だいげんほうしときつね

 昔,大玄法師という坊さんが高林庵(豊橋市西高師町)にいた。ある時,大玄が南の浜に行くのに,野依(のより)(豊橋市野依町)を過ぎ,天伯原(豊橋市天伯町)に出ると,狐がたくさん遊んでいるのに出くわした。大玄は突然,持っていた法螺貝(ほらがい)を吹き鳴らした。狐は驚き一目散に逃げ去った。帰りに,大玄がこの原まで来ると,急に日が落ち真っ暗闇となった。辺りを見まわすと明かりが見えたので,その家に行き「泊めてくれ」と声を掛けると,老女が出てきて「家に死人があり,留守番を頼む」と出ていってしまった。大玄が留守番をしていると,亡者が起き出し,大玄の方に近寄ってきた。大玄は驚き,後退(あとずさ)りするうち,谷川に転がり落ちてしまった。その時ぱっと真っ昼間になり,大玄は無事に庵に帰ることができたという。

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豊橋市議の長坂です。
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このページは、2006年12月発刊の豊橋百科事典を元に作成しています。
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