なかじま・とよぞう（1924～45）

　中嶋豊蔵は，大正13（1924）年11月，豊橋市横須賀町の農家に生まれた。下地尋常高等小学校を卒業し，陸軍少年飛行兵に応募合格し，宇都宮陸軍飛行学校に入校した（当時15歳）。

　中嶋豊蔵陸軍軍曹は，第2次世界大戦末期の昭和20（1945）年6月3日，陸軍特別攻撃隊（第48振武隊）員として南九州の知覧基地から出撃した。沖縄海域のアメリカ軍機動部隊に突入，戦死した。享年20歳（戦死後陸軍少尉）。

　中嶋豊蔵軍曹は，特攻出撃当時左腕をくじいていた。特攻隊員たちから，母のように慕われていた冨屋食堂のトメおばさんに「そげな手じゃ，操縦もできもはんどがな，手がゆなって（よくなって）から出撃しやんせ」と諭されたが，「日本が勝つためには自分が一刻もはやく行かねばならんのです」と答えたという。軍曹はその翌日，不自由な手を自転車のチューブで無理矢理操縦桿(かん)にしばりつけて出撃したという。

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このページは、2006年12月発刊の豊橋百科事典を元に作成しています。

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