さて、今週末はいよいよ、小布施町立図書館まちとしょテラソの初代館長、花井裕一郎さんの講演会を豊橋でやります!
それに先立つこと約1ヶ月の6月1日、『つながる図書館』著者の猪谷千香さんの講演会を行いました。 友人に、書き起こしを頼んでおきながら、これがなかなかの作業で・・・、とは言え明日が「豊橋に日本一の図書館をつくろうプロジェクト」第二回講演会のため、重い腰を上げ、ようやくまとめました!
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さて、来てくださった方々はこんな感じでした。(手を上げてもらいました)
  • 豊橋市内から来られた方…約7割
  • 名豊ビル、開発ビルを知っている方…約7割
  • 各ビルの再開発計画を知っている方…約6割
  • 再開発計画の中に図書館の計画が含まれていることを知っている方…約6割弱
この講演に来るだけあって、再開発とまちなか図書館の計画について、知っている方が多かったです。 では、ここから講演会の記録です。


■ イントロダクション:

自己紹介
  • 東京生まれ。 神保町で中、高、大、院と過ごす。 本の街を徘徊。 大学、大学院では、考古学を専攻。 (この日も前方後円墳型のピアス。) コミュニケーションが苦手なため、学生時代より図書室に入り浸る。
  • 進路として博物館で学芸員を志望するも、就職氷河期に見舞われ新聞社に入社。 新聞記者時代、国立国会図書館、都立図書館、大学図書館を多用。 2001年に、美術館、博物館の取材を主な仕事とする。
  • 2004年に「未来をつくる図書館(2003年・著者:菅谷明子さん)」に出会う。 自分が使っている公立図書館とちがうなぁ、見てみたい。 ニューヨークへ旅行。 現地のブックカフェや公立図書館に衝撃を受ける。 国内には、何があるのかな。 以降様々な図書館の取材を行っていく。 2007年に、指定管理の千代田図書館を取材。
  • 2004年にGREEやmixiがスタート。 情報環境の変化。 メディアがネットに変わる激流に身をおきたい。 2012年ネットメディアへ転職。 ドワンゴコンテンツでニコニコ動画のニュースを担当。 ハフィントン・ポストから声がかかり、現在は、ハフィントン・ポストに務める(&自分の取材)
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「つながる図書館」にむけて
  • 2010年、「日々、きものに割烹着」を出版。
  • 東日本大震災を受けて、被災図書館やその他の図書館の取材に傾注する。 世の中がデジタルアーカイブをつくる流れに。 その取材中、「アーカイブのつくりかた―構築と活用入門」(勉誠出版)に参加する。 「図書館にぐいぐい引き寄せられる」
  • 被災地の図書館、自分の日常がなくなっていることにショック。 「日々、きものに割烹着」の担当者に勧められ、「闘う図書館(つながる図書館の原案)」を企画に出す。
  • 「闘う図書館」の取材を通して、この10年に、公立図書館に起きていることをまとめる必要性を感じ、「開け!図書館」へ。 著者にはタイトル決定権がなく、その後、四苦八苦しながら、「つながる図書館」として出版決定。
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■「つながる図書館」の事例(前半):

武蔵野プレイス
  • Twitter(Yahoo!リアルタイム検索)で、べた褒め、「住みたい」図書館。
  • 地域の4機能(図書館、青少年活動支援、市民活動支援、生涯学習支援)を融合させた運営。
  • 建築家の方が、ものすごく考えた施設。 ゾーニングがとても考えられている。 様々なタイプの利用者にいざこざが起こらないように配慮。
  • 1階に、洋風カフェテラスのカウンターのような自動貸し出し機
  • 開口、天窓に曲線を持たせ、空間がやわらかくつながる様な建築的工夫がなされている
  • B2階、20歳未満用のエリアが特徴(20歳以上、立入禁止)。 学習スペース、「バンドメンバー募集」 などのポスター、とても利用者が多い。 親からは安心感。
  • 図書館というより「武蔵野プレイス」
  • 運営は、半官半民

小布施町立図書館まちとしょテラソ
  • 小布施町人口1万1千人に対し、年間観光客は120万人。 面白いまち。 文化度が非常に高い。 官民が一体化し過ぎている。意思決定が早い。 町民がまちを大切に、歴史を大切にする。
  • 図書館をつくる上で、町民のことを重要視。 町民100人が議論して建設を決めた図書館。 反対派もいる中、町民による図書館がほしい。
  • 小布施町の町民50人が運営委員会を設置し、何回も会議して内容を決めてつくった。 運営委員会がやる気に満ち満ちた館長を公募。
  • 死ぬまでに行きたい図書館。
  • まちの人にインタビュー。 まちをコンテンツ化して、発信している。
  • 外観は和モダンな平屋建て
  • 図書館でストレッチが行われている。 当たり前の風景。
  • 入り口に館長席があり、館長が利用者を一番知っている。 信頼関係がある。 館長を初めとした運営者と、利用者の距離を縮める工夫がなされている。
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伊万里市民図書館
  • メディアに露出しないが、最も図書館界で注目されている。行くまで理由がわからなかった。行って惚れ込む図書館
  • 利用者の意向を最大限に考慮するため、設計段階から市民の声を集めながら作った図書館。市民がどんな図書館がほしいか。
  • 常時、市民ボランティア370人が活動。図書館の運営側が市民ボランティアに呼びかけを行い、イベント企画を協働。 ボランティアと組むことで活動が、2倍3倍に。
  • 図書館の起工式があった日(図書館の誕生日)に、市民が毎年集まってお祝いする。愛されている。
  • 東京の人が、伊万里に行ったときに、地元の人から図書館の自慢をされる。 ここまで愛されている図書館が他にあるか。
  • 自治体が運営
  • 本棚の間にベンチがあり、ちょっと選別するのに便利、本の冒頭閲覧を促進
  • 利用者の遊び行動を想定し、ベンチの手すりに将棋盤を置いている。腰を掛けながら会話を弾ませる事が出来るような工夫がなされている。 朝イチで囲碁を指す人がたくさん。常連で面倒見がよい。浪人生の人生相談にのるおじいちゃま。
  • 和室の閲覧席、書斎型のスペースもあり
  • 本棚の隣に展示ケース。市民の作品とか、作家の追悼コーナーとか。
  • ちょっとしたスペースに、ちょっとした展示コーナーがある。 司書の方の気合いの入った推し本コーナー、受け手もわかる。
  • 市民に対するヒアリングの功績より、布絵本などのワークショップができるスペースが設置されている。
  • 中庭に染色のできるスペースがある。
  • 暗くすると空に星が浮かぶ読み聞かせスペース。 子どもの読書に力を入れている。 小学校・幼稚園に出張して、図書カードをつくる。 子どもはカードを使いたい。 小さいうちから図書館を利用してもらって習慣付け。 ビックリするくらい、子どもが集中して読書している。
  • 建築的には一般的な図書館と大きな差異はないが、運営者が市民の図書館利用を促進するために日々工夫がなされている
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さて、次は「つながる図書館」の事例(後半)です!
『つながる図書館』著者・猪谷千香さんの講演会の記録(その二) - 愛知豊橋・長坂尚登のblog http://nagasakanaoto.blog.jp/140627.html
では!