どうも、筋金入りおときたウォッチャーの私です。 いつも、都議会議員おときた先生のブログを見ながら、「あー、こういうことなのか、なるほど」と感心、勉強させてもらっているのですが、先日のこの記事は、ちょっと首をかしげたので考えてみました。
区議会議員だって、年収一千万!議員定数削減で、議会の質を高めよう http://otokitashun.com/blog/daily/3748/


議会の質をまず2つに分けて考えると、議会そのものの質と、それを構成する議員の質、に分けられると思います。 まず、議会そのものの質から考えてみました。

議会というのは、住民の意見を代表する人たち(議員)の集まりなので、できるだけ住民の意見が反映されることが、質の高い議会かと。 となると、まずは、落選候補者に投じられる票(死に票)が少ない、というのが考えられます。 一般的に、小選挙区制<中選挙区制<大選挙区制、と死に票は少なくなるので、大選挙区制の議会ほど、議会の質は高いと言えそうです。 ちなみに、おときた先生が言及している目黒区議会選挙は、選挙区が目黒区全域1つだけの、大選挙区制です。

もうひとつ、投票する人からすれば、たくさんの選択肢(候補者)があった方が、自分の意見により近い人が見つけやすいはず。 だから、議員の数が多く、また、たくさんの候補者の中から選べる大選挙区制の方が、より質の高い議会になりそうです。


続いて、議員の質について考えてみます。 何を以って、議員の質とするか難しいのですが、パッと思いつくのが2つ。 1つは、たくさんの票を集める議員、もう1つは、市場価値の高い人材

たくさんの票を集める議員が、質の高い議員とすると、議員の数(議員定数)が少なければ少ないほど、1議員あたりの票数は多くなるはず。 これを突き詰めると、選挙区で1人だけ選ぶ都道府県知事や市町村区長などの首長になります。 とは言え、死に票は多くなるので、ここは先ほどの大選挙区制の話とどちらを取るか、となるはず。 僕は、死に票が少ない方が、結果として、議会の質は高まるんじゃないかと思います。

最後、市場価値が高い人。 要するに、給料が高い人という意味ですが、世間で高い給料で雇われる人、あるいは、稼ぐ能力が高い人に議員になってもらう、という考え方。 こういう人たちが議員になる最もシンプルな方法は、議員報酬が高くなること。

というわけで、結論は、大選挙区制で、議員報酬が高いことが、議会の質を高めることに繋がりそうです。 あれ?


ここからは少し突拍子のない意見です。

既存の選挙・議会制度からは大きく外れてしまうけれども、たくさんの票を集めた人は、それだけ投票権が強いとかできないのかな、と思います。 例えば、1,000票で当選したAさんと、2,000票で当選したBさんがいたら、議会におけるAさんの1票=1000ポイント、Bさんの1票=2000ポイントみたいな。

あと、この議論をフェイスブックに書いたら、先輩が教えてくれたのですが、こういう考え方もあるそうです。
すべての人に投票に行くよう促すより、登録有権者のなかから一部の人たちを投票人として無作為に選ぶべきだと主張している。こうして選ばれた投票人の投票結果が、より多くの人の意見を反映するというのだ。これは、統計的に有意な数の標本を集めるということだ。米国3億1,300万の人口だと、10万人ほども投票人がいれば、信頼できる結果が得られるという。(略)
ある政策のメリット、もしくはある候補者の長所について専門家たちが討論するのを、無作為に選ばれた200人から300人の集団に、1日から2日間かけて聞いてもらう。その後投票してもらって、結果を法律化するという。
民意2.0:ランダムサンプル選挙で民主主義はもっと正しく機能する http://wired.jp/2012/11/18/fewer_voters_better_elections/ @wired_jpさんから
わかりやすく言えば、「どうせ全員投票にしたって、みんな真剣に考えないんだから、いっそのこと、ランダムに数百~数万人を選んで、その人たちに短期間集中でちゃんとレクチャーして、判断してもらおう」 というもの。

突拍子もない意見に聞こえるけれども、裁判員制度は、まさにこのような方法で運用されています。 ランダムに選ばれた数人の意見で、法曹ではない市民の日常感覚や常識を裁判に反映している、と。 まあ今の制度からの転換は難しいけれど、僕もこのランダムサンプル選挙はスマートなやり方だと思います。  少数に選ばれた方が、みんな真剣に考えるでしょ。

では。