものです。
すぐ思いつくのでは、市の文化財としての登録と、それに応じた対応でしょうか。
そして、この回答を引き出した尾崎市議も。
もちろん、いきなりこんな回答が出てくるはずはないので、このような意味ある回答を引き出すには、事前の準備も周到にされていたと察せられます。
僕の質疑・答弁理解力の問題もあるかもしれませんが、この日あった7人の質問の中では、もっとも意義ある答弁を引き出していたのではないかと思います。
■
さて、にも関わらず、です。
尾崎市議の質問中には、「くすくす」という感じの笑い声がとても聞こえていました。
とても不快でした。
理由はいくつか考えられます。
- 本会議でするほどの内容ではない
- 山車のある二川八幡社が、尾崎さんの地元である
- やり取りがとても予定調和的であった
1. 本会議するほどの内容ではない
僕も今回する一つ目の質問、「『知るほど豊橋』などの電子書籍化・電子化について」は、準備中に市役所から、本会議で取り上げるほどのものでもないので、より規模の小さい委員会で質問したらどうか、という打診をいただきました。 僕はそう思わないので、本会議のままにしましたが、そういうものらしいです。
今回の尾崎さんの質問も、矮小化すると、二川の話だけに聞こえてしまうので、そういう捉え方をされたのかもしれません。 そうだとしても、笑う理由にはならないと思いますが。
2. 山車のある二川八幡社が、尾崎さんの地元である
市全体のことを考えるのが、市議会議員の仕事だと多くの方は捉えるでしょうから、「地元」という表現は、特に豊橋市以外の人にとっては不思議に思うかもしれません。 しかし、残念ながら今でも国会議員が「おらがまちの代議士」であるように、豊橋市の市議会議員も、校区の代表的存在という側面があります。
そういう意味で、尾崎さんの地元は二川であり、その二川についての質問をされたのは事実です。 そうだとしても笑う理由にはならないと思いますが。
3. やり取りがとても予定調和的であった
そもそも、議員の質疑と、それに対する市役所の答弁は予定調和なんです。 僕も原稿読んでます。 事前に市役所とかなり詰めて、議会の質問に臨んでいます。 僕も少し前までは、ニュースの国会中継とか見て、「原稿読んでんじゃねーよ」とか思ってました、今は反省しています。
テレビ慣れしてしまった僕らは、肉薄した丁々発止なやり取りを期待されるかもしれませんが、残念ながら議会は、テレビのためのエンターテイメントとしてやってるわけではありません。 むしろ、とても儀式的です。 どういう儀式かというと、「約束」の儀式です。 それだけ、議会での発言は重い、特に市役所からの答弁は、内容や答え方によっては、実質的に「〇〇やります」という約束を宣言したことになります。
だから、僕(たち?)は、少しでも踏み込んだ発言を引き出すため、事前に市役所と「もう一歩、踏み込めませんか」「この一言、加えられませんか」と準備をしています。 丁々発止な議論はそこでしています。 別に準備せずに、いきなり質問をぶつけてもいいのですが、そうすると、まず市役所が正確に答えられないし(特に数字や法律・条例の話など)、より守りな答弁になってしまい、結局、意義のある答弁(=〇〇やります、のような言葉)は、引き出しにくいのです。
そういう意味で今回、「文化財的な価値がある」という答弁を引き出した尾崎市議はすごい。 これは言外に、「市の文化財的認定します」「それに応じた対応をします」と理解しています。 だから、予定調和だとしても笑う理由にはならないと思いますが。
■
僕が最も怒ってるのは、そこじゃないんです。
(言い忘れましたが、僕は怒ってるんです)
僕は、「ヤジは議会の華」という言葉さえ、詭弁と思っています。 それでも百歩譲って、僕の質問で笑いやヤジが飛ぶのはまだいいし、わかります。 なにせ僕は、ひとりもんで、野党ですから(市議会でも、与党野党という言い方するのか知りませんが)。 周りは全員、別の会派の方々ですし。
でも今回は違います、与党の人が質問し、更にその笑い声も与党からのものでした。
つまり、内輪からです。
僕が知らない、与党内の経緯があったのかもしれませんし、もしかしたらあれは、微笑ましさからの好意的な笑いだったのかもしれません。 とは言え、僕にはそう聞こえなかったでの、傍聴やケーブルテレビ中継を見ていた人も、きっとそうは聞こえなかったでしょう。
なんというか、すごくかっこわるい。 内輪感というか、そういうのも含め。 僕は行政や議会に少しでも興味を持ってほしいので、いろんな人に「議会見に来てね」と言ったりしているのに、あんな議会なら恥ずかしいので見られたくないと思いました。
尾崎さんの質問の中には、明らかに場を和ませようとする、笑いを誘うような発言もありましたので、そこで笑うのはいいと思います。 でも、そうじゃない場面もありました。
そして、僕は見逃しませんでした。 そんな中、笑われている中、尾崎さんは顔を強張らせたり、嫌な顔をするのではなく、笑顔を返したのです。 あぁ、やっぱすごいな。 前回4年前の最年少当選から、2回連続の2位当選は、伊達じゃない。
■
最後に、山車。
まだネット上にあまり情報がなかったのですが、参考までにリンクを張っておきますので、ご覧ください。
- お祭りのある風景:二川八幡神社例大祭昼の部|すぎうら日記はまぞう別館
http://sugiurains.hamazo.tv/e1503568.html
- 豊橋探訪Vol.9「二川八幡神社礼大祭を探訪」|社団法人豊橋青年会議所
http://www.t-jc.jp/2007/contents/toyotan/toyohashi_9.html
本物の山車が見たいという方、今年の二川八幡社祭礼は、
10月10日(土)~11日(日)ということです。
- 二川八幡社祭礼|豊橋観光コンベンション協会
http://www.honokuni.or.jp/toyohashi/event-info/?Mode=detail&code=61
■
読み直すと、豊橋市議会がものすごくガヤガヤしていて、ヤジや笑いが飛び交っているようですが、全然そんなことありません。 むしろ、普段ほとんどは驚くほど静かです。
では!