今週末の土曜日、7月12日に、武雄市役所の小松政さん(秘書課長)と、CCCの高橋聡さん(図書館カンパニー社長)を、豊橋にお招きして、「日本一の図書館」について考える講演会をやります。 詳細&事前申込は、こちらをご覧ください。
佐賀 武雄市図書館 武雄市秘書課長・小松政さん&CCC 図書館カンパニー社長・高橋聡さん講演会@豊橋 http://1484uc.jimdo.com/tntkt/
*CCC: カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社。 TSUTAYAを運営したり、武雄市図書館の指定管理を受けている会社。



図書館関係の講演会を続けてやっているので、ありがたいことに、いろいろな情報が入ってきます。 さすが、注目の図書館だけあります。 「豊橋は、TSUTAYA図書館の方向で動いているから、なんとしても止めないといけない」 と、既に鼻息を荒くしている方もいらっしゃるようです。 僕の知る限り、まだ何も決まっていないので、思い込みというか、そういうのこわいなー、と。 週末の講演会ではディスカッションもするので、僕のファシリテーション力が試されますね!

また、よく意見も聞かれます。 「あなたは、武雄市図書館のこと、どう思ってるの!?」

僕は、武雄市図書館すごいと思いますし、正直うらやましいです。 少なくとも、開館1年ちょっとが経った現時点では、十分過ぎるほどの成果を出していますので。 もちろん、この先どうなるかは誰にもわかりませんが。 そして、『沸騰!図書館』を読んで、武雄市長の樋渡さんがおっしゃる「シビックプライド」にも、とても共感をします。

最近、僕が連載を始めたコラム"JunkStage" のタイトルを「なんにもない豊橋から」としているように、これだけ地元・豊橋に執着している大きな理由には、東京行ったときに、「あー、豊橋といえば、〇〇で有名な」 と誰もが知っているものがなかった現状を変えたくて、というのがあります。 だから、「あー、武雄ってあの図書館のね」と言われるようになった武雄をうらやましく思います。

きっと図書館ができなければ、日本国民の99%が「武雄」を知らずに一生を終えたことでしょう。 けれども、今はきっと、それが90%くらいにはなったと思います。 いいなー、武雄。



じゃあ一方、「豊橋の図書館をCCCがやるのに賛成なの!?」 となると話は別。

武雄市図書館が(少なくとも現時点で)ここまで成功している大きな理由のひとつが、「一番最初にやったから」だと僕は考えています。 もちろん、CCCの企画力、ノウハウ、デザインなんかも大きな貢献をしている。 けれども武雄に続く、CCCの指定管理として動き出している、海老名市立図書館や、多賀城市立図書館が、武雄ほどの話題になっていないのは、やっぱ一番じゃないから。 そして、ビジネスという側面から見ても、やはり武雄の図書館は、モデルケースとして、会社としても投資・注力をしてきたはず。 これからは少しずつ、軌道に乗せる段階に移行していくはずなので。 やっぱ、一番というのはでかい。

だから、海老名や多賀城が、武雄を超える、という明確な理由・実績がわかれば、僕の考えは変わるかもしれない。 けれども、豊橋に新しく図書館ができる頃には、二番煎じ、三番煎じどころか、十番、二十番煎じになってるはず。 そんなの全然ワクワクしない。 僕は「豊橋に日本一の図書館をつくろう」って呼びかけてるのに。



図書館の指定管理や、民間参入を敵対視している方々が、すごくあぶないなーと思うのは、今なぜかCCCだけを仮想敵としていること。

例えば僕だったら、星野リゾートがつくる図書館、すごく見てみたい。めっちゃ居心地よさそう。 ソフトバンク図書館、いやー、iPad使い放題だね、きっと。 Google図書館、もうなんか、国会図書館より情報ありそう。 ちょっと妄想をふくらませただけで、すごくワクワクしてきた!

全然、荒唐無稽じゃない。 熱海にある星野リゾート「ヴィラ・デル・ソル」は、紀伊徳川家の私設図書館を移築・改築している。 ソフトバンクは、グループ内に「サイバー大学」と文科省認可の大学を設置している。 同じソフトバンクグループのYahoo!ジャパンは、東北で「石巻復興ベース」というリアル空間もつくっている。 そして、Googleは、そもそも会社ミッションが、「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」 で、Google図書館プロジェクト(書籍の全文検索サービス)も、慶應大、ハーバード大、スタンフォード大らと連携し、着々と進んでいる。

こういう、既存の「図書館」という枠に囚われない想像(妄想)の幅を一気に拡げたことが、武雄市図書館の最大の功績だと、僕は思います。

では!