ぬすまれたかんのんさま

 昔,牛川(豊橋市牛川町)に信心が深い男が住んでいた。男は,朝倉川の向こう岸にある太蓮寺(豊橋市東田町西脇)の三十三観音に日参を重ねていた。ある日,男は観音様を自分の家に持ち帰れば,毎日,寺に通わなくてすむと考え,観音様を背負って歩き始めた。ところが,観音様がだんだんと重くなり,橋のたもとにさしかかると重くて歩けなくなってしまった。男は,観音様が太蓮寺から出たくないと訴えているように感じ,持ち帰るのは罪であることに気づいて,寺に謝りに行くことにした。一方,太蓮寺では大騒動で観音様を探していた。朝倉川の橋のたもとが金色に輝いているのが見えたので駆けつけると,持ち去られた観音様が黄金の光を放って横たわっていた。観音様が無事に見つかり,男が深く反省して謝りに来たので,人々は盗んだ男の罪を許してやったという。

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豊橋市議の長坂です。
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このページは、2006年12月発刊の豊橋百科事典を元に作成しています。
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