もくたんじどうしゃ

 木炭自動車は,公式には代燃車といった。バス・トラックなどに木炭ガス発生炉を取り付け,木炭または薪を不完全燃焼させて発生した一酸化炭素を燃料として走る自動車である。

 昭和12(1937)年末には,石油消費規制が強化され,翌13(38)年には,ガソリン節約のための代用燃料装置への転換が行われた。昭和13(1938)年8月8日,タチバナバスの大崎線に愛知県下初の木炭バス,翌14(39)年5月11日,タチバナバス高豊線に愛知県下初の薪バスが運行された。「ガソリンの一滴は血の一滴」といわれ,昭和14(1939)年には,バス49%,トラック38%などのガソリン節減から木炭車への転換を余儀なくされた。

 昭和16(1941)年,アメリカの対日石油・くず鉄禁輸によって,同16(41)年9月1日から,一般自動車のガソリン使用が一切禁止された。たとえば,三ヶ日行きバスは木炭自動車では本坂(ほんざか)峠を越えることが困難だった(二俣線が開通していた)ので休止された。昭和18(1943)年11月1日,豊橋地区7社のバス事業が豊橋乗合自動車に統合されたが,免許路線530㎞中260㎞が休止していた。

 昭和24(1949)年,原油輸入が再開され,同26(51)年限りで,薪炭利用の代燃車は不許可となった。

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このページは、2006年12月発刊の豊橋百科事典を元に作成しています。
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