てんぐさまにまもられたがく

 大岩寺(だいがんじ)(豊橋市大岩町)に,かつて号を月舟(げっしゅう)という僧がいて,書をよくした。ある夜,僧の夢に秋葉山の天狗が現われて,「和尚の腕を貸して欲しい」と頼んだ。僧は頼みを聞いてやった。翌朝目を覚ますと,腕はちゃんと動いたが,年が明けて正月2日の書初めの日,思うように字が書けなくなり,自分の腕は天狗に持っていかれたことに気がついた。その夜,僧はまた夢を見た。天狗が,僧に腕を返しにきた。

 「おかげでわしは天狗の中で一番の筆上手と誉められた。お礼に和尚の書いたものは必ず守る」といって消えた。次の日,僧の腕は元通りになっていた。後に,寺が大火に遭ったとき月舟書の木の額だけは焼けずに残った。その額は,今も岩屋堂(豊橋市大岩町火打坂)に掲げられている「岩屋堂」,大岩寺本堂の「大岩寺」および宝物庫におさめられている「亀見山」の,月舟書の3枚の木額であると伝えられている。

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このページは、2006年12月発刊の豊橋百科事典を元に作成しています。
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