くびきりじぞう

 上伝馬(かみでんま)(豊橋市上伝馬町)に藤三郎という男が女房と二人の子どもと暮らしていた。ある時,火事により上の子と全家財を失ってしまった。その後,残った子供も病死した。女房は小池村(豊橋市小池町)の塩満観音(しおみちかんのん)(潮音寺)に子どもの菩提(ぼだい)を祈り,夜ごと,上伝馬から3㎞の道のりを通い続けた。あまり熱心なので男ができたのではと疑った藤三郎は闇夜に女房の後をつけた。女房は塩満観音に参詣の後,中柴(豊橋市新川町)の石の地蔵尊にお参りのため立ち寄った。藤三郎は女房が男と会っていると勘違いし,カッとなり,斬りつけて家に帰った。ところが切ったはずの女房が帰ってきた。驚いた藤三郎はことの次第を女房に話し,中柴の地蔵堂へ駆けつけると,地蔵の首が地面に転げ落ちていた。藤三郎は女房を疑った自分を恥じ,地蔵尊への信仰を女房とともに深めた。これが評判になり,人々は「首斬り地蔵」と呼び,藤三郎は「石斬り藤三郎」と呼ばれるようになった。

 関連項目 - 永福寺(豊橋市下地町北村)

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このページは、2006年12月発刊の豊橋百科事典を元に作成しています。
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