おはら・よきち（1906～67）

　尾原与吉は，明治39（1906）年1月25日，渥美郡田原町（田原市）に生まれた。小学校を卒業し，地元の書籍店，製菓工場を転々とした。製菓工場ではストライキに参加して名古屋市へ遁走(とんそう)した。名古屋時代に翻訳小説を乱読し，さらに大杉栄の「正義の心」，賀川豊彦の「死線を越えて」，吉田只二の「貧乏人根絶論」などに触発されて社会運動の方向へ進路を求めた。大正13（1924）年，豊橋市に移り兄の家業に従事した。昭和2（1927）年盟友の小木曽(おぎそ)信行とともに豊橋一般労働組合に加盟し，労働農民党へ入党した。無産者新聞の発行，「戦旗」読書会の指導を継続する間に，幾度か検挙された。第2次世界大戦後は，日本共産党の再建に努力し，東三河地区の最初の委員長に推薦された。著書に「東三河豊橋地方社会運動前史」がある。昭和42（1967）年4月21日，没した。

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このページは、2006年12月発刊の豊橋百科事典を元に作成しています。

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