今やらなくて(略)今でしょ! ということで、猪谷さん講演会、ディスカッションもまとめました。 正直、講演よりもディスカッションの方が、新鮮なお話が聞けておもしろかった!
進行は、我らがつながる図書館LINKRARYの館長、大場さんです!

■ディスカッション(前半):
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自己紹介~本棚について
  • 大場(以下、大): 詳しく話し合う場じゃなく、みんなで考える場です。 どんどん当てて巻き込んでいきますので、よろしくお願いします。 ところで、猪谷さん、豊橋はどうでした?
  •  - 猪谷さん(以下、猪): コスプレのまち? 活気があってよい。 カレーうどんがおいしかった。 (編注: この日(6/1)、ぽぷかる歩行者天国、というイベントがまちなかで行われていました)
  • 大: 僕は、豊橋の花園町にあるHANACOYA(ハナコヤ)という交流拠点に、LINKRARY(リンクラリー)という「つながる図書館」をつくりました。 あ、同じ「つながる図書館」っていうのは、パクりじゃなくてたまたまですよ(会場笑) 僕自身、大学に入るまで本を読んだことがほとんどなかった。 ところが、憧れの先輩に薦められたのがきっかけで、本を読むようになりました。 「人から紹介してもらえる、おいしいとこ取りな図書館をつくりたい」と。 まちなかでやっているのは、ちょっとしたヒマ時間、空き時間に寄ってほしくて。 本を買いに行く、読む、終わり、じゃなくて、本とまちと人をつなぎたい。
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  • 大: 最近の図書館はやる気に満ちていますよね? 猪谷さん、やる気に満ちあふれた本棚って、どんな本棚です?
  •  - 猪: やる気のある司書さんは、本棚にとてもこだわっています。 ヨナゴ(米子?)市立図書館の本棚がとてもおもしろかった。 元書店員の司書さんで、ディスプレイが惹きつけられた。 武雄の「包丁づかい」コーナーでは、包丁に関する本を集めていたり、「カクテル」のBGMにはこれがイイ!など、あちこちの図書館で、文脈でまとめる取り組みが増えている。
  • 大: みなさん、今までに印象に残った図書館の本の並べ方はありますか?
  •  -  - 来場者(以下、来): 一人の人を知りたいな、と思ったのに、著者の棚がバラけていて困ることがある。 そこはどう思いますか?
  •  - 猪: 確かに著者別やジャンル別で本を読みたい方がいるので、ある分類方法に固定する事はなかなか難しい。 けれども、そこは案内の仕方次第。 ここにありますよ、とか、2-3冊目もセットですすめてくれると嬉しい。 是非、レファレンスに行って、聞いてみてほしい。
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司書について

  • 大: 2つ目の質問です。 僕自身、本をそれほど読まない人向けのイベントを何回かやっています。 最近、ぬいぐるみお泊り会もやりました。 僕たちが提案した本を、司書の方に何度も突き返され、司書さんの気持ちが少しわかり、やる気が出ました。 猪谷さん、司書の今と、今後の司書さんのモチベーション向上には何が大事ですか?
  •  - 猪: 司書は非正規雇用が増えていて、雇用環境があまり良くない。 土台としては、雇用環境の確立が大事。 素人ではできない、プロの知識が必要なため、雇用を担保する必要がある。 そして、一人の司書さんだけでも、できることがたくさんあり、図書館活動の幅が拡がります。 例えば、奈良県立図書館。 図書館だけだと来づらい人が、来やすくなる取り組みとして、イベントが目白押しです。 外部とつながり、コミュニティができて、良い循環を生んでいます。 1人の司書さんの行動がきっかけとなり、寄席の企画などを実現することも。
  • 大: 利用者として、司書さんにどんどん聞くのはいい?
  •  - 猪: 応えてくれる人は、必ずいます。
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  • 大: 会場の司書さんで、何か聞きたいことある人いますか?
  •  -  - 来: 話が逸れるかもしれませんが、今、私がいる指定管理の立場からは3年という短い期間で継続性が見込めず、自治体と連携するのが難しい。 担当が、以前、図書館にいた人だとやりやすいが、わかってくれる人がいないとやりにくい。 また、最近webコンテンツなどに力を入れているところが多く、Amazonでは履歴が見られるが、図書館では履歴を消すのが当たり前。 けれども、自分のだけでも見られたら楽しいのではないかと思うが、意見を聞かせてください。
  •  - 猪: 戦前の思想検閲という考えから、貸出履歴は保存されておらず、現代に置き換えても、警察への提供のこととかを考えると、難しく慎重に。 自分の読書履歴を見たければ、リブライズですよ! うまくサービスを利用してほしい。
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いよいよ次でラスト! 続きは「ディスカッション後半」で!
『つながる図書館』著者・猪谷千香さんの講演会の記録(その五) - 愛知豊橋・長坂尚登のblog http://nagasakanaoto.blog.jp/140630.html
では!