ほんごういせき

 本郷遺跡は,豊橋市大岩町本郷に所在する古代から中世にかけての遺跡である。遺跡は梅田川と権茂川に挟まれた舌状台地の先端部近くに営まれた集落遺跡であり,古代の灰釉(かいゆう)陶器などを生産した二川古窯址(こようし)群の中心地区である苗畑支群に近接している。

 古代では,8世紀後半から9世紀前葉の掘立柱建物の倉庫,側柱建物の2棟の建物と若干の土壙(どこう)が確認されている。9世紀末から10世紀前半には,数棟の掘立柱建物と若干の土壙,そして大規模な溝が確認され,緑釉(りょくゆう)陶器とその素地とともに多量の灰釉陶器が出土した。特に全国的にも数例しか確認されていない緑釉陶器の釉薬を作るための坩堝(るつぼ)が出土し,陶器の原料の粘土と考えられるものも出土しているところから,この時期の集落が二川古窯址群の陶器生産に関係した集落であることが確認された。

 中世では,13世紀後半から14世紀前半の数棟の掘立柱建物数棟が確認され,小規模な集落があったことが判明した。15~16世紀の溝による方形区画の中に掘立柱建物が数多く確認された。整地層を挟んで北と南の広い範囲にあり,この時期に集落が拡大したとされる。

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このページは、2006年12月発刊の豊橋百科事典を元に作成しています。
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