ばくまつびしょうねんろく

 「幕末美少年録─上野彰義隊の春田道之助─」(天佑書院「浜田弥兵衛」所収 昭和17年)は,長谷川伸が吉田(豊橋)藩士春田道之助の手記をもとに,昭和13(1938)年「オール読物」の臨時増刊号に掲載した短編小説で,原題は「彰義隊の美少年」であった。

 春田道之助は,吉田藩使番100石の春田孫兵衛長富の弟で,15歳の慶応3(1867)年12月藩主松平信古(のぶひさ)の上坂に随行し,鳥羽伏見の戦いで敗走し江戸に戻るが,翌同4(68)年5月15日,同志24人とともに脱藩して彰義隊に参加した。彰義隊壊滅後,村雨吉三郎と半年余り逃避行を続けたが自訴,明治2(1869)年初頭,赦免された。その間の事情を道之助は,罫紙27丁の手記にまとめている。長谷川伸は,抹殺された人物や事件に取材した小説を多く書いている。彼はそれを紙碑建立と称していた。「幕末美少年録」もその流れに属する作品である。

 春田道之助は,後年直哉と改名し,明治3(1870)年,豊橋藩貢進生として大学南校に入学したが,病を得て退学,その後,愛知英語学校教員などを経て帝国生命保険会社取締役となった。推理小説家の甲賀三郎は,春田直哉の養子で,彼の依頼で長谷川伸が執筆したのが本書である。

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