あかまつ

 アカマツ(マツ科)は,豊橋地方の山野にもっとも一般的に自生するマツである。陽樹であり,裸地に雑草が侵入しススキなどが生えてくるころに,風で散布されたアカマツの種子が発芽し,最初の林をつくっていく。アカマツを中心にコナラやアカメガシワなど他の陽樹が混じる林ができあがると,日陰では発芽できないアカマツはやがて衰えていってしまう。

 マツは里山を代表する木であるばかりでなく,松脂(まつやに)と呼ばれる油分が多いため,かまどや風呂釜のたき付けとして落ち葉や枯れ枝,松笠が珍重された。松林から松葉を集める作業をこの地方では“ごを掻(か)く”と呼んでいた。そのようにして落ち葉や下草,枯れ枝が整理され,手入れをされた松林では,新しい若木も育ち,さらに副産物としてマツタケが生えた。

 近年,マツノマダラカミキリが媒介したマツノザイセンチュウが直接の原因といわれる松枯れがひどく流行し,里山の松林が衰退した。林の手入れがなされなくなったことや,大気汚染なども松枯れの一因とされる。高師緑地(豊橋市高師町北原)のアカマツは,平成17(2005)年選定の「とよはしの巨木・名木100選」に選ばれた。

 関連項目 - クロマツ 高師緑地の自然 テーダマツ 「御幸神社の松」(豊橋市指定天然記念物) 「野依のめおと松」(豊橋市指定天然記念物)

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このページは、2006年12月発刊の豊橋百科事典を元に作成しています。
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