のうぎょうときのしおり
「農業時の栞」(乾坤(けんこん)2巻写本 天明5年序)は,農業書として出版され,著者は東海道赤坂宿(愛知県宝飯郡音羽町赤坂)の旅宿紅葉屋の主人細井孫左衛門宜麻である。「農業時の栞」の内容は,木綿など26種類の農作物の耕作法について,鳳来寺山へ参詣する地元の百姓たちと農耕法に詳しい同行の老人との耕作問答を主として,百姓たちと茶屋に居合わせた3人の医者との大黒天の話,江戸神田の天文台と改暦作業の話などの処世訓を含めて,農耕法を解説したものである。文章は西から下ってきた旅人が書き留めるという記述で,多くの和・漢・仏書からの引用をしながら,農業先進地の技術を記した「農業全書」の知識の地域普及を目的として書かれたものである。
細井宜麻(1722頃~88)は細井家の菩提寺長善寺(岡崎市桑谷町)の過去帳(孫右衛門となっている)によると,天明8(1788)年12月29日「吉田新銭町ニテ孫右衛門,是ハ赤坂細井孫右衛門,新銭町長兵衛借家ニテ死ス」とあり,「農業時の栞」を出版してから3年後に吉田(豊橋)の借家で没している。本書は「日本農書全集」40地域農書5(農山漁村文化協会 平成11年)に有薗正一郎翻刻で収録されている。
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豊橋市議の長坂です。
豊橋のことをお調べくださり、ありがとうございます。
このページは、2006年12月発刊の豊橋百科事典を元に作成しています。
https://www.city.toyohashi.lg.jp/14682.htm
では!
「農業時の栞」(乾坤(けんこん)2巻写本 天明5年序)は,農業書として出版され,著者は東海道赤坂宿(愛知県宝飯郡音羽町赤坂)の旅宿紅葉屋の主人細井孫左衛門宜麻である。「農業時の栞」の内容は,木綿など26種類の農作物の耕作法について,鳳来寺山へ参詣する地元の百姓たちと農耕法に詳しい同行の老人との耕作問答を主として,百姓たちと茶屋に居合わせた3人の医者との大黒天の話,江戸神田の天文台と改暦作業の話などの処世訓を含めて,農耕法を解説したものである。文章は西から下ってきた旅人が書き留めるという記述で,多くの和・漢・仏書からの引用をしながら,農業先進地の技術を記した「農業全書」の知識の地域普及を目的として書かれたものである。
細井宜麻(1722頃~88)は細井家の菩提寺長善寺(岡崎市桑谷町)の過去帳(孫右衛門となっている)によると,天明8(1788)年12月29日「吉田新銭町ニテ孫右衛門,是ハ赤坂細井孫右衛門,新銭町長兵衛借家ニテ死ス」とあり,「農業時の栞」を出版してから3年後に吉田(豊橋)の借家で没している。本書は「日本農書全集」40地域農書5(農山漁村文化協会 平成11年)に有薗正一郎翻刻で収録されている。
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