よしだじょう
吉田(豊橋)城は,現在の豊橋公園とその周辺をはじめ,東は飽海(あくみ)町から旭町,南は曲尺手(かねんて)町から呉服町,西は関屋町に達する広大な城であった。その縄張りは豊川(とよがわ)を背に,本丸を基点に二の丸,三の丸を前面,側面に配したもので,半輪郭式の後堅固の城と称される。「三河国二葉松」(元文5年)に,「吉田城,始号今橋城,永正二年駿州今川氏親依命而築之,牧野古白住之,或云往古大手門ト云飽海門也,次柳生門大手通ニ用,池田三左衛門ノ時有城普請ト云」とある。
吉田城の歴史は,永正2(1505)年,今川氏の被官であった牧野古白(?~1506)によりその前身の今橋城が築かれたことに始まる。築城当時の本曲輪(くるわ)は現在の本丸と三の丸会館の間の金柑丸(きんかんまる)一帯と考えられている。戦国期,東三河の要衝であった今橋城は,戦国武将の攻防の中,名も吉田と改められた。永禄8(1565)年,徳川家康は吉田城を攻略し,酒井忠次を城代とした。
天正18(1590)年,徳川家康の関東移封により池田輝政が入城,城地の整備拡張を進めたが,慶長5(1600)年関ヶ原合戦の後,播磨国姫路に所替えとなった。江戸時代には東海道の要衝として,大河内松平氏など9家22代の譜代大名が在城したが,財政的要因のため池田輝政整備後の状態を維持する形で明治に至った。
豊橋公園内では,曲輪,堀,石垣などの遺構を見ることができる。特に石垣には刻印とよばれる大名や家臣などの印が約60種確認できるが,各地の城の多くの刻印は幕府の命による天下普請の城に見られるものである。ここ吉田城に見られるのは名古屋城の残石を転用したためと考えられている。
明治18(1885)年吉田城址は歩兵第18聯隊の屯営となり,昭和20(1945)年第2次世界大戦終結まで陸軍省用地として,一般人の入場はできなかった。昭和24(1949)年豊橋公園として,一般に開放された。また,昭和29(1954)年豊橋産業文化大博覧会に際して,鉄筋コンクリート造りの鉄櫓を再建した。
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豊橋市議の長坂です。
豊橋のことをお調べくださり、ありがとうございます。
このページは、2006年12月発刊の豊橋百科事典を元に作成しています。
https://www.city.toyohashi.lg.jp/14682.htm
では!
吉田(豊橋)城は,現在の豊橋公園とその周辺をはじめ,東は飽海(あくみ)町から旭町,南は曲尺手(かねんて)町から呉服町,西は関屋町に達する広大な城であった。その縄張りは豊川(とよがわ)を背に,本丸を基点に二の丸,三の丸を前面,側面に配したもので,半輪郭式の後堅固の城と称される。「三河国二葉松」(元文5年)に,「吉田城,始号今橋城,永正二年駿州今川氏親依命而築之,牧野古白住之,或云往古大手門ト云飽海門也,次柳生門大手通ニ用,池田三左衛門ノ時有城普請ト云」とある。
吉田城の歴史は,永正2(1505)年,今川氏の被官であった牧野古白(?~1506)によりその前身の今橋城が築かれたことに始まる。築城当時の本曲輪(くるわ)は現在の本丸と三の丸会館の間の金柑丸(きんかんまる)一帯と考えられている。戦国期,東三河の要衝であった今橋城は,戦国武将の攻防の中,名も吉田と改められた。永禄8(1565)年,徳川家康は吉田城を攻略し,酒井忠次を城代とした。
天正18(1590)年,徳川家康の関東移封により池田輝政が入城,城地の整備拡張を進めたが,慶長5(1600)年関ヶ原合戦の後,播磨国姫路に所替えとなった。江戸時代には東海道の要衝として,大河内松平氏など9家22代の譜代大名が在城したが,財政的要因のため池田輝政整備後の状態を維持する形で明治に至った。
豊橋公園内では,曲輪,堀,石垣などの遺構を見ることができる。特に石垣には刻印とよばれる大名や家臣などの印が約60種確認できるが,各地の城の多くの刻印は幕府の命による天下普請の城に見られるものである。ここ吉田城に見られるのは名古屋城の残石を転用したためと考えられている。
明治18(1885)年吉田城址は歩兵第18聯隊の屯営となり,昭和20(1945)年第2次世界大戦終結まで陸軍省用地として,一般人の入場はできなかった。昭和24(1949)年豊橋公園として,一般に開放された。また,昭和29(1954)年豊橋産業文化大博覧会に際して,鉄筋コンクリート造りの鉄櫓を再建した。
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豊橋市議の長坂です。
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