しょうじゅうじ
嵩山正宗寺(臨済宗妙心寺派)の創立は,由緒書によれば貞和元(1345)年であるが,永仁年中(1293~99)を起源としている。開山の日顔禅師は宋僧であり,地形が中国の嵩山(すうざん)(中国河南省登封県)に似ていることから,山号を嵩山とし,寺名は禅師が嗣法(しほう)した天目山の獅子正宗禅寺の名をとった。室町期に隆盛を極め,三河・遠州にかけて百数十か寺の末寺を持つ臨済宗正伝の独立大本山となった。
大永年間(1521~28)以降,正宗寺は2度の兵火に見舞われて全山焼失し,教勢も衰えたが,開基の西郷家による再建寄進により復興した。また中興開山雲竜禅師は,慶長13(1608)年妙心寺に奉勅入寺して法系を継ぎ,江戸時代から妙心寺直末となった。
「三州吉田領神社仏閣記」(元禄6年)に,嵩山村「嵩山正宗寺,京都妙心寺末寺,長老,客殿拾間半・七間,境内廿三丁・十八丁,御朱印寺領三十六石目,開山堂三間半・弐間,鎮守堂三尺四方,地蔵堂三間・弐間,隠居所浄隠軒,塔中陽徳院・祥泉軒・有隣軒・松寿庵・清首軒・南谷院・三会軒」とある。「三河国二葉松」(元文5年)に,「嵩山村,寺領三十六石,禅宗関山派,開山日顔禅師,本寺京都妙心寺,西郷孫三郎建立,六々山正宗寺」とある。
本尊は釈迦如来像と脇士迦葉・阿難像の三体であり,背面の壁画十六羅漢の像とともに正徳3(1713)年前後の作といわれている。11世万年和尚(1742~1816)の代に伽藍(がらん)を建立し,円山応挙の高弟長沢芦雪(ろせつ)に依頼し障壁画を描かせた。長沢芦雪の筆による「旧方丈障壁画」42幅および羅漢図3幅は昭和56(1981)年国の重要文化財に指定されており,別名芦雪寺ともいわれている。また,愛知県指定文化財として開山伝来の「釈迦三尊像」3幅,伝狩野元信筆「花鳥山水」,狩野正信筆「四皓の図」を所蔵するほか,円山応挙筆「竜虎の図」,伝兆殿司(ちょうでんす)筆「涅槃像」,白隠筆「達磨図」「霊山会図」が豊橋市文化財に指定されている。
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豊橋市議の長坂です。
豊橋のことをお調べくださり、ありがとうございます。
このページは、2006年12月発刊の豊橋百科事典を元に作成しています。
https://www.city.toyohashi.lg.jp/14682.htm
では!
嵩山正宗寺(臨済宗妙心寺派)の創立は,由緒書によれば貞和元(1345)年であるが,永仁年中(1293~99)を起源としている。開山の日顔禅師は宋僧であり,地形が中国の嵩山(すうざん)(中国河南省登封県)に似ていることから,山号を嵩山とし,寺名は禅師が嗣法(しほう)した天目山の獅子正宗禅寺の名をとった。室町期に隆盛を極め,三河・遠州にかけて百数十か寺の末寺を持つ臨済宗正伝の独立大本山となった。
大永年間(1521~28)以降,正宗寺は2度の兵火に見舞われて全山焼失し,教勢も衰えたが,開基の西郷家による再建寄進により復興した。また中興開山雲竜禅師は,慶長13(1608)年妙心寺に奉勅入寺して法系を継ぎ,江戸時代から妙心寺直末となった。
「三州吉田領神社仏閣記」(元禄6年)に,嵩山村「嵩山正宗寺,京都妙心寺末寺,長老,客殿拾間半・七間,境内廿三丁・十八丁,御朱印寺領三十六石目,開山堂三間半・弐間,鎮守堂三尺四方,地蔵堂三間・弐間,隠居所浄隠軒,塔中陽徳院・祥泉軒・有隣軒・松寿庵・清首軒・南谷院・三会軒」とある。「三河国二葉松」(元文5年)に,「嵩山村,寺領三十六石,禅宗関山派,開山日顔禅師,本寺京都妙心寺,西郷孫三郎建立,六々山正宗寺」とある。
本尊は釈迦如来像と脇士迦葉・阿難像の三体であり,背面の壁画十六羅漢の像とともに正徳3(1713)年前後の作といわれている。11世万年和尚(1742~1816)の代に伽藍(がらん)を建立し,円山応挙の高弟長沢芦雪(ろせつ)に依頼し障壁画を描かせた。長沢芦雪の筆による「旧方丈障壁画」42幅および羅漢図3幅は昭和56(1981)年国の重要文化財に指定されており,別名芦雪寺ともいわれている。また,愛知県指定文化財として開山伝来の「釈迦三尊像」3幅,伝狩野元信筆「花鳥山水」,狩野正信筆「四皓の図」を所蔵するほか,円山応挙筆「竜虎の図」,伝兆殿司(ちょうでんす)筆「涅槃像」,白隠筆「達磨図」「霊山会図」が豊橋市文化財に指定されている。
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