だいねんぶつ

 嵩山(すせ)の大念仏は,豊橋市嵩山町のうち旧嵩山村であった藤薮・中村・市場・湯巻の各地区に伝承された念仏踊りである。旧盆の14日または15日の夜,集落内で初盆を迎える家を訪れて庭先で念仏踊りを供養し,16日に檀那寺(だんなでら)の正宗寺本堂前で興行する習わしであった。夜念仏(よねんぶつ)とも称されていたが,現在は行われていない。もともと東三河にみられる念仏踊りは,三方が原の戦いで戦死した武田勢の霊を鎮め,あわせて豊作を祈念して行われた遠州大念仏との類似性が色濃く,大念仏,放下(ほうか),ハネコミなど様々な名称で伝えられている。

 嵩山の念仏踊りについては,享保6(1721)年「三河国八名郡嵩山村書上扣(ひかえ)」や,文化14(1817)年「諸国風俗問状三河国吉田領答書」などに記載されており,江戸時代には盛んに行われていたことが分かる。また記録などから,江戸時代に豊橋市内の他地域の中で金田(石巻町),牟呂,杉山などで行われていたことが分かるが,嵩山同様現在は行われていない。

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このページは、2006年12月発刊の豊橋百科事典を元に作成しています。
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