かたみのすずき

 昔,吉田(豊橋)の里に漁師が住んでいた。男は毎日,豊川(とよがわ)に漁に出ていた。ある時,7日以上も何も釣れぬ日が続いた。そんな9日目のこと,それは大きな鱸(すずき)を釣り上げた。男は,吉田の殿様は,鱸の刺し身が大好きだと聞き,喜んで魚を殿様に差し上げた。お城の料理番が,刺し身にしてお殿様に食べていただこうと片身をそいだ途端,鱸はピョンとはねて,城の裏を流れる豊川に飛び込んでしまった。そして,片身のままで生き続け,豊川の主といわれるほど長生きをしたという。毎年夏になると,この辺りで泳いでいた人が溺れるたびに,あの人は鱸の恨みを受けて死んだなどと噂になったという。

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豊橋市議の長坂です。
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このページは、2006年12月発刊の豊橋百科事典を元に作成しています。
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