生まれて初めて、こんな豊橋には住みたくないと思いました。

Uターンしてもうすぐ3年、大学入学を機に上京し、僕は本当に豊橋が魅力あふれる地域だと気づき、そして、そんな豊橋をもっともっと少しでも魅力を増やしたい、伝えたいと、10年の東京生活を経てUターンしました。 しかし、そんな僕が生まれて初めて、こんな豊橋には住みたくないと思いました。



先日、まちなかの新しい再開発計画について、地元校区自治会(町内会)主催の住民説明会がありました。 この再開発の民間ビルには、新しい図書館が入る予定もあり、僕も経過をずっと追っていた案件です。
150206_150203_185851
何このすごい人。

ちなみにこちらは、10月に行われた同様の説明会の様子。
150206_141023_185422
(但しこちらは地権者らである「再開発準備組合」の主催)

4ヶ月で住民の意識が飛躍的に向上した、わーい!

と言いたいところですが、察するにこの混み具合と、自治会主催という側面からしても、動員がかかっていたでしょう(あくまで、察するに)。 そんな自治会からのご意見はこちら。
150206_150203_190036
わかりやすく言えば、現在の再開発案に大反対。 争点は公園(広場)について。

まず前提として、僕は、「多少狭くなっても、きれいな公園(広場)ができてほしい」という意見で、広場について、少なくとも現在の広場のままよりは、今の再開発案に肯定的です。

現在の広場は、大通りから見てビルの裏であり、また道路より2mほど高くなっており(階段で上がる)、死角中の死角。 浮浪者がいたり、生ごみが捨てられていたり、若者カップルがこっそり身体を寄せ合っていたりと、どちらかと言えば、ネガティブなイメージで、あまり近寄りたくない場所という印象です。 ちなみに、イベント前の広場清掃で、浮浪者の置いて行ったものや、生ごみを片付けたこともあります。

そんな場所が、きれいで雰囲気のよい空間に生まれ変わるなら、大歓迎です。



価値観は人それぞれなので、(汚くても)広い面積がいい、(人目・人通りが少なくても)整った形がいい、というのは全然ありと思います。

けれども、僕が嫌だと思ったのは、そんなことでなく、その説明会の雰囲気。 控えめに申しても、晒し上げ、いじめといった様子でした。

冒頭の写真でもわかるように、参加者のほとんどは、第一線を退かれたであろう、60代~70代の老紳士の方々。 後ろの方には、ご婦人らが控えめに。 一方、前方でそれと対面して座るのは、行政や再開発準備組合の上層部、年齢にして50代。 年長の方々が、年少者を完全に馬鹿にしてかかっている雰囲気がひしひしと感じられました。 そして、怒りを堪えならがら、ぐっと黙る年少者(といっても50代)の方々。

特に頻繁に発言される老紳士らは、この界隈の固定メンバーというか、過去に「長」が付くような、役職や地域のお役をされていた方ばかり(あくまで過去に)とお見受けし、より一層、そのオーラが強かったように感じます。

とある方が、私たち年寄りが集えるような憩いの場にしてほしい、とおっしゃったとき、「こんな大層な方々が集まっているところでは、僕は憩えないので行きたくない」と思ってしまったのは、間違いなく本心だったと思います。 どんな場所をつくっても、そこにどんな方々が集っているのかという雰囲気は、とても大切なんだと痛感しました。

僕がこんなことを言っても、僕は郊外っ子なので、「これは俺たち松山校区の問題だ」と言われてしまいそうですが。

唯一、よかったと思うできごとは、ひと通りの発言が出たあとで、進行の方(たぶん自治会長さん)が、「女性の方々、ご意見ないですか?」と水を向けたことです。 それまで、ずっと老紳士だけがしゃべりっぱなしだったので。 水を向けられてからは、ご婦人方も、4,5人が意見を述べられていました。 やはり、そういう世代なのでしょうか。

そして一番最後に、今、豊橋まちなかのキーパーソンのひとりである50歳前後の男性が手を挙げ、とてもうまくまとめられていたことと、「と言っても、中には再開発の完成を見られない方もいらっしゃるかもしれませんが」と、笑いを交えつつおっしゃったのは、さすがと思いました。 もしこの方のすばらしいまとめがなければ、僕が手を挙げ、失礼発言をかましていたかもしれませんので。



とは言え、僕らに否が無いかといえば、そんなことはなく、やはりこういうところに参加していないというのは、大きいです。 でも、平日午後7時からの集まりに参加できる現役世代の人がどれだけいるんだ、って感じもします。 しかしやはり、こういうところに参加して、声の大きい人の意見が、よりまちづくりに反映されるであろうというのは、なかなか難しい問題と感じました。

そういう意味で、青年会議所や、各種青年部・青年会など、ある一定の年齢で区切って卒業させる仕組みは、合理的だと思いました。 一方、いつまでも年長者が居座り続ける団体、50代になっても若手扱いされるようなところに、誰が入りたいのだろう・・・



ところで最近、面白い図を見つけました。 「豊橋市 人口推計」で検索して出てきたのですが、杉山泰規さんという南山大学の学生の卒業論文の要旨「豊橋市の人口問題の分析」

 - (PDF)豊橋市の人口問題の分析
http://www.seto.nanzan-u.ac.jp/ise/gr-thesis/2013/10se211.pdf
150206_1
こちら豊橋の地図です。

すごくざっくり言うと、赤が最も高齢化が進んでいる地域 (町内)で、続いて黄色、緑、紫と続き、青が最も高齢化していない地域です。 (最後、青と紫の順番が図と逆ですが、PDFを見るとこれで正しいようです)

地元の人が見ればわかりますが、豊橋駅周辺(特に東側)のいわゆる「まちなか」と、そこからずっと東に伸びる路面電車沿いに、高齢化率の高い赤と黄色が多く、高齢化率が低い緑や紫は、それを取り囲むように周辺部に多くなっています。 

養老孟司さんが、若い人が集まっている田舎は、「年寄りのいない田舎」とおっしゃっていましたが、じゃあこれから、若い人が豊橋に移り住むとしたら、どこがいいのか。 素直に考えれば、緑や紫、そして青の地域でしょう。 でも、僕はちょっとひねくれています。

おそらく、今50歳くらいの人なら、緑や紫、青の地域がいいと思います。 けれども、今20代、あるいは30前半くらいの人は、逆に赤や黄色にチャンスがあると思うのです。 それだけ高齢化が進んでいる、ということは、逆にもうちょっと待てば・・・

僕が小学生のときから、まちなかのドーナツ化現象や、まちなか小学校の児童数・学級数の少なさは話題になっていました。 今、一周まわって、まちなかはフロンティアなんじゃないかと。

もうちょっとの辛抱、か。

では!