いなりやまこふんぐん

 稲荷山古墳群は,標高72.3mの小丘陵「稲荷山」の尾根上にある,4基の古墳群である。平成13(2001)年に宅地造成に伴い2~4号墳の発掘調査が行われた。その後,3・4号墳は滅失した。3号墳は直径11.0mの円墳で,墳丘は控積(ひかえづ)みや石列などにより重層的に築かれている。主体部は横穴式石室で,すでに盗掘を受けており,副葬品は鉄鏃(てつぞく)片がわずかに出土したに過ぎない。また,墳丘外には墓前祭祀用の須恵器(すえき)が意図的に破砕されて出土した。

 4号墳は直径16.8mの円墳で,墳丘には石列や葺石(ふきいし)が見られた。主体部は横穴式石室で,副葬品として須恵器の提瓶(ていへい),高坏(たかつき)や鉄製品の破片が出土している。さらに,石室に通じる墓道には,墓前祭祀用の須恵器が積み重ねられていたほか,墳丘外で須恵器が破砕されて出土した。4号墳は6世紀中葉,3号墳は6世紀後葉の築造で,一族の累代の墓と推定され,多様な墓前祭祀の様相や墳丘築造方法などに貴重な知見が得られた。

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このページは、2006年12月発刊の豊橋百科事典を元に作成しています。
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